雪山のお店。
オッサン専門店の異世界の方のお話。
異世界でのオッサン専門店を始めてから暫く。
【こちらの世界(日本)】でいつも通りの良い感じの経営をしつつ、最近気になっているのは【あちらの世界 (ロコココ)】での事。
オッサン専門店の異名を得て存在が広まったからか、何店舗かには開店前や開店する予定のない日にオッサンが集まる状態になって大混乱が起きた。
外装からして【異質】そのものなので、【オッサン専門店=ここだろ?】みたいな感じで、まだオープンしてもいない店の前にも人だかりが出来た。
「ワクワクとした希望を胸に列に並び、一日を過ごし、中に入れずに帰っていったオッサン達の哀愁漂う背中は中々のもんだったぞ。」
と、常連の偉そうなお爺さんが苦笑しつつ他国の話のはずなのに教えてくれた。
その事実に驚き&絶望。
オッサンを幸せにする為の店なのに、悲しみを与えてどうするよ・・・。
と、そんなことがあったので、それぞれのお店を営業時間と営業日を決めて開けることに決めた。
これはお店に来てくれている、ロコココの世界の重鎮らしき悪意のない方々との相談で決まったので、どの国も不満はないはずだ。
何店舗も抱えてると、流石に毎日、全店舗は開けられない。
なので、時間帯は全店舗同じに統一し、場所は日替わりで決めた日に開ける。
じゃないと、いつ来ればいいか分からず、開いていない店舗の前で何日も待ってしまうオッサンがいるからだ。
何日も待っちゃう人、実際にいたんだよなぁ・・・・。
まるで雪国の様な天気の悪い場所にお店がある事を発見した私は、その日はそのお店を開店することにした。
しかし、待てども待てども客が来ない。
風景が見てて寒いし、面白くもなんともない。
唯一来た冒険者らしいオッサンには温かい食事やお茶を喜ばれたが、一日店を開けて来たのはそのオッサンただ1人。
なので、雪解けを待つことにしてその店舗は放置することにした。
が、数日後。
もしかしたら、あの店舗って雪かきとかしなきゃお店が埋まっちゃうんじゃなかろうか?除雪剤とか撒くべきなのだろうか?と思って、もう一度お店を開けてみると・・・・。
「おお!開けてくれんのか!?冒険者からの話を聞いてよ、俺、ここで2日待ってたんだ!美味くて温かいもんってあるか!?」
と、雪が積もり、みぞれが降る中、外套にくるまりながら、顔を真っ赤にしてフルフルと小刻みに震えるオッサンを店の前で発見した瞬間、私は絶叫した。
下手したら死んでただろ!?このオッサン!?と。
数日遅かったら死体のオッサンと御対面していたのかと思うと肝が冷えた。
純粋に恐怖を覚えた。
ちなみに、このオッサンはこの店に来るために村を3つ分、簡易宿に泊まりながら歩いてきたらしく、頭から足先までずぶぬれ。
しかも、その日は私が最初にこのお店を見つけた時よりもずっと最悪な悪天候。
本人は「大丈夫だ!身体は丈夫な方だからな!」とか言ってたけど、身体は小刻みに震え、コホコホと咳をし、顔が赤く涙目。熱がある様子だった。
これで何ともないって言うなら、ガッツありすぎだろ、この世界の人間。と思いつつ
取り敢えず店内に招き入れ、ポットのお湯を使ってホット蜂蜜レモンを入れてあげる。
喉にも良いし、身体が温まるからね。
それをオッサンに手渡し、飲むように指示。
私は入り口内のギリギリにバスタオルや着替え、ビニールシートに金だらいの大きいのと小さいの、黒の合羽(首元から膝までのロングポンチョタイプ)を用意。
ビニールシートの上に大きい方の金だらいを置き、やかんで沸かしたたっぷりのお湯と水を注ぎ、少しぬるめのお湯を用意する。
小さい方の金だらいにもお湯を移し、タオルを浸し準備OK。
オッサンを見てみると、ホット蜂蜜レモンを大事そうに両手で抱えて【至福】とばかりにちびちびとススっていた。
体温める為に出したのに、ちびちび飲んでたら温まらないじゃん!!とっとと飲めよ!何のために出したと思ってんの!?
と、テンパっていると
「ありがてぇ。温かいの、助かる。美味いな、コレ。ありがとうな。一応、全財産持ってきたんだが・・・。」
と、困った様な表情で銅貨を出そうとするので、
【ポンチョの中で服を脱ぎ、そのままの状態で自分で温かいタオルで身体を拭え。大き目の金だらいには足を突っ込め。】
と指示をだす。
正直、凍傷になってるんじゃないかと思って、恐怖でしかなかった。
もう、恥ずかしいとか、お店の中とか気にしてる場合じゃないと思った。
ここでどうにか出来なければ、下手したら手足の指を失うことも・・・。
なんて考えて厳しめの対応をしてしまったのは、しょうがないと思う。
オッサンは驚きながらも、指示に従ってくれるらしく、ビニールシートの上に座り、ゆっくりとブーツを脱ぎ始めた。
ブーツの周りの毛皮がバリバリって音を立てて剥がれていくの、本当に怖い。
そして出てきた足は紫色に近かった。
ゆっくりとぬるめのお湯に浸して、慣れたら温度を上げるつもりだ。
上は肌着の状態まで脱がせて、ポンチョを被せてやって、下着は自分で。
小さめの金盥に分けておいた少し熱めのお湯に浸したタオルで身体を拭ってもらう。何度も。
足元のお湯も温度を上げてあげると、「ふひゅ~」と、嬉しそうな声が。
上半身があったまった所で、一度お湯から出て、ポンチョのまま新しい服に着替えてもらう。
そして毛布にくるまらせ、足は少し温度を上げたお湯につけたままである。
「ありがてぇ。こんなに薪を使わせてすまねぇ。金も足んねぇとは思うが・・・。」
と、またお金を出そうとするので
「お金は良いから。少しこの周辺の事教えてください。情報料って事で。お湯も服も差し上げますよ。で、お腹空いてます?空いてますよね?温かいのあるんで食べますか?食べますよね?」
という風に、強引に話を持って行って、近隣の情報をもらう代わりに色々と御馳走した。
勿論、風邪薬も飲ませた。
そして、この辺りの話を聞くことに。
オッサンの名前はダリアン。
村を3つ分と言っていたが、距離にすると結構離れたところから来たらしい。
そんなダリアンさんに話を聞いてみると
この近辺はあまり評判の良くない領主様が納めている土地らしい。
『あまり評判がよくない』というのは、領民が貧しく、飢えていても何の対策もせず、自分を中央の人間に売り込みに行くばかりで、ほぼ領地にいない無能者。という事らしい。
なので、領主よりもそれぞれの村の村長的な人の存在が大きいそうだ。
この辺りは魔物は出ないので安心だが、雪が常に降っている様な地域で、狩りや織物、木彫りなどの内職のような作業をこなし、雪にも強い少々の作物で生計を立てているのだとか。
薪となる木々を担いで様々なところに売りにも行くが、働き手を失うかもしれないリスキーなことなんだとか。
うむうむ。
なるほど。
説明してもらったのはこの近辺の事だけど、おそらく、ダリアンさんの村も同じ感じなんだと思う。
だってダリアンさんが着ている織物はこちらの世界でも見た事がない、独特な模様で、首飾りや耳飾りなんかは木に繊細な絵付けをしてある品のようだし、腕輪も木で出来た透かし彫りの様なものだ。
かなり手の込んだ工芸品に見える。
どれもこれも1つ作るのに何日もかかりそうだし、伝統ある品々に見える。
にしても、さっきから何度も『お金がない』と宣言するくせに、高そうな飾り物をジャラジャラと沢山身に着けているので、つい
「へぇ~。確かに、着てきたものも、身に着けてるものも特徴があって良いね。中々手の込んだものだろうし、結構高いんでしょ?」
と、意地悪を言ってしまった。
言った後に後悔しても遅い。
私の この相手の反応を見たいが為に何も考えずに発言する癖、もう少しどうにかした方が良いよなぁ。
気になってる子をいじめる男子小学生じゃないんだからさ・・・。
なんて反省しているとオッサンは困った様子で腕輪を指でなぞり、
「いや、これは俺の村で作られてるヤツで見た目より高くねぇよ。他でいくらで販売されてんのかは知らねぇけど、俺達はこれが売れねぇと生きていけねぇから、ギリギリまで値切られるんだよ。買取の商人は最低価格を知ってるからな。それに、みんな生まれた時から作ってる勢いだからな。こんなんあっという間に出来るぞ?だから高値なんてつかねぇの。...嬢ちゃんが気に入ってくれたんなら、お礼に全部置いてくけど、どうだ?おっちゃんのお古になっちまうのは申し訳ねぇけど・・・。」
と、外そうとするので
「ごめんなさい、意地悪言いました。・・・・お金ないのに飾りもの沢山あるんじゃんよぉ~って、なんか良く分かんない、あの、その、なんか、嫌な感じの、あの....ごめんなさい。」
と、自分でも訳わかんない説明をしていると
「んや、全然。見た目は高そうに見えるしな、コレ。こんな高そうなのジャラジャラ着けて『お金無いんで、こんなに御馳走してもらったけど、お金出せません~』なんて怒ってもしょうがねぇだろ。お古で良ければ、本当に・・・。」
と笑って腕輪を外そうとするので、
「今後もお金必要になるでしょ?何かあったときに売れるかもしれないから、取っておいて。」
と、申し訳ない気持ちで言うと
「あ~、そうだな・・・。それも有るし、あ~、ん~と、流石に縁起が悪ぃか・・・。」
と、暗い顔をするので『縁起の悪いものって何ぞや?』と詳しく聞いてみた。
なんともまあ、詳しく聞いてみたら、このオッサン、基、ダリアンさん、なんとも可哀そうな人だった。
温かいミルクティーとたっぷりの生クリーム&果物のロールケーキを口一杯に頬張って幸せそうに咀嚼しているにしては、もっの凄く場違いにエグイ内容だった。
ダリアンさんは、先ほどから話に出ている工芸品、まさに今のダリアンさんがしている様な首飾りや腕輪を作るような内職で少ない金銭を稼ぎながら、寒さに強い農作物を育てる貧乏な一家の次男に生まれた。
この世界では次男は所謂、長男のスペア。
一応、木彫り系の腕も確かだけど、そこそこ育てば体力仕事の奉公先に売られる予定だった。
・・・が。
なんと、先にそこそこ育っていた長男が何を思ったのか『オレはビッグになる!』的なことを言って家を出て行ったらしい。
これにはダリアンさんも両親もびっくり。
更には、長男のお嫁さんになる筈だった幼馴染(ダリアンさんの初恋の人)も知らなかったらしく、置いて行かれたことを知って泣き崩れたとか。
で、ダリアンさんの両親は急遽ダリアンさんを跡取り息子として扱うことに。
幼馴染である初恋の人の件も、お互いの両親の話し合いの結果、それなりの年頃になったらダリアンさんと結婚させようという約束に。
ダリアンさんは頑張った。
今まで見向きもされてなかったのが期待されるようになって、戸惑いもあったが頑張った。
畑を広げて、商人に騙されない様に文字も覚え、計算だって覚えた。
嫁さん予定の人の家が金銭的に危うい時には、危ないと言われている狩りや遠くへの薪売りまでして金を稼いで渡した。
で、漸く独り立ちの時。
結婚式の予定を立てていたら、大飢饉が来た。
数年、死に物狂いで働いた。
生活も落ち着き、やっと結婚出来ると思った。
しかし、嫁さん予定の人の妹さん(未婚)に子供が出来てしまい、子供が生まれる前にと、そちらの結婚が先になった。
その時、嫁さん予定のご両親に、妹の結婚式で金を使ってしまったのでダリアンさん達の結婚はもう少し待ってほしいと言われた。
ダリアンさんは素直に待った。
年取ったけど、嫁さんに来てもらえるの確定だし、大丈夫。
そう思って、素直に年を取ったオッサン。
やっと色々と落ち着いて、無事結婚式を迎えた。
しかし、その日の晩、事件は起きた。
なんと、家を出てった兄が戻ってきたのだ。
【ビッグにはなれなかったけど、冒険者をしてたから狩りは出来るぜ!ひゃっほう!】
と。
両親は
【狩りが出来る男は英雄!しかも、可愛い我らの長男が帰ってきた!】
と、大喜びで迎え入れた。
が、既にダリアンさんが結婚式をあげ、今日から嫁さんも同居予定。
ダリアンさんの部屋(昔は兄と共同で使っていた部屋)がダリアンさんと嫁さんの部屋になる予定だったのに急遽【長男様の部屋】に早変わり。
なってこった、余分な部屋がない。
しかも、いつの間にか花嫁歓迎会が兄の歓迎会に変更され、リビングの隅に追いやられる嫁とダリアンさん。
嫁に申し訳なく思ったダリアンさんは、夜中にもかかわらず、村長の元へ走った。
村にある小さな空き小屋を《嫁と自分の二人の新居として》借りられないか村長に相談しに行った。
あんな家で新婚生活なんて出来る訳がない。
渋る村長だったが、何度も何度も頭を下げて必死にお願いして、どうにか許可してもらった。
無事に村長の了承を得られたので、ウキウキ気分で嫁に報告に行くと、嫁と兄が ほにゃららら~。
ダリアンさん愕然。
嫁、《ずっと長男が好きだった》と号泣。
長男、元は俺のモン!
両親、長男マジ神!
ダリアンさん、涙の家出。
で、家出途中の簡易宿の食事処で冒険者にこのお店の事を聞いて【死ぬ前にあいつらが食えないような美味いもん食ってやる!!】という一心でここまで歩いてきた。
で、今ダリアンさんが身に着けている装飾品は結婚の際に嫁さんと揃えたものだそうで。
【いくら何でも、人様に譲るには縁起悪いよな~。】
なんて気楽に言ってるけど、そんな場合じゃないよ。
そういうガチで腹立つ&泣ける系の経験談やめて・・・。
もう、ハンカチが手放せない。
ダリアンさんの家に残ってる奴らは全員不幸になればいいよ。全力で。禿げ散らかせ、こんちくしょう。
ダリアンさん、お疲れ様です。
取り敢えず、プリンも出してあげるね。
私個人でお取り寄せした、予約待ちのめちゃくちゃ美味しい、高級なヤツ。
それで心を癒しなさいな。
うん、美味しい?そう、良かった。2個あるからね。食べていいよ。
で?
家出して、泊まるとこあるの?
「ん?ああ、泊まるっつーか、ここって山のちょい上の方でな。少し下の方に村が一個あるんだけどな、そこの宿屋のオヤジにこの話したら、住み込みで雇ってくれるって言ってもらえたよ。なんか、そこのオヤジも婚約者寝とられたことあるから気持ちは分かるって・・・。泣きながら酒もおごってくれた。」
と、少し嬉しそうに語っているが、私からすれば悲しいオッサンが二人になっただけである。
「・・・次はその人も連れておいで。うちのお店に危害を加えない《オッサン》なら入れてあげられるから。美味しいもの食べさせてあげるから・・・。」
目頭が熱くなってきたよ・・・。
まあ、可哀そうなオッサンが二人に増えたわけだけども、このオッサンがきちんと住める場所と仕事を見つけられたなら良かった。安心安心。
そんな風に色々な話をしていたら、ダリアンさんは木工細工職人として宿屋で働きながらも頑張っていくらしい。
それならばと【ウチのお店にも商品を置いたらいいよ。】と言ってあげると、たいそう喜んだ。
「この辺りは雪が酷くて露店も出せねぇし、かといって店舗なんて持てねぇからよ。どこかに頼み込んで、頭下げて売るしかねぇんだよ・・・。宿屋のオヤジのとこにも一応、置いてもらえる話はついてるんだが、買う様な人間が来るような場所でもねぇしな・・・。タダでこの店に置いてもらえるなら助かる。」
と感謝されたが
「このお店ちょっと特殊でさ。毎日ここで開ける訳じゃないし、いろんな場所で共有して販売することになるけど良い?」
と、このお店の事を簡単に説明して、ここで開ける日を教えておく。
100円で買えるスケージュール帳を渡し、毎月ごとにしるしをつけてあげる。
天候が悪い日は諦めて次の機会にすること。そう約束させて。
暫く、お仕事の話をした後。
お腹もいっぱいになったし、みぞれと雪もやんだし、そろそろ宿屋へ帰るというダリアンさん。
それならば、と。
背負い籠に炭を入れてやり着火剤を持たせてやる。
レインコートを着せてやって、スパイクのついた長靴をはかせてやる。
裏起毛なので、そこそこ温かいだろう。
後は食料だが・・・。
宿屋に着く前に迷子になられても困るので、ある程度は持たせてあげようと思う。
カロリーが高いチョコレートや羊羹などの固形物から、カロリーをチャージできる系の液体まで、様々なものを持たせてあげた。
本来はパッケージなんかは持ち出し禁止なんだけど、この環境下だししょうがないかな、と。
そして、お見送りの時。
「こんなに沢山、ありがとうな~!次には細工物、出来るだけ持ってくるからな!ミキチャンの分も、絶対に作ってくるからな~!」
と、熱めのココアの缶を片手で握りしめ、反対の手をブンブンと振りながら下山していくダリアンさん。
手を振り返して見送り、お店を片付ける。
今回は結構マイナスを出してしまったがしょうがない。
私のポケットマネーから出しているし、正直、お金を使う暇ってないから、オッサンに貢ぐ以外で私の貯金が崩れることはない。
にしても、ダリアンさんの作ったらしき細工物は本当に素晴らしいので、結構売れるんじゃなかろうか?
そう思いながら、ダリアンさんが作ったと言っていた細工物を思い出してみる。
あのままでも可愛いけど、少し手を加えると、私の世界で結構高値で売れそうなんだよな~。絵付けも可愛いし、ラインストーンなんか貼っても可愛いと思う。木のぬくもりを生かしたままの作品にするのも良し。
次来たら、インターネット販売とか相談してみようかな?
そう思いながら、その日は店を閉めた。
翌日、一応、雪山のお店の周辺を見回り、ダリアンさんが戻ってきたりしてないかを確認した後、予定通りの店を開店することに。
栄えている街の方で、様々な種類のオッサン達が集うお店である。
実は以前、そこのお店に通う魔法使いらしいオッサン(お爺ちゃん?)から
「素晴らしい転移魔法じゃな。ほっほっほ。食料が無い所でも店を出してくれるのは助かるよ。ありがとうなぁ。」
とか頭を撫でながら言われたので、私は【転移魔法の使い手】として認識されているらしい。
他の店舗の情報とかも国で共有してるらしいから、複数の店舗の店長が私で固定されてるのに店が国境を越えて存在している時点でかなり驚かれるが、色々と普通じゃないお店なので、皆すぐに納得してくれる。
【良く分かんねぇけど、便利だし良いじゃねぇか!】
という風に納得されている。
お店を開けるとその魔法使いのお爺さんがいらっしゃったので、さりげなくお話を伺ってみる。
「このお店に【皆さんにとって普通のレベルの装飾品】を置いて、売れると思いますか?」
と。
先日のダリアンさんの細工品が売れるかどうか気になる。
よく考えたら、ここに来るのオッサンばっかりだからね・・・。
オッサン達、首飾りとか腕輪とかいるか?いらんだろ?みたいな・・・。
しかも、私の世界の商品じゃなくて、ダリアンさん手作りの。この世界の商品だから。
そう思ったんだけど
「んむ?まあ、物によるだろうが、売れるんじゃないか?ここに来る奴らは子持ちやら姉妹持ちも多いだろうしな。見慣れた商品でも手土産を持って帰りたいと思うのは、どの地域のオヤジも同じじゃて。ほっほっほ。」
とのことで、売れそうで良かった・・・。
一応、私も積極的に販売はするけどね。
絵具やラインストーンを見せてみて、使いそうならバックアップするし。
荒稼ぎして、もっと可愛いお嫁さん見つければ良いんだよ、ダリアンさん。
笑顔が素敵なオッサンだもん。
幸せになって欲しい。宿屋の方のオッサンもね。
こんな感じで、雪山のお店の方は何とかなりそう。
次はどこかな・・・。
実はあそこ、気になってるんだけどな~。
行くの怖いよねぇ・・・・。