1話:目覚めたのは異世界でした
今回初めて小説を投稿させていただきます五色といいます。初めてなので至らない点も多いと思いますが間違いなどは見逃して頂けるとありがたいです。又、更新の速度はそこまで早くないと思いますが、なるべく早く頑張りたいと思います。お願いします。
「学校になんて行きたくねーよ」
そう思った経験はきっと誰にでもあると思う。1回もない奴がいるとするならばそいつは立派な変態だ。変態認定おめでとう。
俺、朝比奈流星も当たり前のように思ったことくらいある。俺の場合は1回なんてもんじゃなく毎日なんだけど…。だからといって別に学校で苛められてるってわけでもなく、学校に行けば友達だっていたし好きな人だっていた。ごくごく普通の青春は送っていたと思う。まぁ、学校に行きたくなかった理由を聞かれたらそれはもう性質としか言いようがないと思う。
えっ、何で急にそんなこと言い出すんだ?って、そんなの決まっているさ。目が覚めたら見たことのない天井でおまけに視界の隅には赤い髪の可愛い女の子が心配そうな顔して自分の顔を覗き込んでいたら誰だっていらんことを考えたくもなる。
おまけに女の子が心配そうな声で「大丈夫?」なんて聞いてきたらいくらメンタルが強い俺でも混乱するさ。とはいえ、俺は生まれてこの方1回たりとも骨折なんてしたことなくて、病気になったのもインフルエンザ1回のなかなかの健康優良児なんだぞ!
大丈夫?ってなんのことだよ!と文句の一つでも女の子に言おうと思ったんだが、あれ?体中が痛いんだけど…。
落ち着け俺、とりあえず目が覚める前のことを思い出さなければ!心配そうに話しかけてくる女の子はとりあえず無視してていいやと判断した俺は目を瞑って記憶を遡った。
そうだ、確か今日は12月で朝自転車に乗りながら寒い寒いなんて独り言で呟いてたな。んで、無事に学校についてあとは、ずっと寝てた。うん、学校は寝る場所だからな、しょうがない。
となると学校は無事に終わったんだな。あれ?でも家に帰った記憶がないぞ。
ああぁぁぁっっ!思い出した!!コンビニで買った肉まんを加えながら坂道を自転車で登っていたら前から来たおばさんが運転するノアに跳ねられたんだ!となるとここは病院か、納得納得。しかし赤い髪のここまで若い看護婦なんているんだなぁ、15、6歳にしか見えないや。
とりあえず体を起こさなきゃな。そう思って体を起こそうとしたら赤髪ちゃんが手伝ってくれた。うん、優しくていい子だ。
「大丈夫ですか?何回も聞いたんですけど反応がなくて。」
赤髪ちゃんが聞いてきた。
「あ、ああ。大丈夫だよ。それよりここは病院かい?」
ざっと見回してみたが、木の天井に木のテーブル。とても病院には見えなかった、ここはどこだろう?
「ふふっ、ここは私の家ですよ。すごいケガだったので私の家に運んじゃいました。」
つまり彼女は俺の命の恩人ということか。ふむ、それは大変だっただろうな。
「ここまで運ぶのは大変だっただろう。すまなかったな、そして、ありがとう。」
「いえいえ、それよりあんなに大怪我でカザドの森に倒れていたから驚きましたよ。何があったんですか?」と聞いてくる。
ん?まてよ、カザドの森?俺の家は埼玉県にあってだな近くにある森といえばトトロの森なんだが。そもそも俺がはねられたのは森からほど遠い場所なんだぞ!とここまで考えたところでアニメ、漫画好きの俺はある一つの仮説に行き着いた。そして、それを確かめるべく決定的な質問をすることにした。
「ここはどこの国のなんていう場所だい?」
赤髪ちゃんは当然のようにそして、不思議そうにこう答えた。
「ザクセン王国最南端の村カザドラスの村ですよ。」