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ふははははは!!!
このスーパー侍女の手にかかれば、チーレム野郎の豪邸もコンビニ並みの防御力。
難なく潜入!
種明かしをすれば、食料搬入用の荷馬車で潜り込みました。人間生きていたら食べ物やら何やらを運び込まないと生きていけませんし、一番紛れ込みやすいって、下っ端衛兵の友人が言っていました。
使用人も嫁ごとにお付きの侍女が必要でしょうし、チーレム野郎の嫁の数が数だけに、数日に一度ですむわけありません。
毎日食べるからその分補給しないといけないわけで、今日もちょうど荷馬車が来たところで、通用門で商人と警備が話している隙に日差しから商品を守る覆いの下に入り込みました。
あとは次に止まる前に、警備の目のないところで動いている荷馬車から転がり降りれば、潜入成功。
屋敷の見取り図はありませんが、主人が生活する場所と客の滞在する場所、使用人の区画はどこも一緒なので、無問題。
さてと、チーレム野郎の嫁たちはどこにいるのやら~。
一階の居間?
庭園の四阿でお茶会?
それともチーレム野郎と・・・?
貴族というのは性別と年齢でどこにいるかほぼわかります。子どもはおはようからおやすみまで二階の子ども部屋。成人女性は一階の居間。成人男性は一階の書斎(執務室)。
サクサクと屋敷の一階を歩き回り、チーレム野郎の嫁たちを探します。貴族の屋敷は大概が同じような作りで、二階部分は家族や来客の個人の部屋で、屋根裏が使用人部屋です。別棟に使用人部屋があれば屋根裏は物置に使われます。
ということで、チーレム野郎の嫁たちに魔法をかけようとしている私は一階部分を探すだけでいいのです。
チーレム野郎が一緒にいないこと祈りながら、玄関からの導線が短い部屋から探していきます。
お。何やら話し声が聞こえてきます。
この部屋が居間のようですね。
前世基準のイケメンになってもらうチーレム野郎の嫁たちは全員ではないので、中の様子を窺って、人数が少なければ部屋に入って魔法をかけましょう。
運悪く全員そろっていた場合は、この部屋から出た先着五名にBL布教マスコットになってもらいましょう。