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兄ちゃんは陰キャ

「なんでお前そんな普段から暗いの」

「だって私の髪の毛…青くて…他の人と違くて…」

「だから何?そんなこと言ったら目だって、鼻だって口だって同じものなんてなくね?」

「それは!…そうだけど私のは病気だから」

「とりあえず俺は髪の毛が青くても黒くても変わんないしそれを言い訳にしてる暗くなってるお前がイラつくわ」

「ひどい…」


 これは俺の過去を夢で見てるのか…?そういえば最初会った頃はまだ誰にも心を打ち解けられず暗いやつだったな、昨日のどっかの誰かさんとは大違いで


「兄ちゃん、おっきろーーーー!!!!!!」

ドスン!!!!!「ウエッ……」


 妹や、天真爛漫なのは良いことだが朝イチ人が寝てる布団に膝からダイブしたらそいつは最悪二度と眠りから覚めなくなるぞ…


「目、覚めたか!?兄ちゃん!」


 膝蹴りならぬ膝プレスを腹に喰らってうずくまる俺を片目に心配どころか本気でただ寝そうになっていると思っているこのアホの娘こそ俺の実妹、粟田真琴だ。


「あぁ…おかげさまでバッチリ目が覚めたよ、一周回って二度と目が覚めなくなるかと思うほどにな」

「何のことだ?」


 この皮肉の通じなさなのに後一年で中学生になるらしい、お兄ちゃんゆとり教育怖い。


 今日は高校生になってから2日目の朝、昨日はあの後クラス分けや自己紹介などを済ませたあと昼食も食べず早帰りであった。ちなみにだが青髪の美少女、名前はたしかメメと言ったか、クラスを一望してみたが目立つ青髪はそこにはおらず違うクラスになったらしい。


「兄ちゃん昨日は友達出来たか?」

「そんなすぐ出来ねーよ、お前兄ちゃんの何を見たら1日で友達が出来ると思ったんだ?」


 そもそも論クラスの半分は内部進学者で元々見知った顔だ、とはいえ友達なんて言えるものはおらず3年かけた実績が友達0の兄にその質問は酷である。


「そっかー、けど昨日話してた青髪の女の子!もしかしたら兄ちゃんと小学校の時仲良くしてた子じゃないのか?」

「偶然だろ、頭髪色素異彩病は確かに滅多に見ない病気だけどそれでも100人近くはいるって言われてるし、、、何より俺は引っ越してるし…」

「けど聞くだけ聞いてみろよ!もしかしたらそうかもしれないだろ!」

「わかったわかった…とりあえずもう遅刻するから学校行ってくるな」


 そう、事実俺もどこかのタイミングで本人にその話を持ちかけるつもりはあった。だが、中学以降まともに同級生の女の子と話していない俺にはハードルが高い。


 それと何よりも向こうはどう思っている?仮に本人だったとしても所詮小学校の頃の話だ、「そういえばそんな人もいましたね〜笑」みたいな感じであしらわれたら立ち直れる気がしない。よし、声はかけないようにしよう。


―――――――――――――――――


学校の放課後


「野球部募集してます!特にマネージャー!!」

「一緒にバスケしませんかー!?可愛いマネージャーも入ってくれたら嬉しいなーー!!」


 学校では部員確保に必死な部活がすでに新入生の勧誘に動いている。やはり運動部は活気があって素晴らしい、そこにやましい気持ちなんてないのだろう。ちなみにだが俺に部活に入るつもりは無い、中学3年間を帰宅部として過ごしてきたエリート帰宅部である俺に今更部活なんて入れるはずがない。


 陰キャボッチ特有のオーラを放っている俺に話しかけてくる勧誘など勿論存在しないと思っていた、そう思っていた俺が甘かった。


タッタッタッタッタッタッタッタッタッ

「君!天文部に興味はないかい!!!」

青髪の少女がそこには立っていた。

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