僕はユートピアン
例えばね、
あのお星さまにまたがって
火星までロケットエンジンでぶっ飛んでさ
火星人と握手したり、プリクラ撮ったりして過ごす
ある日の午後は
そのまま地球にぶつかって、ドッカーン!!
なんてことを考えてみたり。
例えばね、
今日の家庭科での調理実習で
すっごい板前なんか呼んじゃって
本格的な日本料理をふるまってもらいつつ
裏では包丁と包丁、
血と涙の結晶、学校の裏番対決がっ!?
なんてことを考えてみたり。
例えばね、
急に街中でスカウトされちゃって
言われるがまま芸能界デビュー
注目に、注目を重ねて
僕はいつしかハリウッドスター
超有名人の大金持ちでウッハウハ♪
なんてことを考えてみたり。
ね?
ほら、どうでもいいこと。あてもないこと。
学校の帰り、帰路の途中。
僕はいつもそんなことばかり考えて
一人でトコトコ歩く。
トコトコ歩いた先にはさ、
あるかもしれない、異世界への扉。
会うかもしれない、十年後の僕。
考えれば、考えるほど
楽しくなってくる
ワクワクしてくる
周りが見えなくなるほど
僕の脳内は空想で、妄想で
マヒ、まひ、麻痺して、麻痺して、麻痺させられて、麻痺させられちゃって
お羽根をパタパタ
妖精さんなんかがチラッと見えちゃったとき、
僕はようやく忘れられるんだ
・・・・・・一人ぼっちの寂しさを。