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魔法戦隊

 メアリーに、混沌の勢力が宝石産出地帯に攻め込んだという話をすると、

「分かりました。では、親衛隊を差し向けましょうか。それとも、わたしとマリアが直接、前線に?」

 さすがにメアリーは察しがいい。でも、わたしが考えていることは、もう少し過激というか、大胆というか……

「メアリーとマリアはもちろんだけど、今回は魔法科の生徒にも手伝ってもらいたいのよ。できるかしら」

「生徒もですか!? それはちょっと…… 今の段階では、まだまだ未熟で……」

 メアリーは、生徒を背にして庇うように、その前に立った。

「分かってるわ。だから、練習のつもりで、安全なところから後方支援をしてもらうのよ。中心になるのは、プチドラ、メアリー、マリアの航空戦力。そんなに危ない話じゃないと思うわ」

「でも、安全なところといっても、やはり戦場では……」

「大丈夫よ。どうせ相手は、いつものゴブリンやオーク。そんなに強敵はいないわ」

「強敵はいないといっても、やっぱり、何が起こるか分からないですから……」


 メアリーは、なおもためらっていた。しかし、魔法科の生徒たちは、その反対に、何かを期待しているように目を輝かせている。ならば、ここは生徒たちを使って……

「ねえねえ、あなたたち、先生が困ってるわ。わたしは、あなたたちにも『悪い侵略者をやっつけるお手伝いをしてもらえないかな』と思ってるんだけど、先生はあなたたちのことを心配していて、なかなかOKを出せないでいるの。もしも、あなたたちが自分から進んで……」

 すると、生徒たちはメアリーを取り囲み、次々に、

「先生、ボクたちは大丈夫だよ。今まで教えてくれた魔法で戦えるよ」

「そうだよ。だから、悪い侵略者をやっつけに行こうよ」

 などと、口々に「お手伝い」をしたいと言い出したので、結局、メアリーも認めざるを得なくなった。わたしは心の中でニッコリ笑ってVサイン。

 メアリーは、「ああ」と小さく声を上げ、

「分かりました。でも、生徒たちの安全を第一に。それだけは、お願いします」

「約束するわ」


 翌朝、館の中庭にメアリー、マリア及び魔法科の生徒たちによる「魔法戦隊」が終結した。メアリーは、早速、隊員を紹介する。

「こちらから、アンソニー、マイケル、モーリス、メロディ、サラ、以上の5名です」

 男の子3人に女の子2人、ちなみに全員が10歳未満。

「では、行きましょうか」

 わたしは伝説のエルブンボウを持ってマリアとともに隻眼の黒龍に、メアリーは槍に、魔法戦隊は練習用の魔法の杖に乗り、館の中庭を飛び立っていった。


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