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第拾捌話

 魔獣と呼ばれている奴らは普通の動物たちの様に種族によって生息する場所や習性などが違っている。この魔族の支配域近くにいる魔獣達は、脅威度の高いのがほとんどだ。そして、バルリアから王都に近付くにつれて、繫殖力は非常に高いが脅威度の低い魔獣が多くなっていく。

 なので周辺の村に続く道やバルリア周辺はCランク以上の冒険者たちが魔獣を狩りに出て、王都に続く街道はDランク以下の冒険者たちが出ている。


 そしてバルリアから離れた魔族の支配域に近い村は付近に砦があり、バルリア所属の兵達が戦略的防衛線をつくり守っている。精強と謳われているバルリアの兵達の平均的な個々の強さはCランクの冒険者達と同じくらいだが、冒険者達と違い連携の練度が段違いであり、分隊でBランクの魔獣であろうと狩る事が出来る。そんな者達が定期的に巡回して危険な魔獣を狩っているので村はそれなりに安全だ。とはいっても魔獣の多く居る森の近くだから、村の居住区にはそれなりの柵で囲まれていて、村の入口には門番も居る。


 今回の討伐対象のレッドオーガは人型の魔獣の中では肉体の頑強さだけなら上位に当たり、好戦的で危険な魔獣だ。間違っても村に在中している門番や村人ではどうにもならない相手だ。本来なら兵士たちが討伐している魔獣だが、稀に防衛線より内側に入ってしまったはぐれの魔獣は冒険者が討伐する事になっている。


 「おい、怪しい奴め!そこで止まれ!」 

 

よって、依頼を出している村に冒険者が来ることは当然の事であって、間違っても非常用の鐘を鳴らされ、門番に槍を構えられ、村の男たちに鎌や槍などを向けられて警戒される事はない。


 『弓を構えている人もいるよ。魔力の感知能力もそうだけど、敵の隠れていそうな場所の確認と五感を使った感知能力も上げようか。魔力を周囲と同化させた上に動かない生物は分からないからね。

 それにしても、彼女はかなりの擬態能力だね。スキルを使用しないで、純粋な技術だけであれ程の潜伏が出来ているのは凄いよ。

 それから、潜伏の練度に比べて隠れる位置が悪いのはあの場所しか隠れて狙える場所が無いのと、警戒に入る前に居た場所が悪かったんだろうね』


 ほんとだ、離れた屋根の上から木の陰に隠れて狙ってやがる。かなり目が良くなっていて、更にアルテに場所を教えて貰ったのに直ぐに分からなかった。あれは冒険者だろうな。


 「こんなナリだが、俺は怪しい者じゃない。レッドオーガの討伐に来た冒険者だ。これが証拠の依頼用紙とギルドバッジだ」


 俺の言葉に警戒しながらも門番の男が用紙を確認する為に近づいてくるが、何故これ程までに警戒されているんだ。


 「確かにこれは本物のギルドの依頼用紙とギルドバッジだな」


 門番の言葉で回りの男たちは警戒を緩めてくれた。


「悪かったな。最近この辺りで不審者が出ていたんでな、少し神経質になっているんだ。カルタ、この人を村長のところに連れてってやれ」


 門番が近くで槍を構えていた少年を呼び、俺の案内を任せて村人達は解散していく。


「あー、案内よろしく」


「…着いてきて」


 それだけ言うとさっさと歩いて行ってしまった。簡単にカルタに追いつくが、こちらを警戒している雰囲気がすごい。何なら敵意すら抱いている感じだ。

 ただの魔獣の討伐だと思っていたんだけどなぁ。


 『物語だと単純な討伐ではなくて、巨悪が仕掛けた陰謀の一端が絡んでいる展開だね』


 「そして、この問題を解決したせいで目をつけられるとこまでセットだろ。

 そんな展開は御免だな。既に人間の国が面倒そうなことをしているのに、余計な事に巻き込まれたくはないな」


 アルテとくだらない話をしながら村長の家までゆっくりと向かっていった。


 はてさて、一体どうなる事やら。

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