10
すみません。10話では終わりませんでした。
15話以内に終わらせる予定です。
大御所声優とベテラン声優の共演を生(それも至近距離)で聞けるなんて。
舞い上がる私を他所に二人は会話を続けます。
「これは、バルナス様。また忍び込まれたのですね。何度も申し上げましたように、表から訪問してくださいませ」
セバスちゃんは後ろから私の首を掴んでいるとは思えない平然とした様子で言いました。
声だけ聴いたら無断侵入したアリスン様を見付けて咎めているだけにしか聞こえません。
首を掴まれている私が言うのもなんですが、なんで有能執事は他の人の首を掴んだまま平然と話ができるのでしょう?
私、存在していますよね?
チーレム野郎の屋敷に侵入した時に魂だけの状態で特別な人にしか見えないわけじゃないですよね?
こんな首掴み中でも平然と話している有能執事の有能は別の意味(殺し慣れている)で有能なんでしょうか?
「フフフ。硬いこと言わないでよ、セバスちゃん。アタシとルークの仲は知ってるでしょう?」
玄関以外から忍び込んだことを咎められても、アリスン様(アリスン様の名字はバルナスと言います)は笑って受け流します。
原作の小説にはありませんが、アニメではアリスン様はこのようによくチーレム野郎の家に入り込んでいました。よくあるアニメオリジナルストーリーというやつで、アリスン様をはじめとした原作の小説によく登場するキャラが問題事を持ち込んできましたっけ。特にアリスン様は原作の小説でも忍び込んで助言やら暗躍している方でしたから、アニメオリジナルストーリーはほぼアリスン様からの持ちかけでした。
尺伸ばしならチーレム嫁関連と思われがちですが、仁義なき女の闘いと育児は面倒で面白みがなかったからでしょう。
「親しき仲にも礼儀ありと申します。当家の警備体制を混乱させるのは止めていただけないでしょうか」
どうやって混乱させられたのか、気になります。
「○○ちゃ~ん」+投げキッスとかでしょうか?
「混乱なんかさせていないわよ」
「貴方様に侵入された時点で混乱いたしました」
存在自体悪みたいな言い方です。どんな警備態勢を敷いても入り込まれたら、現場の人間は混乱しますよね。
わかります。
非常にわかります。
どんなに厳選された陛下の妃候補たちも、チーレム野郎の嫁になったり、チーレム野郎の恋人になったり、妃としての資格失くしていきましたから。
陛下の最初の婚約者も陛下と顔合わせすらする前にチーレム野郎の毒牙にかかっていました。この国に来たこともない外国の王族でしたのに。
陛下の最初の婚約者はともかく、この国の貴族から選ばれた妃候補たちが大っぴらにイチャついていなければ妃としての資格も失くさずにすみましたが、チーレム野郎の取り巻き&チーレム野郎を取り合ってのキャットファイトを四六時中やらかしていたので、どうしようもありませんでした。
陛下の妃候補にすら手を出したチーレム野郎同様、警備態勢を敷いても入り込むアリスン様は場を混乱させるトラブルメーカーということですね。
わかります。
「アタシ以外にも潜り込めるんだから、まだまだヨ♥」
アリスン様はバチンとウィンクを飛ばしながら言いました。
あー・・・私のことですね。
私もそうでしたね。
有能執事の敷いた警備体制の中に潜りこんでいましたね。
HAHAHAHAHA・・・・・・。
有能執事が腹を立てているようです。背後からの殺気で寒いです。凍えそうです。




