きのこ
「海では、キノコが取れる」
鈴木さんはそういった。
「そんな馬鹿な!海でキノコが取れるはずがない!!」
僕は叫んだ。
「みんなも何か言ってやってくれ!」僕は周囲の人々に同意を求めた。
「しかし、鈴木さんは、海洋生物学の世界的権威だからなあ」
「その鈴木さんがそういうのなら、海でとれるキノコもあるのかも…」
「おめえら!何言ってんだよ!!」
僕はとうとうキレた。
「海で取れるキノコなんてないの!それが常識なの!!」
「キノコは、山で取れる場合もあれば、海で取れる場合もあるのです」
鈴木さんはゆっくりと、自信満々に主張した。
「しかも、あなたは、人の見てないところでは、相当悪いことをしているらしいじゃないですか」
鈴木さんはとうとう、僕の人格まで攻撃してきた。こうなっては僕に勝ち目はない。
「そうだそうだ!お前はいつもやることメチャクチャじゃないか!」
「お前は普段の行いを見つめ直せよ!!」
周囲の人々も僕の人格を攻撃しだした。
僕は、僕は正しいことを言ってるのに!正しいのは僕なのに!!
「うわー!!」
僕はとうとう逃げ出した。その目には、涙が光っていた。
END
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