表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/113

祓神と

 伏せていた顔をゆっくりと上げると少年は、穏やかな笑みを浮かべて口を開いた。


「初めましてじゃな。われが祓神(ふつかみ)汀守神(みぎわもりのかみ)という。お主らへ加護を与えようぞ」


 声色と見た目からは想像もできない、神聖さを肌で感じ、五奇(いつき)は彼が人間とは別の存在であるのだと理解した。

 日本における数多の神の一柱であり、生まれも理由も様々な超常的存在かつ、トクタイに力を貸す神達のことを祓神と呼び、各チームに一柱がつき、加護を授けるのだ。


「なんとその、お呼びすればよろしいのでしこざいましょうか?」


 空飛(あきひ)が遠慮がちに訊くと、齋藤が答えた。


「汀様とお呼びしろ。くれぐれも無礼のないようにな? 特に鬼神乙女(おにがみおとめ)、貴様な?」


 釘を刺された鬼神は苛立ちげに、齋藤を睨みつけながら近くにあったゴミ箱を蹴った。


「……るっせぇな……わぁってるってんだ、ちきしょーが! 話はもういいだろうが! 帰るわ」


 乱暴に手荷物を持つと、鬼神は部屋から出て行った。それを見た齋藤が告げる。


「……いつかはあの態度も矯正せねばならんな。コホン、貴様らも今日は帰っていいぞ。明日は朝九時にこの部屋に集合の後、訓練に入る! また、共同生活に備えて準備をしておけ? では、解散!」


 言うだけ言って齋藤は部屋を出て行き、汀もまたもとの部屋へと戻って行った。取り残された五奇、等依(とうい)、空飛の三人は無言になり、しばらくして五奇が口を開いた。


「あの、それじゃ解散、しますか?」


「そうっスねー。さんせーい」


「僕もでございます。はい」


 訊けば二人も同意したため、今日はこれで解散となった。各々手荷物を持って、部屋を後にする。カギはオートロックらしく、最後に五奇が出た途端、自動で閉まった。


(良かった。カギの場所とかわかんなかったからなぁ)


 ひとまず安心した五奇は、ビルを後にした。


 ****


「あぁ……疲れた……」


 自宅へ戻った五奇は、疲れ果てた身体を休めるべく、風呂に入ることすらせず、寝室に入りベッドにダイブした。日はすっかり昇っているが、急激な眠気でそのまま寝そうになる。


「あっそう、だ。ルッツ先生に、連絡しとかなきゃな……」


 今にも閉じそうな目をむりやり開けて、スラックスのポケットからスマホを取り出す。


(毎回思うけど、日本人の顔でルッツって……あきらかに偽名だよなぁ)


 出会ってまもなく、何度訊いてははぐらかされてきたルッツの"名前問題"を思い返す。


「まぁいっか。それより、アドレスっと」


 すぐにルッツのアドレスを見つけ、メッセージを送る。


「えっと……」


『こんばんわ、五奇です。無事に入隊試験に合格しました。Eチームでしたが……』


 すぐに返信が着て、五奇は時計を見る。


(今……朝の五時なんだけど……)


 そう思いながら内容を確認すると、


『おめでとう。Eチームとはいえ、入隊出来てなによりさ。それで、今後の事はなんて聞いているんだい?』


 ルッツからのメッセージで、そういえば、今後について詳しくは聞いていなかったことに気づく。


(大事なことの大半教えてもらってないぞ!? 大丈夫なのか、この組織!)


 急に不安になってきたが、それよりも眠くて仕方がない。五奇はとりあえず、明日の朝に備えて眠ることにした。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ