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ハクちゃん

「骨…? 本物…?」


キララは学校から持ち帰ってきたシャベルをランドセルから取り出した。

ガタガタと震えながら、骨を傷つけないように慎重に掘りだしていく。



「!? これ、あたまの骨…!?」



理科室に飾っている模型とそっくりの頭蓋骨が出てきた。

あまりの驚きに腰を抜かしてしまう。


キララが呆然としていると、再び声が聞こえた。



「助けてくれてありがとう!」


「!?」



キララが飛び上がって驚くと、柔らかく笑った声が聞こえた。

その声はひどく優しく綺麗な声だった。



「あなた、骨なの?」


「うん。私はあなたの目の前の白骨死体だよ。見つけてくれてありがとう。あなた、名前は?」



知らない人に名前を教えてはいけないと言われていたことを思い出す。

けれどそれは生きている人間だから危険なことであって、目の前の白骨死体にその警戒は必要ないと判断した。



「あ、あたしは西ヶ崎キララ。あなたの名前は?」


「キララちゃんかぁ! 可愛くて素敵なお名前だね! うーん…私は白骨死体だから、ハクって呼んで」


「ハクちゃん…」



キララが口の中で呟くと、ハクちゃんは嬉しそうに笑った。



「ねぇ、私ね、もうすぐ白骨死体じゃなくなるの。だから最後にキララちゃんと沢山おしゃべりしたいな。お願い! あなたの話を聞かせて!」



キララはその言葉に、ハクちゃんがもうすぐ成仏するのだろうと思った。

教育番組の歌のお姉さんのような、幼稚園の先生のような優しげな声のハクちゃんに対する恐怖は徐々に薄れていった。


白骨死体の横に体育座りになった。



「…あのね」



キララはぽつりぽつりと話し始めた。

関西圏では手に持つものをスコップ、大きいものはシャベルと呼びますが

ここでは関東圏の設定なので手に持つ方をシャベル、大きい方をスコップにしております。

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