2話:この世界と依頼
うん、やっぱりな、カザドラスの村ってのを聞いたことなければザクセン王国って国聞いたことない。やっぱり、異世界ってのに来てしまったんだろうか。いくら学校に行きたくないと願ってたからって異世界に飛ばすことないだろうよ、神様。
固まってる俺に赤髪ちゃんが大丈夫ですか?と何度目かにわからない質問を投げかけてくる。
ここで、俺の思考回路は今までにないくらいの速さで回転を始めた。とりあえず、日本語が通じてるってことは生きていける筈だ。文字は通じない可能性はあるけど喋ることさえできるなら死ぬことはない。これで言葉が通じなかったりしたら異世界だってこともわからなかったかもだな。うん。神様ありがとう。
と、ここまで考えたところで隣で閉口してしまっている赤髪ちゃんに気づいた。
「あぁ、ごめんごめん。俺の知ってる所じゃなくて驚いちゃって…。」
「えっ、ここザクセン王国は大陸にいくつかある国の中でも大きい国ですよ?知らないって記憶喪失ですか?名前わかります?」なんて手をブンブン振りながら必死に聞いてくる。うん、可愛い。
「あ、あぁ。俺の名前は朝比奈流星。ごめん、ザクセン王国って国に聞き覚えは全くないや。俺がいたところは埼玉ってところなんだけど」
「サイタマですか?私も聞いたことないですね。それにその格好お貴族様かなんですか?」
ぶっ!俺は思わず吹き出してしまった。それはそうだろう、日本じゃ至って普通の中流階級で家だって大きいわけじゃない。そんな俺のことを貴族って、そんなの笑ってしまうにきまっているだろう。そこで俺は彼女に自分が異世界からきたことを伝えることにした。
「これは俺の予想なんだが、どうやらここは俺の知っている世界じゃないみたいなんだ。」
と素直に彼女に打ち明けた。あぁ、変人扱いされるのかなと少し覚悟して彼女の目を見たらどんな反応したと思う?目をキラッキラに輝かせて俺の方を見ているんだ。これには俺も若干引いたね。
「じゃ、じゃあ、貴方は遭難者ってことですよね?違う世界から来た!うわぁぁー、遭難者って初めて会いました!この世界に文明と文字それに言葉をもたらしたのも遭難者って言われてるんですよ!うわぁぁぁ。あっ、私の名前アニスっていうんです!よろしくお願いしますです!」
と、なかなか嬉しい反応をしてくれたがそれで納得いった。おそらくだけどこの世界に文明と文字言葉をもたらしたって言うのが日本人だったのだろう。だから言葉が通じるんだな。うんうん、納得行ったよ。それに、赤髪ちゃんの名前も分かったことだし、うん良かったよ。とりあえずアニスちゃん俺の手をブンブン振るのはやめて欲しいかな。とここまで話したところでアニスちゃんが急にカザドラスの村長に会って欲しいと言い出したのだ。
まぁ、嫌じゃないしここに滞在するのに会わなきゃいけないらしいから了解って感じで引き受けたんだけどね
アニスちゃんに連れられてアニスちゃんの家から出るとそこは、あぁ異世界に来たんだと実感させられる風景だった。道を牛のようなものが荷を引いて歩き木造の家がところどころに建っている。日本では一生お目にかかれない風景だった。と、風景に見てれているとアニスちゃんが俺の横っ腹を指の先でつんつんついてきた。どうやら早く来いということらしい。はいはい、今行きますよっと返事してアニスちゃんに追いつくために軽く走り出す。
びゅん!あれ?前にアニスちゃんがいない、というか後ろからアニスちゃんがなにか言いながらダッシュで追いかけてくる。
「そんなに早く行かないでくださいよ!私より先に行っても道わからないでしょ?」
って怒られた。いやいや、俺軽く走っただけだよ。こんなに早く走れるわけがないじゃん。俺は自慢じゃないがあるスポーツを除いて点でダメで、100m14秒かかるという猛者なのだよ?とここまで考えてまたもや俺の思考回路が素晴らしい回転を見せた。異世界に召喚される、と来ると次はチート級の能力を手に入れることだろう。となると俺はありえないほどの身体能力を手に入れたんだろう!と考えたところで俺は軽くジャンプしてみることにしてみた。かるーく、地面をけってみた。するとピョーンと屋根に届くか届かないかの大ジャンプになってしまった。えっ、このレベル?これはヤバイ、かなりヤバイ。この身体能力は少しセーブしなきゃダメみたいだ。
と、ここまで考えたところでアニスちゃんが放心状態から立ち直った。そして、俺はアニスちゃんに連れられて村で普通に見た家とは違う大きな家に入った。家の中はアニスちゃんの家を少し豪華にしたような感じで家の真ん中にどうみても70は超えているようなおじいちゃんが座っていた。
「お前さんが、アニスが森で拾ってきたという男か、ふむ。」とここで少し考え込むような仕草を見せた。
その時、俺の横に座っていたアニスちゃんが口を挟んだ。
「リュウセイさんは遭難者らしいですよ!」
と誇らしげに言っている。何気に初めて名前で呼んでくれた気がする。
「フム、遭難者…か。よし、お前さん…リュウセイとかいったか、がこの村に滞在するのは構わん。むしろ歓迎しよう、しかし一つ頼みがあるんじゃがの構わんかの?」というので、まぁ話だけでも聞いてみようと聞くことにした。金を払えなんて言われたら到底無理な話だしね。
「遭難者といえば圧倒的な力を持つことで有名じゃそこでじゃの、この村の近くに住む汚人の群れをたおしてほしいのじや」
思ってたより駆け足で進んでます。
早く王都に行こうと思います。内容薄くなったらすいません。