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奇襲作戦

 司令官が説明をしている途中で、

 ……わぁぁ~~~い…… ……どっかぁ~~ん……

 黄色い声とともに本営のテントに飛び込んできたのは、魔法戦隊の5人組だった。

「そんな大声をださない! 迷惑だから!!」

 5人を追って、メアリーも続いた。そんなに汗をかいて子供を追いかけなくても、魔法で動けなくする方が早そうな気もするが……

 一方、本営の面々は突然の闖入者にビックリ。目を大きく見開き、口を大きく開け、声も出ない。

 わたしはメアリーを呼びとめ、

「メアリー、丁度よかったわ。今、作戦会議中。あなたも参加すればいいわ」

 わたしは司令官にメアリーの椅子を用意してもらった。子供たちは、「大人の大事な話があるので」ということにして、テントの外で適当に遊ばせておこう。


 こうして、少し落ち着いたところで、わたしは立ち上がり、

「大体の事情は分かりました。毎度のことながら混沌の勢力、できるだけチャッチャと片付けちゃいましょう。でも、そのためには、敵軍の状況がどうなってるか分からないと」

 わたしがメアリーに視線を送ると、

「では、わたしが…… すぐに戻ります」

 メアリーは槍に横向きに腰掛け、敵陣の偵察に向かった。

 わたしはマリアの耳元で、

「ところで、先刻の『敵対的な魔力』って、誰のどんな魔力なの?」

「あまり上品ではなさそうでした。『でした』というのは、魔力の気配を感じたのは最初のうちだけで、今は全然、そんな感じがないので。魔力の主がいなくなったのか、あるいは、魔力の気配は、単なる思い過ごしだったのかも……」

 なんだか頼りない返事。単なる思い過ごしなら、お騒がせなことだ。ただ、混沌の領域で「上品ではなさそう」といえば、これまでの経験に基づくと、ひょっとしたら、あの「とにかくひどい顔」という以外、表現しようのないようなハーフ・オーク。

 でも、まさかね……


 しばらくすると、メアリーが戻ってきて、

「大体の状況は分かりました。敵は隣の山の上に陣を張っています。見たところ、規律は保たれていて士気も高いようです。無理矢理攻撃すれば、こちらの被害も相当に大きくなりそうです」

「だったら、無理せずに自然体でいきましょう」

 戦争は短期決戦。明日の夜明け前にプチドラ、メアリー、マリア、魔法戦隊の航空戦力が敵陣の後方に回り込み、夜明けと同時に魔法で奇襲攻撃。ビックリして山を降りてきた敵を、猟犬隊の総攻撃で一網打尽にしよう(どこかで見た作戦だけど)。マリアが魔力の気配を感じていないようだから、多分、敵はザコばかり。ならば、楽勝だろう。

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