表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

2/5

日本国住民全員の急速老化が始まった!

 ●12月15日 夕方 鳳凰学園メイングランド







 「ここが、ここがパパの母校…」


 はやぶさ2くんはメガネの奥から感動の涙を流す、すっかり日が暮れたメイングランドから、薄っすらと灰色に浮かび上がる校舎を見上げて。


 「(くっ可愛いじゃねーか、プロジェクトマネージャーさんのことパパとか呼んでるよこのショタっ子、クッソ萌えるわ)けどサ、はやぶさ2くんって今は次のおつかいの途中ダロ?なんでここにいんのヨ?」


 インターネットの神様と合体して魔法少年おじゃまジョーカーくんに変身した小見川 耀(14歳 中2)が問いかける。


 ラグビー部の練習が終わった後もだらだらとダベっていたアカルをピックアップしにノボルは使い魔のヤマタノオロチを駆って鳳凰学園のメイングランドに降り立っていた。




 「オミガワァァァ!大切な報告があるから地球に近づいてるうちに一時的に幽体離脱して来てくれてるに決まってンだろオラーッ!」ズブゥ!「イギーッ!?」


 ノボルのカンチョーがアカルに突き刺さる、ノボルはアカルにとって学園の先輩でありラグビー部のOBであり自衛隊の上官であり、そして彼女であるハタコの父親だった、そう、このカンチョーには愛憎がこってりとこもっているのだ。




 「はやぶさ2殿、アカル殿と合流したのでそろそろ招集された市ヶ谷の防衛省に向かうぞよ?」「はい、パパの母校、見れてよかった」「お土産にグランドの砂、持って帰ルka…?」


 戦闘機モードのはやぶさくんに搭乗したままのラスフが、戦闘機モードを解除して感慨にひたっているはやぶさ2くんに申し訳なさそうに声を掛ける、事態は一刻を争っているのだ。


 ノボルの特殊能力で操られているヤマタノオロチの背にアカルが搭乗する「オミガワァ!乗ったかオミガワァ!」「…ウ、ウス「オラァ出発だオミガワァ!」イエーッ!ふっ、振り落とされりゅぅぅぅ!(オメーも学習シロよアカルゥ!)」


 ラグビー部員たちの声援を受けつつ、一行は鳳凰学園を後にして一路、ノボルとアカルの所属する通信団本部のある市ヶ谷のB棟に急行した。


 そこには、はやぶさ2くんの投下したカプセル内の小惑星リユゥグウの破片サンプルが原因で発生したとされる「通称玉手箱ウィルス対策本部」が設営されていた。




 「つまり、今この日本で大量発生している急速老化現象は宇宙からの未知のウィルスが原因では無い、そもそもウィルスなど無い、そういうことかね?」議長である髭野防衛大臣(60歳 政治屋)が問いかける。


 「ウイルスではなく、その『存在』は神罰的なものと観念を送ってきています、人類にとっては呪いという言い方が近いかもしれません」はやぶさ2くんが答える。


 「大臣、その『存在』は太古の生命を司る神様のようなものとお考えください、観念による通信は可能ですが、言語によるコミュニケーションは困難です、交渉は難しいと思われます」ノボルが補足する。


 「そんなモンを持ち帰って来たのかコイツは!」「ふざけるな!JaXaはどう責任をとるつもりだ!」「今すぐ宇宙に返してこい!」どんな会議にも必ずいる『YOUはなにしにこの会議へ組(この税金泥棒どもが老化してないのかマジ不思議)』がここぞとばかりに吠えに吠えた。


 髭野大臣が守衛に視線で命じ、無知で無能なクソ政治屋やクソ官僚屋が会議からつまみ出された、はやぶさ2くんは少し驚いたような顔をした後大臣に黙礼し、はやぶさくんは会議室の出入り口に向かって中指アップしていた。




 「その破片サンプルについてきた『存在』は地球という宇宙でも稀有な生命体を守ろうとしています、まずは地球に害を成す人間を選別して急速老化現象を行っていましたが―――」


 現在のところ被害は神罰の浸透具合の関係で日本に限定されているが追ってこの影響は全世界に及ぶことになるという。


 日本の上級国民と呼ばれている外道どもは、既にもれなく急速老化現象をおこしており老衰死寸前の状態である。ザマァ。


 「―――この数時間で地球の事情を理解した結果、つづく第二波ではその対象が全人類になった、と先ほど観念を送ってきました」




 ―――はやぶさ2くんがそう告げた直後、ハタコ、アカル、ノボル、そして会議室内全員、を含んだ日本国住民全員の急速老化が始まった。








評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
小説家になろうSNSシェアツール
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ