ごくごく普通なかわいいメイド(※タイトル詐称)
「えぇ……わたくしが、メイド、ですか……?」
困惑したような声を出したのは、『闇の賢者』の一員である、ミラ・クォーツだ。
『闇の賢者』とは、表立って活動していない、いわば影の存在。
普段は『お掃除』という悪者退治(脱獄犯や、犯罪者の取締など)をしているが、警察とはまた違う。
なにしろ裏の組織であるので……目的を果たすに当たって、手段を選ばないところがあるのだ。
だからこそ、たまにとんでもない手柄を上げることがあるのだが……。
そんな『闇の賢者』だが、その内情は、イメージとは程遠いものだ。
筋肉ムキムキの脳筋武骨集団と思われるかも知れないが、あくまでそれは想像。実際は、変人奇人が集まる、個性派集団だ(あまり変わらない)。
そんな団に在籍するミラは、美しい黒髪に、普段は閉じている紫水晶の瞳。言うまでもなく、ここでは珍しい美人。
そんな彼女は、最年少かつ性別の壁を乗り越えて、団の中で2番目に偉い『勇者』に上り詰めたいわば才媛。
普段めったに感情を顔に出さないミラだが、今回ばかりは、いつもは糸目になっている目をほんの少し開いた。
それも無理はないだろう、なんてったって、普段任される仕事といえば『お掃除』くらいだったのに、今回は全く違う仕事を言い渡されたのだから。
そんな彼女の様子に、目の前に座る『賢者』はことりと首を傾げ、上目遣いで見上げてきた。
「まーまー、ミラちゃん。そんなにぷりぷりしないでぇ。これでも、あたくし頑張って良い御駄賃のお仕事探したのよぉ」
「……怒ってはいませんが。その頑張った結果が、これですか」
ミラは手元にあった書類をぱらりと投げ出した。
書類には一言――『そちらの団員1名を、我が城にメイド(警備)として派遣願いたい』。
まさかの、メイド(警備)――もちろん、強いだけが取り柄のミラには、到底出来も似合いもしないお仕事である。
だが、メイドは仮の姿。本来の仕事は、彼女の得意な『お掃除』である。それでも、仕事のために望んでもいない面を貼り付けるのは、面倒くさい。かなり。
ミラは、この仕事を持ってきた目の前の女性を恨めしく見た。
くるくる金髪に、綺麗な翠の目。ミラも美人だが、彼女も引けを取らずに美しい――というか、年齢不詳な時点で美女を超えていると思う。
ミラは才媛、そして彼女――マリアンヌ・ユベリティは、天才。それが、我が『闇の賢者』でよく言われることだ。
その人形じみた容姿に似合わず、あらゆる技(または騙し)で団の『賢者』にまでなったのだから。
ほんの少しでも彼女の容姿に見とれてしまう自分に苛つきながら、ミラははぁとため息を吐く。
「今回は『お掃除』のご依頼ではありません。なのでこれは些か、わたくしには難しい案件かと」
キッパリと冷たく言うと、マリアンヌはわざとらしくまつ毛を震わせて、涙目で訴えてきた。
最初にこれを受ける者は少したじろぐが、ミラはもう慣れたものだ。何回も受けてきた。
「そんなこと言わないで。ミラちゃんとあたくしの仲じゃないの」
「どういう仲なのか訊きたくもありませんが、とにかく、謹んで……」
「お受けいたします?」
「お断りさせていただきます」
そう言ってバンと任務内容が書かれた書類を執務机に叩きつければ、マリアンヌはしゅんと肩を落とした。
そしてボソリ。
「……このお仕事、お給料とってもいいのに」
その一言を、ミラの地獄耳は聞き逃さない。
「……そのお話、詳しくお聞かせ願います」
こうなることを予測していたマリアンヌは、口元にニヤリと笑みを浮かべた。
***
(で、結局こうなるのです)
ただいまミラは、絶賛メイドのお仕事中。
そして、このだだっ広い無駄な装飾がジャランジャランついている宮殿は、何を言おう我が国『サトランテイル』自慢の王城である。
詳しいことは聞こうともしなかったので、まさか勤務先が王城とは思わなかった。
そんな事を考えるミラだが。
……そう、ついにあのまま仕事をお受けしてしまったのだ。
すっかり綺麗になった廊下をまだ拭き続けながら、ミラは言い訳のように考える。
(だって……高賃金だったのですもの……)
結局は世の中金なのだ。そう思いながら、彼女はせっせと掃除する。
本当は主人の身の回りの世話をする予定だったのだが、あまりにもミラが無能なので、お掃除メイドに格下げされてしまった。
……まぁミラにとっても、こっちのほうが楽だったから良いのだが。
(しかし……契約終了まで一ヶ月。やることがありませんねぇ)
彼女はあくまで、悪い奴らを『お掃除』する警護担当。もちろん、その正体は他のメイド仲間には知らされていない。
(だけど……こんなひらひらした洋服で、本当に『お掃除』ができるのでしょうか)
ミラはメイド服をつまんでみる。それは見るからに高級そうな服だが、動きやすさ重視の彼女にとっては、鬱陶しいことこの上ない。
(最低でも、スカートじゃなくてキュロットがいいですねぇ。それに頭につけている、カチューシャ?的なものも、邪魔です。まぁ、武器ぐらいになら、なるかもしれませんが)
普段、ミラは髪を頭で団子にしている。曰く、「一番邪魔にならなく、簡単な髪型」だそう。一度彼女を知る者が「だったら髪切れば?」と言ったら、「それはなんか違う」と却下されたらしい。
しかし、見た目重視の貴族の家では、メイドは皆『三つ編み』を取り入れることが決まっている。これにはミラは納得していない。ただただ面倒くさいのだ。三つ編みをする時間があるなら、外で素振りでもしていたい。
極限まで時間を無駄にしたくないので、早く終わらせてしまおうと、さきほどから床が抜けるのではないかというくらいにゴッシゴッシと力を入れて掃除するミラ。
手加減などという言葉をもとから持ち合わせていない磨きっぷりに、他のメイド達は恐れおののいている。
「さっきからすごい音だけれど……。ブラシならまだしも、雑巾で磨いて『ザッシュザッシュ』なんて音するかしら?」
「いいえ……もしかしたら、なにかの恨みが掃除に現れているのかも」
「え?恨みって?」
「恋愛関係に決まっているでしょう!」
「きゃー!確かに、美しいお顔だと思っていたけれど!」
「ねっ。きっと、想い人に振られたのよ」
「えぇ!?あんなに綺麗なのに振るだなんて!」
「ひょっとしたら、貴族のご令息かもよ?」
「きゃぁ!……身分違いの恋!なんて素敵な響き!!」
その後もメイド達はきゃっきゃと話に花を咲かせている。……なんだかとても失礼な話題に思えるのだが、気の所為だろうか。
(しかし……敵が現れると聞いていたのですが、なかなか来ませんねぇ)
ミラがここにいるのは、何を言おう『お掃除』をするためである。だからいつも太ももに小刀を装備しているというのに、全くその気配がないではないか。
(というか……王族の皆様が狙われているのなら、どうしてわたくしは侍女になれなかったのでしょう?)
王城で暮らしているのは、もちろん王族である。その王家が何者かに狙われているのなら、その近くにミラを置いておくのが普通ではないか?
(うーん、でも、『護衛』じゃなくて『警備』なんですよね)
そうなのだ。ミラに課されたのは、城全体の警備。なので、ただ単に不審者をとっ捕まえろという意味なのか。
(いや〜でも、それはそれで、騎士団で十分だと思うんですよねぇ)
『闇の賢者』のメリットは、『必ず』任務を達成するところである。つまりは、成功のためには手段を選ばないのだ。
まあミラは正攻法(?)で仕事をすることが多いので、その心配はいらないのだが。
(……ん!……っと)
すると、外で何かが光り、こちらめがけて何かが飛んできた。
とっさにそれを足で防ぐと、金属片のような金色のものが、ころんと転がった。
(……画鋲)
それは画鋲であった。よく紙をとめるのに使う、普通の画鋲。しかし、先端が尖っている限りは、怪我の恐れもある、危ないものだ。
まあミラにとっては脅威でも何でもないのだが、訓練をしていない一般人、それも貴族となれば、十分脅威になりうる。
「……やっと尻尾を出しましたか」
実は、このようなことは以前にあった。しかし、いつも通路に転がっているだけで、それが投げられる瞬間は、見ていなかったのだ。
ここは王城だが、画鋲くらいなら、もしかしたら許容範囲なのかもしれない。犯人も、そのギリギリのラインを攻めたのだろう。
(わたくしが呼ばれたのはそのためですか。確かに、一回ならまだしも、何回も画鋲が落ちているのなら、警戒するのは当然ですね)
おそらく、騎士団も犯人捕獲に乗り出したのだろう。しかし、見つからなかった。だから、手段を選ばないが任務の成功率が高い『闇の賢者』に任せるのは、自然な流れだったと言える。
ミラは画鋲を指で弾く。
(『護衛』ではなく『警備』だったのもそのため……確かに、偉い方につくより、城内を歩き回るほうが得策ですね。公にされていないのも、ただ画鋲が落ちているというのは、些か話題性に欠けるためでしょう)
しかし画鋲。『お掃除』を得意とするミラにとっては、少しつまらない案件である。
だが、気づいたら家に画鋲が落ちているというのも怖い話だ。というか、不気味だ。一刻も早く、犯人を見つけなくては。
画鋲をポケットに入れ、ミラは辺りを見回す。
人がいないのを確認し、外に出た。
(うーん、こっちの方から来たと思うのですが)
そこには、予想通りというか、誰もいなかった。
(それはそうでしょうね。こんな簡単に見つかったら、騎士団がとっくに捕まえているはずです)
では、少々罠を張ることにしよう――と、ミラは微笑んだ。
***
次の日、ミラはまた、廊下をゴッシゴッシと磨いていた。
手を動かしながらも、頭は別のことに意識を向けている。
(……そろそろでしょうか)
そのとき、画鋲が飛んでくる。
――と同時に、「ギャッ」という短い悲鳴も聞こえてきた。
そう、ミラは罠を張っていたのだ。とはいえ、そんなにたいそれたものではなく、落とし穴と同等なレベルの、拘束用の罠。それでも、ミラの作った罠は見事に獲物を捕まえたようだ。
「待ってました」
ミラは画鋲を足で跳ね飛ばし、声の方めがけてブンと投げた。一応、牽制のつもりだ。
そして、外に出る。
「さぁ、姿を表しなさい。――『お掃除』の時間ですよ」
***
「あらあらまぁまぁ」
ここは庭にある小屋の中。
ミラは相変わらずメイドの姿。ただ違うのは――目の前に、ボッコボコになった少年が簀巻きになっているところである。
そんな状況の中、作った張本人――ミラが、ふふふと微笑んでいる。
対して、簀巻きの少年は顔色が真っ青である。
「こんなにお若い方だったなんて……さて、事情をお聞かせ願います」
「お、俺は知らないっ!」
その時、ミラの糸目が少しばかり開く。
「まぁ。ここまできて、言い逃れするおつもりですか。……それでは少々、無理があるというものです。しかし、口を割らないというのも、考えものですね。では……少々、痛い目を見せましょう」
そう言ってミラは「フフッ」と笑うと、ずっと隠していた短剣を、目にもとまらぬ早さで取り出した。
それだけで少年は結構怯えたのだが、更に、ミラは小刀を彼の鼻っ先に突きつけた。
「ひぇぇ」
「うーん、このまま鼻を潰してもいいのですが。それだと、さすがにわたくしが罰を受けてしまいます。ですので……」
ミラは右手を開いてみせた。
そこには、これまでなかった画鋲が、大量に握られていた。多少は手のひらに刺さっていてもおかしくないのだが、ミラの手は綺麗なままだ。本人曰く「一時的に、皮膚を分厚く、固くしているのです」だそう(良い子は真似しないでね)。
ミラが相変わらずニコニコしているのに対し、自分が仕掛けた画鋲を見せびらかされた少年の顔色は、それはそれはひどいものであった。
「はい。わかりますね?これらは、あなたが撒いた画鋲たちです。いやぁ、でも、この子たちも可哀想ですね。本来の仕事を全うできずに、殺人まではいかぬとも、人を傷つける道具にされたんですもの」
はい、そういうわけで、と、ミラは画鋲を一つつまみ上げた。
「貴方が1秒黙るたびに、この画鋲たちを体に刺していきます。まずは四肢から、そのあとは顔に。訓練をされていないと、結構痛いんですよ?さぁて、どうしますか?」
***
その後、少年はすべてを包む隠さず打ち明けた。1秒も惜しいとばかりに、それはそれは必死に言葉を吐き出した。
ミラは満足そうに、ふんふんと頷いている。
「なるほどなるほど。つまり、貴方は偉い方に脅され、これらをばら撒いていた、と」
「そっそうだ!確か、エイリトン侯爵という奴に!」
(ほうほう。エイリトン侯爵といえば、自分の娘を国王に嫁がせて、その子供を操り国を自らの物にしようと企てている、クソ野郎ではありませんか)
これは表には出回っていない情報だが、『闇の賢者』には優秀なスパイがたくさんいるので、このくらいの情報なら、ミラにとっては持っていて当たり前である。
(侯爵の娘と国王は、親子どころか祖父と孫ほどの年の差があるというのに。正直気色悪いです。……今回の画鋲ばら撒き事件も、きっと王城をかき乱すための準備だったのでしょう)
いくら画鋲が危険だからといって、流石に王城を、ひいては国を掌握できるほどの代物ではない。
おそらくだが、これはただの様子見。少し不安にさせたところで、本格的な作戦に入るところだったのだろう。また、相手がどのような反応をするのかを確認をするためだったとも言える。
(どうやって娘を王族に嫁がせるのかはさすがに存じ上げませんが、どちらにしても、気色悪いですね)
これは、倒すまではいかなくとも、釘を刺しておいたほうがいいかもしれない――と、ミラは微笑んだ。
***
「ハッハッハッハッ!!」
ある館の一室で、豪奢な衣装をまとった男が高級な革のソファーにもたれて、ワインを飲んでいた。
男はでっぷりと太った腹を揺らして、脂肪があらゆるところにくっついた顔に笑みを浮かべている。
「あの小僧からの報告、それはそれは愉快であった。さすがに外へ怯えを晒すことはないが、内心恐れを抱いておるであろう。……王が我が侯爵家を頼ってくるのも、時間の問題かもしれんなぁ」
男――エイリトン侯爵は、カエルのような笑い声を上げる。
そしてふと、思考に耽る。
(まぁ別に……バレたとしても、そのときはあの小僧を切り捨てればいいだけ……家族を人質に取っているなど、最初から真っ赤な嘘だったのだハッハッハッハッ)
使用人が空になったグラスにドボドボとワインを注ぐのを見ながら、侯爵は顎をぷるんと揺らして、呟く。
「我が侯爵家は、これまでどれほど王家に尽くしてきたか。……画鋲程度で縮みあがる奴らを見るのも面白いが、エイリトン家の騎士を貸してくれと泣きついてくるのを見るのは、何倍も面白い」
そう、エイリトン侯爵家は、これまで将来有望な騎士見習いを輩出してきた家で有名である。
さらに、裏で色々な取引をしているからか、よく他家が頼ってくるのだ。
「うちの騎士は優秀なことで有名だからな。王城の騎士団よりも質がいい」
そして、もし奴らが来たら、作戦は始まる。国を掌握するための、素晴らしい作戦が。
「今はまだ様子見の段階だ。これからゆっくり、見物させてもらうとし――」
「――そうですか。やはり、貴方はクソ野郎ですね」
「なんだと!?」と振り向けば、そこには先程の使用人が。
侯爵は怒りに顔を赤く染め、指さした。
「お、お前!!もう一回言ってみろ!お前なんか、すぐに処刑してやるッ!!」
対して使用人は、余裕そうににやりと笑った。
「あらあらまぁまぁ、貴族の威厳も感じさせない、汚らしい言葉遣いですこと。……あなたこそ、自分が窮地に立たされていることを、早く自覚なさったほうがよろしいのでは?」
「黙れええぇぇぇぇッ!!」
侯爵は力いっぱい殴ろうとした、が。
「……っ!?!?」
鼻っ先に突きつけられたのは――画鋲。
そして、それに気をとられた隙に、男の巨体が宙を舞う。
使用人――ミラは、侯爵の喉元にいつの間にか出した小刀を突きつけながら、ふふふと微笑んだ。
「あらあらまぁまぁ、『闇の賢者』にそんなことをして、良いと思っているのですか?」
(やっ『闇の賢者』!?)
男は顔を真っ青にした。どうしてもなにも、会っているのだ。裏の仕事のときに。
その時は、釘を差された。『闇の賢者』を名乗る者に、『二度とこんなことはしないように』と。
しかし、裏の取引はやめなかった。だって、金が入るのだ。儲けるのだ。そんな簡単にやめられるはずがないだろう――と、たかを括っていた頃が懐かしい。
侯爵は両手を上げながら、声を絞り出す。
「やっやめてくれぇ……!!お願いだ、殺さないでくれぇ……!!」
その言葉に、ミラはにっこりと笑う。
「ええ、ええ、殺しはしませんよ」
(よ、よかった)
男が安心したのも束の間。
「半殺しにします」
***
「ちょっとミラちゃぁん」
数日後、任務を終えて帰ってきたミラに、マリアンヌが小走りで近づいてきた。
そのたびに濃い香水の香りがするのを、ミラは顔をしかめて我慢する。
「なんでしょう」
「なんでしょうじゃないでしょう。貴方、やりすぎよぅ。侯爵寝込んじゃったって」
あぁ、あの時のことか――と、ミラは回想に耽る。
あのあと、ミラは男を半殺しにした。どうやってかは、想像に任せるが、ありとあらゆる苦痛を浴びせたのだったか。
そんなミラの様子を悟ってか、マリアンヌはぷんぷん怒る。
「もうっ、いつも言っているでしょう?手加減してねって!」
「だって、とても虫唾が走ったのですもの」
「それはわかるけれど……だからって!」
いつまでも続きそうなお説教にうんざりしたミラは、手を上げてどうどうと嗜める。
「それよりも……次の仕事は、お給料、高いですか?」
マリアンヌはピタッと止まり、一転して柔らかい笑顔で「もちろん!」と頷く。
「次は、ミラちゃんの得意な『お掃除』の案件よ」
「まぁ、本当ですか。侯爵は貴族だったので、『お掃除』できなかったのです」
「ミラちゃんは『暗いお掃除』は不得意だものね。でも、大丈夫よ。なんてったって――」
『闇の賢者』『勇者』のミラは、今日も今日とて忙しい。
そして彼女を見つけることができるのは、この先誰もいないだろう。
なんてったって、彼女は『ごくごく普通なかわいい女の子』なのだから。
そして、ミラは今日も死神の微笑みをその美しい顔に乗せて、言葉を紡ぐのだろう。
――さぁて、『お掃除』のお時間ですよ。