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プロローグ
彼は貴方が見てる世界は幻と囁く。
青年は貴方が見てる世界は幻と囁く。
ナイル神は貴方が見てる世界は幻と囁く。
☆
世界には謎がある。
超古代文明。失われた大陸。超常現象。オーパーツ。未確認生物。未確認飛行物体。……そして、地球外知的生命体の存在。
ざざー。ざざぁーー。
波打つ黒い海にひとつの波紋が広がる。
午前3時。夜空には満月の月が下界を見下ろす形で輝く。
潮の香りが鼻孔を微かにくすぐり、真夏独特の淀んだ空気が辺りを支配する。
海に、人影のような物体が見える……
やがて、黒い人影のようなものが自分から沈むように段々姿を海に消していく。
「ああ、死んだらどうなるのか。ただ、知りたい」
自身の好奇心を満たす。ただそれだけの為に、オカルトが好きすぎて狂った青年の命は儚く、消えた。