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就業時間までせっせと仕事をし、その後は居てもたってもいられなくて急いで宿舎に戻りました。
腐の道に生きると決めたからにはまずは自給自足です。
残念なことにこの国にはBLというものがないのです。
布教も視野に入れて薄い本を作ることにしました。
幸い、この世界は紙が誰でも手に入るほど安いです。識字率も高いです。お店も看板に書かれた文字を読めば何のお店かわかります。ご都合主義のラノベ様々なのです。
吠えよ、ペン。
唸れ、我が妄想。
ブランク25年あろうが腐女子歴10年の熟練の敵ではない。10年の間に読んだ作品の数々が今、この瞬間に昇華されて腐の神髄が顕現する!
・・・
・・・
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はっ!
今、何時?!
窓の外はもう真っ暗。
集中しすぎて夕食忘れていました。
夕食に間に合いますように!
集中しすぎてインクが付いた手を拭う時間も惜しくて、そのまま食堂に向かいました。
食堂は王宮で働く人々が使うので、早朝から開いている。けれど、夜は早々に閉ってしまいます。
なんとか閉る前に潜り込み、夕食を口にすることができました。
夕食を食いっぱぐれると、休みの時に買った手持ちの保存食がなければ翌朝まで我慢しなければいけません。
次の休みが近いから、前に買っていた保存食もほとんどなくなっていたから、間に合ってよかった~。
友達がいないから夕食に誘われないわけではありません。友達は今日は早番と遅番で夕食の時間が違うだけなのよーーー!
そのおかげで今日は創作活動ができるわけだけど。
食べ終わったら、続きを書くど~!!