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メンヘラ彼女の取扱説明書

作者: みや

 「ねぇ、大和のことが好き、付き合ってくれないかな...?」


 人生で初めての恋愛は中2の春だった。


 たまたま席が隣になった女子から告られた。ロングヘアの華奢な女の子。


 彼女がいたことがなかったから相手がどんな性格か知らずにOKしてしまった。メンヘラとも知らずに。


 メンヘラということに気づいたのは付き合って4ヶ月目、共通の趣味を持つ男子と話していたら彼女が泣き始めた。どこか痛いのかな?と思い


 「大丈夫か?」


 と声をかけると


 「うるさいっ!!」


 と大声で罵声を浴びせられた。当然、周りからの視線も集まる。俺が泣かせて怒らせたという感じに思われても仕方なかったが、日ごろの行いがあったからか


 「大和はそんなことするわけない、なにがあったん?」


 と聞いてくる男子が多くいた。


 「俺もよくわからん、生理なんかな?情緒不安定になるやん」


 いや、待てよ?先週生理終わったってLINEが来ていたじゃないか。怒らせるようなことしたか?俺があいつ(さっき話してたやつ)と話しててキレた?


 この話を恋愛経験豊富で女子の思考がよくわかるため{女子の味方}という肩書がつけられている優希に相談すると


 「あぁ、それはあれやな、メンヘラっていうやつちゃうか?」


 「メンヘラ?俺の彼女が?」


 「そう、お前彼女のLINEしてて全然終わらんやろ?」


 「え、あ、うん」


 「あと深夜に連絡返ってきたり、1時間に一回は『今なにしてるー?』ってLINE来るやろ?」


 「お前俺のLINEみてるやろ」


 「てことはあってるわけや。そうゆう特徴があったらメンヘラ女確定や」


 「そうゆうもんなん?」


 「そうゆうもんや、俺の肩書知ってて信用できんか?」


 「すみません優希様」


 「それでいい、やけどその彼女と付き合い続けんのか?」


 「は?」


 「メンヘラ彼女と付き合っててもいいことないで?嘘はつかれるしリスカもする、男子友達が多いし急に泣き始める。それでもいいんか?小野田、絶対メンヘラやって」


 「うるせぇな!俺の勝手だろ!?お節介ありがとうな!じゃぁな!」


 そう言って優希と別れた。後ろで何か叫んでいたがそれを無視して自宅へ戻った。


 「...ただいま」


 そのまま自分の部屋に戻ってスマホを開いて彼女とのLINEをみる。


 何回も今何してる?というLINEが来ている。既読は付けずに優希から言われたメンヘラ彼女の特徴を思い出す。


 リスカ跡...は数か所見受けられた。確かに男子友達も多いが嘘はつかれたことがない。ほんとにメンヘラなのか?


 



 数日後





 「私っていじめられてたんだよね...w」


 急にこの話をされ驚いた。


 「小学生の時松谷にいじめられたの。先生に相談していじめは終わったんだけどまた最近いじめられてるの」


 「それほんとうか?先生には?」


 「言ったよ、だけどなにも変わってない...」


 うそだろ...


 気が付くと学校に忘れ物をしたと親にうそをつき学校に向かっていた。


 彼女がいじめられててしかもそれに対して先生は何もしていないだと?ふざけるな!


 全速力で走り職員室の戸を叩き担任を呼ぶ。


 「先生、小野田がいじめられてるっと本当ですか?」


 「え?急にどうしたんですか?」

 

 は?どういうこと?うちの担任はうそをつかない、自分より周りのことを最優先に考える優しい担任だ。つまり、彼女、小野田はいじめられてることを先生に伝えていない。もしかしたら伝えたけど覚えていない野かもしれない


 「先生、小野田は松谷にいじめられてます。どうにかしてやってください。」


 「え!?それは本当ですか?教えてくれてありがとう。だけどその証拠がない限り下手に動けないんだ、周りの先生にも協力してもらって小野田さんは助けるから。」


 「おねがいします!」


 あとは周りの女子への確認と、どのように小学生時代いじめられていたか確認したかった。


 松谷と同じ小学校だったやつに


 「小野田がいじめられてたの知ってるか?」


 「え?知らんよ?そもそもうちの小学校ではいじめなかったで?」


 は?おかしいだろ、だれがだれをいじめられていたことはある程度伏せられるとしてもいじめがなかった?


 もしかしたらそいつが知らなかっただけかもしれない、彼女が嘘をつくわけがない、そんな都合のいい妄想をして自分をだまし、ほかの奴数人にも聞いた。


 「お前の小学校でいじめあった?」


 「小野田が小学生時代いじめられてたやんか?」


 と数人に聴いたが返ってくる答えはすべて


 「え?いじめとか知らんかったで?」


 だった。


 ついに俺はいら立ちが積もりに積もって松谷本人に聞こうとした。そうするとほかの松谷と同じ小学校の奴がいじめが本当にあったか聞いていた。すると松谷はプリクラの写真数枚を見せ


 「ええ!?めっちゃ小野田と仲いいで!?なんでなん?」


 は?は?どうゆうことだ?なんで彼女と松谷のプリクラが?いじめてたことがばれた時の保険か?いや、そこまでして隠すか?しかも彼女は笑顔でピースしている...


 「あ、大和」


 「...ん?どうした春香?」


 「やっぱりいじめなかった。小学校の先生に聞いてもないってさ。」


 「あ、わざわざ聞いてくれたんや。ありがとうな!」


 「ううん、仲のいい友のためならとうぜんよ」


 まさか俺はうそをつかれていたのか...?彼女に?なんで?なんのために?得はあったのか?


 ”メンヘラ彼女はうそつくで”


 この前仲直りした優希の言葉を思い出した、ほんとうに彼女はメンヘラなのか?いや、そんなことはない。全員グルなんだ。俺はみんなに騙されかけていたのかもしれない。だけど一応確認しておこう。


 学校が終わり、彼女にLINEをする


 「なぁ、ほんまにいじめられてた?」


 「何言ってんのwほんとだよ。あいつにひどくいじめられたの。あと、なんで周りの女子がこのこと知ってるの?まさかいいふらしたわじゃないよね?」


 「あぁ、全員に聞いた。美鈴を助けたい、その一心だった。だけど...なぁ、本当のこと言ってくれ。」


 「.........電話できる?」


 「できる」


 ピロンッピロンッ


 『もしもし』


 『ご、ごめんね...』


 その声は泣いていた。嘘...だったみたいだ。


 『ふざけんなよ!なんでこんなうそをついた!?なにがしたかった!?なにが目的だ!?』


 『ひっ...か、かまってほしかったの...私が...いじめられてたら大和君が私のこといつも考えてくれるかなって思って...』


 『は!?そんなにかまってあげれてなかったか!?毎日4時間の電話、毎週2回は必ずプライベートであって、月に必ず3回のデート!さらには毎時間一回は何してるかの連絡!何が不満だった!?』


 今まで発したことのない怒号をスマホ越しの彼女へと叫んだ


 『ごめんね...ひっく...ごめんn』


 『ごめんね!?しかも先生に言ったって言ってたよな!?確認したら何も知らなかった!美鈴がいじめられてるのが悔しくて、悔しくて...俺は先生に相談したんだ!多くの先生、人を巻き込んでしまった!俺の心配性やお節介があったのかもしれない!巻き込んだのは俺だ、俺にも非はある。だけどな、本当に何がしたかったんだよ!?ふざけてんじゃねぇぞ!?』


 『や、大和君...?』


 あ...


 『ご、ごめん!言い過ぎたよな?ここまで言うつもりはなかった...ほんとうにごめん...』


 『......え?なんで大和君が謝るの?』


 『いや、美鈴のことわかってあげれてなかった俺も悪かった。ちゃんと向き合って美鈴のこと聞いてやればよかったのにきつい言い方してごめんな』


 『あ、謝らないでよ...悪いの私なんだし...』


 『いや、俺も悪かった。謝らせてくれ。ごめん』


 『......明日の休み、昼から会えるかな...?』


 『会えるよ、ちゃんと話そ』


 『うん...それじゃ...』


 はぁ...言い過ぎた...後で先生には俺の思い込みって言っとくか...


 俺は【彼女取扱メモ】に追加で書き込む


 ・美鈴はメンヘラ

 ・メンヘラはリスカ跡があり、男友達が多い、すぐ泣く、大きなうそをつく


 一件落着......


 




















さぁ、これでメンヘラ彼女「美鈴」の嘘つきが終わったわけではありません。




もしかしたら続編が出る...かも?


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