幼き夢
──夢を見た。
その夢は夢にしてはとても鮮明ではっきりと記憶に残っていて一言にて「不思議な夢」としか言いようがなかった。
かの有名な「不思議の国のアリス」もあれだけのへんてこな国を大冒険して、自分の身が危なくなると目が覚める。
しかし体験したことは確かにへんてこだがあたかも現実のようで、とても夢とは思えなかった──という結末だった気がする。
夢なんて当分見てなかった。
正夢なんてあったことがない。
夢なんて所詮は夢でしかないと思っていた。
子供の頃夢見ていた馬鹿みたいな空想を話してあげよう。
たくさんの動物達とわいわい楽しく触れ合って遊んで。自然いっぱいの国にいて、動物たちに愛されて愛して。
可愛い動物を愛でて。触れて。楽しんで。
そんな馬鹿みたいなことを考えていた幼き黒歴史である。
空を飛ぶ翼を堂々と広げた頼もしい鳥たちの上に乗って空を楽しんだり。
草原を駆け回る馬たち、動物の王者とも言われるライオンや虎と心を通い合って。
隅っこにいる兎や猫、犬も捨てがたい。
そして、水の中にでも楽に入り、可愛い小魚や綺麗なサンゴ、大きく怖そうなサメたちとも遊ぶ。
そんな馬鹿げたこと──。
今は現実的に欠けているし、ただの願望の塊でしかない。
脳内空想だらけ、俗に言う花畑だったんだなって思い出す。
川にカバがいた。
その上に私は鼻歌を歌いながら乗っている。
その夢の意味を私は知らない。