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第9話『金貨1000枚、つまり1億円!?そんなにもらえませんよぉ〜』

 いよいよ好みの分かれる貨幣制度にやって参りましたね。論争とまでは言わずとも、かなり分かれる分野でございます。


 こんなシーンがよくありますね。仮に主人公の名前をAとしましょう。


 ◆


「Aよ、其方にはこの度の功績を称え、国から金貨1000枚を与える。また有事の際には頼むぞ」


 逆賊を討伐した功績で金貨1000枚か。ん?1000枚……


 金貨1枚が円にすると10万円だから、1000枚だと。


「え!? 1億円!?」


「なにを言っているんだ」


「ちょ、そんなにもらえないですよぉ〜」


 俺はいきなり1億円を手に入れた。


 ◆


 ありますよねぇー。なんならもっともらうこともある。まあ、金額は置いておいてですよ、これも実はあまりよく無いんですね。


 何かと言いますと、円に換算することがよく無いのです。結構よく見ますが、ではなぜ円に換算するのはよく無いのでしょうか。


 簡単です。現代の価値観を導入することになってしまいます。


 作品内の価値と日本円の価値は違うはずです。ですから、円換算を提示してしまうと、作品内で設定した金貨や銀貨の値段と合わないと、読者も


「あれ? おかしくね。もしかして適当? 世間知らず?」


 となってしまうわけです。


 価値は国ごとに全然違います。ましてや異世界ですからね。


 では次に、ファンタジー作品において金銭をどうするべきか考えましょうか。


 一つ言えるのは、簡単にする、ということです。これはよく言われますね。


 もうひとつ、逆に複雑にする。


 2つ目は少数かもしれませんね。自分は好きなんですが。


 みなさんがよく言う中世ヨーロッパは、とてもとても面倒だったんですよ。金銭に関して。例えば、銀貨にしても、もちろん国ごとに違うし、何なら街で違うなんてこともあったんですね。


 では中世ヨーロッパの貨幣についてお話ししますね。前回中世ヨーロッパじゃないって言ったじゃないかって?ええもちろんですとも。でも参考にはなるっしょ?良いところは真似れば良いし、ということでございます。


 中世初期は物々交換が主流でした。のちにカール大帝がデナリウス銀貨を出して価値をつけるものの、どんどん信用が低下していきます。


 13世紀の少し前、高品質なものが作られるようになり、徐々に普及していきました。この当時は、大きな年ごとに使われる硬貨が違ったりするんですね。ヴェネツィアとジェノバも違いました。


 何が言いたいかと言いますと、中世の貨幣制度、複雑なんですよ。銀貨が主流かと思えば金貨になり、それも街ごとに違う、さらに後では皮幣なんてものも出てきます。貴金属不足もあり。純粋に金のみではなく安価な金属が混ざったりなど、本当に複雑なのです。


 街ごとに違う硬貨には、それぞれ名前が付いていました。例を挙げるなら、デュカット金貨、フィオリーノ金貨、などです。ね、複雑でしょ。




 このエッセイは、あくまでファンタジーとは、ってことなので、今あるラノベたちを否定しているわけではない、と言うことを念頭において読んでください。


 そこで言いたいんです。もし本当にリアルなファンタジーにするならば、貨幣制度も複雑でどうよ、ってこと。


 いや、ちょっと待ってくれ。分かる、言いたいことはわかる、複雑じゃ分かりづらいだろ?


 そうかもしれない、が、あえてここは複雑を押させてくれ!


 またまたハリーポッターを上げてみましょう。


 ハリーポッターでは金貨、銀貨、銅貨に各々ガリオン、シックル、クヌート、と名前がついています。


 1ガリオン=17 シックル

 1シックル=29クヌート


 というもの。分かりづらい?ですね。でもこれは中世ヨーロッパの貨幣の複雑さがしっかり分かりますね。


 本当のファンタジーを作るのなら、ある程度は貨幣制度もしっかりしたもののほうがリアルです。もちろん金貨の価値や物の値段は世界ごとなので作者がいじれば良いですが。


 自作も金銀銅貨の名称は変えています。


 複雑な貨幣制度のもうひとつ、リアルと通じる理由、それが、生活ということです。みんな生活をしています。例えば、商売。ファンタジー小説に出てくるものでいえば武器屋。我らが憧れの場所ですね。他には薬屋。お世話になります。


 しかし考えてみてください。貨幣制度が簡単な場合。高価な武器や武具を買うのに金貨1枚、これはいいとして、薬を銅貨5枚。2つ出てきた時どうでしょう。


 え、銅貨5枚で薬、武器は金貨1枚、この世界はどう回ってるんだろうか。銅貨何枚で金貨なの?


 気になりません?


 まあここも分かれるところではありますけれどね。考えてもみてください。今、日本で見ても沢山の硬貨が使われていますよね。1円玉、5円玉、10円玉、50円玉、100円玉、500円玉。


 6種類ですよ!?なら金銀銅の3種類があっても平気じゃないでしょうか。


 もうひとつ、貨幣制度についていい方法があります。Gゴールド方式です。


 最初から何もなくして1つにまとめる。「円」や「ドル」と同じですね。


 硬貨の種類の描写を一切無くし、記号で統一する。


 VRゲームのような作品では使われていますが、あれは純粋なファンタジーじゃないですからね。今は省きます。VR系は好きですけども。


 これは分かりやすく、かつ日本円と似た価値をつければ書くのも楽ですね。食べ物なら100Gとかにしてしまえばいい。


 簡単に貨幣制度、2つ述べましたね。


 自分は複雑な硬貨派です。個人の好みで分かれるところですが。





 実は、この貨幣制度、アップするか迷ったんですね。金貨銀貨銅貨を決めれば簡単でいい、って意見が結構あるので。


 しかし、前提としてファンタジー小説、それも最近のラノベに失われつつあるものについて、なので、書きました。


 ある程度複雑で分かりづらいなら、別で補えばいいんです。話さえしっかりしていれば、いつかその複雑なものも愛されるし理解されますよ。


 ファンタジーをせっかく書くなら、金貨銀貨銅貨に名前をつけましょう!


 硬貨についてのエピソードの1つでも交えれば、より分かりやすいですからね!


 そんな雰囲気の作品じゃない!って人は、まあ、頑張って下さい。でもそういうダークな作品ほど複雑な貨幣制度似合いますよ!

いやあこれは分かれますよねえ。金銀銅貨ってだけでいい、って意見もわかるんですよ。でも、やっぱり没入したいファンタジー小説を書くなら、貨幣制度はしっかりとしていた方がいいと思います。エッセイなので、思っていることを書かせていただきました。


ということで、ブックマーク、☆☆☆☆☆に評価を入れていただけると幸いです!感想なども大喜びしますよ!飛び跳ねててんきゅ!!と叫びます。いやマジで。お願いしますすす。


取り上げて欲しい話などがあれば書き込んでくださいませ。それでは次話で!

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