転生で初の人間ハル
いつもの朝。何の変哲もない普通の日
「今日も学校か」
学校は嫌いじゃない。どうせ誰とも話さないし、勉強するだけ。
ただ、めんどくさくて、少し苦痛。
嫌々ながらもいつものように着替えて、カバンを手に取り
扉を開ける。ふと前を見ると、
澄みわたる空。生い茂る緑
見たことの無い光景。振り返ると家がない。
「あ、」
思わず絶句。しばし放心が続いた。
落ち着く。
「異世界転生?、とか言うやつか。」
考えるとそれしか思いつかなかった。
「僕、夢だったんだよな?異世界転生。喜ぶべき?か」
僕には、喜びがわからない。
生まれてこの方喜んだ覚えがない。
家でも学校でも、いつも一人だ。喜びなど味合わない。
「とりあえずどうしよう」
考えてるだけでは、始まらない。
とりあえず歩き出す。
「こういう時って、誰か人に会うんだよな、」
本を思い出す。宛先もないがとにかく歩けば会えるだろう。そんな考えしかない。
だけど現実甘くなかった。
2、3日歩き続けただろう。何とか見つけた川で水分を確保し食べれそうな木の実を直感で当て、生き延びた
村が見えた。とても、小さな村
全く活気のない静かな村だ。
1人の少年が前を横切る。
「あ、あの!!」
思い切って声をかけた。
は?俺?みたいな顔で少年が見てきた。
「その.......」
何を話したら良いかわからない。
少年は、口を開いて何かを言い始めた。
日本語に似ているけどよく分からない。
少しづつ日本語とは違う。
焦った。そんな僕を見た少年がひとつの石を手渡してきた。
ジェスチャーで握れ、と合図して
言われるがまま石を握る。
「あー、分かる?俺の言葉」
衝撃だ。突如少年が日本語を話した、
「君、異世界人?」
少年は、見た目には似つかない低い声で尋ねてきた。
「あ、はい。その、異世界から来ました。」
即答える。
「だよね。言語通じなすぎ、それで?なに?」
少年が聞いてきた。
僕は、戸惑いながら少年に色々聞いた。
この世界は、ノントと、言われる世界らしい。異世界人が多い世界で、別に異世界人だから、とかいう保証や特権などない世界。
自力で生き延びるしかないらしい。
少年は。実に優しかった。口は悪いが本当に良い奴だ。
「1人なんだろ。少しの間一緒に行動してやるよ」
そう言って様々なことを教えてくれた。
少年は、ハルという名前だった。元からこっちの世界の住人らしい。
「君、名前は」
名前.......なんだっけ
「イ、インディオ」
突然ふと、思いついたのがインディオ
理由はわからない。元の世界の名前が思い出せない。
「それ元の世界の名前?」
「いや、違うはず」
そう応えるとハルは、少し考えて
「まあまいい、よろしくなインディオ」
と、言った、
この日から僕のたのしい異世界ライフが幕を開けた.......はずだった.......