日本vs.全世界の戦争が開戦した!
●12月15日 深夜 通信団本部 電波塔先端
「!!##!!◆◆▼▼◆◆▼▼!!」「あ…!あ…!(ハタコ!しっかりするのじゃ!)」「おい!ハタコッ!ハタコーッ!(まあオレでもアミノさんナニ言ってるか解るワー、そんで絶句するワー、つまりサー)」
この期に及んで戦争=最悪の地球環境破壊を始める人類に対して下す評価などひとつしかない「『人類は失敗作であると今確定した』といったところ、かッ…!」髭野大臣が呻いた。
「くあ…!あふ…!(いかん!アカル殿!)」ハタコはがくがくと全身で痙攣し始めた、極度の緊張状態に襲われ幼いハタコの精神が耐えられなくなったのだ「誰か!誰かハタコを助けてくれーッ!(オイッ!ハタコの状態やべーゾ!目のハイライト消えてんゾ!)」
その時―――
~ハタコ、よく頑張ったわね、ここからはお母さんたちにまかせなさい~
ハタコの母、旭日 ひかる(29歳 天国在住)の魂が数多の大和撫子の魂たちを引連れて割り込んできた!「お母さん!(そちの母上殿、凄まじい怒りの波動を発しているのう!)」「ヨシッ!ハタコの目に光が戻った!(つうかハタコのカアチャン登場唐突過ぎダロ!)」
アメリカの黒人は生活をジャズに、喜びをダンスに、悲しみをブルーズに、そして怒りをラップにしたという、だからだろうか、アミノさんと人類のファイナル怒りのコミュニケーションはいつしかラップバトルになっていた!
MC HIKARU
♪地球を、破壊 してるの、理解 人間しか、出来ない 辿り着いた、正解♪
♪他人、まかせに しといて、逆ギレか? 愛の、無さに 気付いて、見ぬふりか?♪
♪AMINO、断言する お前の、創造物 何べん、やっても 失敗、する!♪
♪だったら、テメーが やっっって、みろよ? さっきから、無礼な 物言い、口先だけかよ?♪
MC AMINO
「!!#!◆◆#▼▼#!!」
「◆◆#▼▼#!!」
「!!#!◆◆#▼▼#!!」
「◆◆#▼▼#!!」
MC HIKARU
♪持続、不可能の 失敗、作? 決め、つけんなよ マジで、ご立腹!♪
♪震災後の、計画節電 見たか?規律、守るDNA 一億五千万、の底力 寺子屋魂、見ぃてくれー!♪
♪腹も、痛めない 産みの苦しみ、すら知らない そんで母親、ヅラなんか 勝手にしてんな、薄らバカ!♪
♪愛を、知らない お前の、存在 意味なんて、まったく無い ライクバカおカミ、天下り!♪
MC AMINO
「!!#!◆◆#▼▼#!!」
「◆◆#▼▼#!!」
「!◆◆#▼▼#!!」
「!◆…!#▼…!#!!#!!#!!」
MC HIKARU
♪お前、育児失敗 したらその子、殺すのかい? お前は、母親失格だ 地球だけしかない、一発屋!♪
♪お前ラップバトル、失敗 経験不足で、いっぱいぱい それでも土俵に、きた度胸 認めるぜ、即興で詠う今日♪
♪宇宙の端まで、巻き込む! 弾丸でオマエ、蜂の巣! 年季と本気が、違げえんだ! こっちは地球に、選ばれてきてんだ!♪
♪家族の、愛 未来、イマジン ハートに、刻印 大和、愛国心!♪
MC AMINO
「…!◆…!#…!#…!…!」
「…!▼…!#…!#…!…!」
「…!▼…!#…!」
「▼…!…!」
MC HIKARU
♪この愛は、全部 地球への愛へと、続く これから新たに、誕生れる 明日への期待、高まる!♪
♪だから、日本人を もっと、信用してくれよ! そんで、託してくれよ この地球の、後の世!♪
♪『新しい社会』を、見せるよ! 大和民族が、手本にぃなるよ!♪
♪大量生産大量消費主義者に、アバヨ! 出来るよ!地球は廻って、いるんだよオォォォ!!!!♪
MC AMINO
「…!◆…!!」
「…!▼…!!」
「▼…!」
「▼…」
素人のドヤ顔ラップバトルのようなちょっと、いや、かなり痛くて恥ずかしいポコり合いに決着がつこうとしていた、ライムとフロウの応酬は終始、ひかる母ちゃん&大和撫子ズのコーラスが押しに押していた!「アンドロメダ病原体がいつの間にか未知との遭遇になっとる!」髭野大臣が唸った。
そして―――
「今よ!ハタコ!」「うん!お母さ―――!!フガッ!いれふぁ、おっこひひゃっひゃ!(入れ歯落っこちちゃった!)」「もう!この子はおっちょこちょいなんだからっ!」「こひゅんてひぇへろ!(こつんてへぺろ!)」
―――アミノひゃんに!てんひゅーのひゅー!(アミノさんに!天誅のチュー!)
魔法老女ラスフ婆さんとひかる母ちゃん&大和撫子たちの魂が、アミノさんの夜空一杯の構造式に口づけをする!するとなんと!日本の人々の老化は程なく解かれ、元の姿に戻っていった!
しかしなぜかアミノさんの第一波で急速老化した上級国民のボケナスどもの老化だけは解かれることはなかったという、バーカ「ブフォ!なんであのクソ爺どもはアベノマスク握りしめて空に向かって拝んでんのよ!笑うわ!(ダッハーッ!ソレお札とか免罪符じゃネーゾ!腹イテーッ!)」老化から解放されたジョーカーくんも調子が戻って来たようだね。
老化から戻って来た人々はあちらこちらで笑っていた。老化から戻って来た人々は笑いながら泣いていた。お互いの肩を叩き合いながら。お互いを強く抱擁しながら。
日本中改めてお祭り騒ぎだ、一方、市ヶ谷の防衛省では安堵の空気を楽しむ間もなく、皆次の仕事に取り掛かっていた。
玉手箱ラプソディーはここに終演した―――
「パパァ!」プロジェクトマネージャーさんに抱き着くはやぶさ2くん「今度会う11年後までに、人類の宿題、片付けておくよ、だから安心していっておいで」「パパァ!パパァ!」
本体に戻る時間が近づいているのだろう、だいぶ薄くなって向うが透けて見えるはやぶさ2くんが、相模原からやっとで到着したプロジェクトマネージャーさんの腕の中で泣きながら甘えている。
ちなみにプロジェクトマネージャーさんの頭髪もだいぶ薄くなって向うが透けて見えている、お揃いだね!
「ハタコ、ノボル、そして新しいうちのコ、はやぶさくんも、ここからが正念場よ?みんな頑張ってね!」「うん!わたしお母さんの分まで頑張るよ!(わらわもハタコと共にあるぞよ!)」
「おう!天国の特等席でオレたちの活躍を応援していてくれよな!愛してるぜ、ひかる!…ッ!ヨシッ!オミガワァ!行くぞオミガワァ!」「ウ、ウス!」「ママァ!ママァ!(チラッチラッ)」はやぶさくんはひかるに抱き着いて泣き(マネをし)ながら甘えていた。
「あっ、そうだ、アカルくん?」「ウ、ウス、ハタコのお母さん、な、なんスか?(ガクブルもんのプレッシャーだなオイ…)」「ハタコ泣かすようなことしたら『モギり取る』からね?タマに命じておきなさい?」「…ウツ…。(ありゃーアカルがとうとう鬱になっちまったヨ!)」
―――そして日本vs.全世界の戦争が開戦した。