25 大蛇を探す
まずは旅館に案内される。荷物を置き背伸びをする。
「んーーーーーっ!! この解放感!!」
「そういえば。その邪魔くさい箱は?」
「これ? えーと。秘密♪」
美雨はその箱も置いた。討伐に持って行かないのかとリリンは疑問に思った。
「……まあいい。北の森に大蛇は現れるらしい」
コクウが言う。
(知性を今宵レベルに合わせてと……)
「では、さっさと倒してこの島で数日くらいバカンスを楽しみますか!! 準備はしてませんが、誰もいないことですし、開放的な海水浴とか!! それに混浴もあるらしいですよ!!」
「甘いな。難易度はたしかに低く設定されている。だが、この依頼は定期的に出されている。モンスターが発生しやすいか、もしくはハンターがやられてるか」
ポータルサイトから過去の依頼をある程度調べる事が可能である。
「ハンターが?」
「軽く調べた程度だからあくまで憶測だ。地形に慣れないせいか予想外のなにかに……どちらにせよ、警戒した方が良い」
美雨が言う。
「それなら一日、二日は土地勘がある人と一緒に動いて地形の把握からですか? 今回が初めてなのか、そうじゃないならどういう時に現れるのかとか、詳細を聞きながら」
「お前とは気が合いそうだ。とっととCランクに上がってこいよ」
リリンに褒められたので照れる美雨。
「ん~今宵は思ったより……」
「思ったより?」
「あ、気にしないでこっちの話です~」
「……?」
この日は森を散策するもモンスターは現れず、宿に戻った。温泉に入った後、専用個室に入る。食事や飲み物を運んでくる。旅館の見た目が若い女性が三人に聞いた。
「今回のハンターさんは皆お若いのね~。御年はいくつ?」
美雨が素直に答えた。
「え? 私は今年で21です」
「……私は23くらい?」
「なんで疑問系なの」
従業員が最後にリリンの顔を見た。こっちが本命のようだ。笑顔で従業員が言う。
「ごめんなさいね。でも、お酒を出す前に年齢確認を、ね?」
「っ……27だよ」
行きつけの店から離れると大体聞かれる。不服ながらも小さなカード。ハンターのライセンス証明書を見せる。驚いた表情を見せた。
「Sランク!? ……そ、そう、ですか」
追加で飲み物を注文する。コクウが言う。
「すみませーん。例のクリームソーダってないんですか?」
「ああ、幻の。それはここじゃないんですよ」
「そう……ですか……」
仕方ないので取り合えず、日本酒と、梅酒、普通のメロンソーダを注文をした。
リリンの顔が真っ赤になっていた。
「明日はもっと……深くぃいく……ぞぇ……」
「リリンさん。珍しく酔ってますね」
「あぁ~。こにょくらいで酔うきゃよ」
「飲み過ぎないでくださいよ」
呂律が回っていないリリンが聞く。
「そうだった……おまえりゃ、夕凪をどう思う?」
「た、頼もしい人だと思ってますよ」
(たしか夜空を高く評価している人間……)
「非常に有能な人材かと」
「だろぉらろぉ!! 分かってんじゃーにぇか、ぉめ~ら!!」
彼女が急に怖い顔をした。
「ん? だとしたらぁ……まさか狙ってんじゃねぇだろうにゃ?」
「いえ」「まったく」
「なんらと!! てめ~ら正気かぁ!! 夕凪に魅力がにゃいって言いたいのかぁ!!」
「いやーアハハ」
二人は面倒くさいと素直に思った。美雨が言う。
「あ、ちょっとお手洗いに」
コクウが言う。
「うんちはそっちの通路の突き当りですよ」
「違います。それとせめてトイレって言ってください……」
美雨がそれらしい場所を見つけると一つ隣の個室から十式丸が現れた。
「ふぅースッキリだぜぇ。お、今宵ちゃん」
「今日はどうでした?」
「ああ、収穫ありぃだ」
「え!! 見つけたんですか!!」
「すでに8人切り。あと十日もあれば目標の100人切り達成だなぁ!!」
「……だ、大蛇の話ですよ」
「大っ。わりっ。急いでたのか。邪魔したな」
十式丸は酔っぱらっているのかフラフラと戻って行った。
「……」
美雨も済ませて戻るとリリンが寝てたので部屋に運んだ。
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