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第8話『ヨーロッパとナーロッパ以外を目指せ!』

 はいはいどうも、今日はですね、世界観についてと言いますか、まあ世界についてでございますね。少し前に街についてテンプレと言いましたが、それに似たこと喋ります。もっと深い、見た目以外についてです。


 さぁて、皆さんご存知ナーロッパ。これ自分なろう人間ですけど嫌いな皮肉ではありませんよ。ええ、まあ正当な評価ですね。


 ヨーロッパでもなければ、ナーロッパでもない、そんなファンタジー世界を作ってほしいと言うことで、今回は比較しながら話していきましょう!


 みなさん、よく宣伝で、


「世界観は中世ヨーロッパの、王道ファンタジー!!」


 とか言うんですね。


 うんうん、違うよそれ。


 自分はなろう好きですけど、その言い方はどうも納得ができませぬ。


 では中世ヨーロッパと、自称中世ヨーロッパのファンタジー、比べましょうか。


 主人公が街に入るシーン。前に使った文章を少し変えてご覧ください。


 ◆


 草原を進み、王都の門を潜った。王城まで伸びる大通りに、商人たちが店を構えている。賑やかな街中では子供達が走り回り、王国兵士たちが巡回している。まずは冒険者ギルドを目指そう。そこからおれの異世界生活が始まるんだ。


 とりあえず道を聞かなければならないな。


 暫く歩くと、屋台の並ぶ通りに出た。アクセサリーや陶器などを扱っているようだ。


 アクセサリーの店にふらりと立ち寄り、店主に話しかける。


「冒険者ギルドってどこかわかりますか?」


「なんだいにいちゃん、旅人さんかい?それならあそこだ。あの大きな建物」


「ああ、ありがとう。今度ここで買い物させてもらうよ」


「おうよ、待ってるぜ」


 大きな建物に着く。どうやらここが冒険者ギルド。なるほどね、たしかにギルドっぽいな。


 重い樫の扉を開くと、人で溢れかえっていた。壁には依頼書がたくさん貼り付けられている。


 ◆


 まず一つ言わせてください。今回は、これがダメだ、って話じゃないんです。中世ヨーロッパとナーロッパの比較なので、実際自分の作品も上の文章に似ている箇所は結構あります。


 ではまず、街の景観について。


 今現在、当時の町が残る場所もあるので、ネットで調べてみてください。


 結構きれいに見えますね。三角屋根の家、教会、川、橋など、ファンタジーですね。これだけ見ると確かに、異世界ファンタジー=中世ヨーロッパと思ってしまうかもしれませんね。


 では、実際はどうだったのか。


 ファンタジーでは子供が駆け回り、出店が並び、鎧やローブを着た冒険者が歩き、街は活気に満ちている。


 あ、ここからお食事中の人は色々出てくるので……って、流石に食べながら読んでませんかね。一応気をつけてね(*'▽'*)


 実際の中世ヨーロッパ。


 街は屋根を見上げれば綺麗に見えるけど、石畳の上は窓から捨てられた排泄物塗れ、裏路地には人が倒れている。


 これですよ。


 説明しますと、下水道などは整備されておりませんでした。中世に入り、し尿が農耕に使われ始め発展します。しかし、人々が集まる街ではし尿の処理に困り、川に流す、川がなければ溝に捨てる、それもなければ窓から捨てる。


 これが本当に行われていたんですね。


 ですから、もし宣伝で、中世ヨーロッパなんて使おうものなら、街中が排泄物で溢れかえり、大変な汚さでなければなりません。


 そして裏路地。酔っ払ったまま凍死したり、暴漢に襲われて殺されたり、結構死体があったんですねえ。


 いやあ怖い怖い。もし中世ヨーロッパファンタジーならそれも再現しなくちゃですね。


 主人公がふと裏路地を見ると人が死んでいる。


 もう気がついた方もいらっしゃるでしょう。ご想像の通り、この汚さが一因で、ペストなどが大流行してしまったんです。


 積荷にネズミが紛れていたんですね。ノミも一緒についてきました。さらにノミに病原菌も付いてきました。そのネズミはもちろん上陸しますね。


 それがヨーロッパの沢山の港で起こりました。結果、黒死病ペストが大流行し、なんとヨーロッパの三分の一の人間が死亡しました。3人に1人ですからね。


 汚い街ならそりゃ広まりますし、死体の回収すらしませんから。街は死体だらけで阿鼻叫喚の地獄です。


 ね?異世界ファンタジー、中世ヨーロッパっぽくないっしょ?


 では次に、生活について。


 ラノベなどでは往々にしてちょっとえっちなシーンがありますね。例えば風呂で出くわしてしまうとか。着替え途中に凸してしまうとか。


 うん、うん、もっとやれ。


 じゃなかった、あれが、中世ヨーロッパでは成立しないのですよ。


 まず、風呂に入りません。


 ほんとですって。貴族ですら、ですからね。


 そこで香水が使われました。貴族の女たちは匂いをごまかすために香水をつけまくりそれはもうどこの植物園だよ、って匂いを撒き散らしていたんですね。熱帯かな。


 まあ、マリーアントワネットが入浴を伝えたんですがね。オーストリアには入浴文化がまだあったようで。


 庶民ともなれば、着替えすらしない人もいたようですね。ですから子供服は羽織るものではなくTシャツのようなものが多かったと。ボタンがないと言いますか。


 ですので、ラッキースケベなんてものは発動しないんですね。


 もっとやれ。


 あれ、でも服着替えないのか。じゃあアニメキャラがずっと同じ服着てるのと同じかな()


 なんでまあ冗談はさておき、おわかりいただけたでしょうか。中世ヨーロッパの暮らしは、ナーロッパとはかけ離れていますね。


 あとはまあ、税金ですね。


 自称中世ヨーロッパファンタジー、楽しそうに買い物したり、旅の商人が行商に来て異国のものを売ったり。


 いいですね。ファンタジーですね。でも中世ヨーロッパではないです。


 中世ヨーロッパ、何が怖いって税金ですよ。


 よくファンタジーでは、ギルドが代わりに税を払っている、なんて言われますが、そんなギルドがどうこうできる問題ではなかったのです。


 中世ヨーロッパ、なんと1本の川に何十カ所も税を取り立てる通行税取引所があったのです。


 税金はその領地の主、貴族が勝手に設定していました。値段もまちまち、あらゆるところで税をかけられないか狙っていました。


 例えば、橋や道を通行する歩行者や馬車などには車税や徒歩税、橋を通るには橋税などがかかりました。


 つまり、冒険者として別の街に行く過程で何度も何度も税金を払わせられるんですね。おまけに道路に落ちたものなんかは道路が領主のものだからそれも領主のものだ!みたいな。


 まだまだ違いはありますが、ともかく異世界ファンタジーが中世ヨーロッパっぽいというのはまったくもって間違いだと分かったでしょうか。


 ですから、何も無理やり異世界ファンタジーを世界観中世ヨーロッパなんて言わなくともいいんですよ。異世界なんだから独自進化を遂げていますから。


 もし中世ヨーロッパにするなら汚い街や税金や風呂に入らず着替えないを実践しなきゃ。


 ラッキースケベもないし。


 そんなの嫌でしょ皆さん。


 それに、ナーロッパと呼ばれる世界感よりも、本当はこのエッセイで書いてきた通り、独自の世界観を作りましょうね!

 ヨーロッパでもナーロッパでもない作品こそ本当のファンタジーです!!!


 というわけで、王道異世界ファンタジーって宣伝にしましょうね!

ヨーロッパも大変ですね。風呂入らないのは辛いっ!

風呂大好き日本人としてはやはり無理ですね。それに窓から捨てるって。ヤバすぎ。やっぱりファンタジーは中世ヨーロッパでもなければナーロッパでもないのがいいですね。


ということで、ブックマーク、☆☆☆☆☆に評価を入れていただけると幸いです!感想なども大喜びしますよ!飛び跳ねててんきゅ!!と叫びます。取り上げて欲しい話などがあれば書き込んでくださいませ。それでは次話で!

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