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「マイヤ!ドレスを新調するわ」
本当の自分になると決めたライラは早速動き始めた。
「はい。いつもと同じお店でよろしいでしょうか?」
「いいえ。私、もう自分を偽るの止めるの。流行りのドレスを着て髪型も化粧も派手にするの」
「えっ!?」
マイヤの顔が明るくなった。
「本当ですか?では早速デザイナーを呼びましょう」
「お願いね」
いつぶりだろう、こんなにわくわくしたのは。
「見てなさいよ!ビビアナ!!」
まずビビアナとのことを片付けてからクリスと話をすると決めた。
昨日の今日でできることから始めた。
学校なので控えめだがいつもよりは少し華やかな化粧になった。髪型もこれまでは邪魔にならない程度にまとめていたが今日からは違う。
そんなライラの変化は学校ですぐに広まった。
教室では昨日までの地味なライラが一変したことにより男子生徒は色めき立ち、女子は驚愕していた。
「ライラ?どうしたの?」
アイリスが驚いて聞いてきた。
「ちょっとね。アイリス話を聞いてもらえるかしら?」
2人は場所を変え、人気のない中庭のベンチに腰を下ろした。
「私ね酷い噂を流されるのが怖くて今まで地味な格好をして目立たないように生きてきたの。ビビアナにあんな噂流されて平気な振りしてたけど、本当は平気じゃなかった」
「でもね、昨日お兄様に言われたの。私の味方はいるんだからもっと自由に生きろって」
「ライラ…」
「それ聞いて思ったの。たぶん私、このまま死んだら後悔しか残らない。なんてつまらない人生だったんだろうって。人目ばっか気にしてやりたいことも我慢して」
前世で死ぬとき自分の過ちを後悔した。だから今回は平凡でも幸せになろうって…。でも私が16年間してきたことは違うのではないか。
噂をされるのは怖い。だからといって自分のやりたいことを諦めるのは違う。
それにこの世界ではSNSなんてない。実際に私を見た人が評価してくれる。
だったら自分で周りの評価を変えればいいんだ。
「なんか一日でライラは変わってしまったわね」
「アイリスはこんな私嫌い?」
「いいえ!もっと好きになったわ。今のあなたが本当のあなたなのね」
アイリスはライラに抱きつき満面の笑みを浮かべた。
「私もなにがあってもあなたの味方よ」
とはいえ、ビビアナは公爵令嬢。伯爵令嬢のライラが簡単に話しかけれる相手ではない。
向こうが何かしてこない限りはこちらからは何もできない。
「どうしようかしら…」
今日一日で周りのライラに対する見方が結構変わった。
(やっぱり見た目って大事なのね。にしてもそんなにダメだったかしら?)
しかしビビアナを中心とした数人の令嬢は不穏な動きをみせる。




