88《ミルクの第一印象》
8月21日(水)ランチを一緒した佐藤と猫田。
猫田が“時間無いけど話したい事あるから!”と、午後は撮影が入っているのにイチゴモデル事務所オフィスに出向いたのだ。
コンビニ弁を食いつつ佐藤が
「ニャンタ、飯はもう食ったのか?」
「おう、マックで済ましてきた。それよりさ!佐藤、俺いい事考えたんだけど!」
「子供かお前は。何だ?」
「ちぇっ」
だが猫田は切り替えて
「あのな?昨日から思ってたんだけどー、七郎はあんなだから変な虫が付かねーように、俺のもんだって事にしといてやるぜ!」
キメ顔でガッツポーズ。
「は?
それはいい考えかもしれんが、くれぐれも逆に七郎君に変な気を起こさせんようにしろよ?」
「わーってる!」
「わざわざそれを言いに…」
「大事な事じゃん!だからまずは仕事上の保護者のお前にお伺いをたてに来たんじゃん!」
「特別扱いじゃないかそれ?」
「だぁって七郎ってなんかほっとけねーんだもん。だからー」
「ハイハイ、でも噂には注意するよーに。」
「それもわーってる!じゃあ用は済んだし行くわ、んじゃな♪」
カバンと車のキーを持ってパパーッと行ってしまった。佐藤は息をついて
(はぁ、なんだかんだ俺もニャンタには甘いな、だってあいつ同い年のオッサンなのに可愛いんだもん)
atブルームーンスタジオ。
(今日はミルクちゃんと初めて会える~緊張する~でもそれじゃ駄目だよね、自然体で迎えなきゃ)
七郎はドキドキしながら隅でずっとスタジオに入ってくる人を確認してたのだ。そして。
(あ、きゃあっミルクちゃんだ!本物!どうしよマジ!?超可愛いんだけど!!)
テンションだだ上がり。
(あ、こっち来た!!)
「あのっ、ミルクちゃん?」
ミルクは消え入りそうな極小声。
「あ…nanacoさん?ですよね…」
(わぁ声ちっちゃ、守ってあげなくちゃ)
「うん、でもミルクちゃんてほんと可愛いね。顔もだけど、髪も目もすごく綺麗」
「あ…あの、nanacoさんもすごく、可愛い…です」
かな~り縮こまりつつ頑張って踏みとどまるミルク。
(小さ過ぎるけど鈴みたいな声で可愛い。ヤバ、フワフワの綿菓子みたいだ)
「ありがとう。なんかさ、照れるね」
ニコッとして見せるとこく、と頷くミルク。
(何話したらいいかな)
モジモジの二人。そこへスタッフの声。
「あ、猫田さんオハヨーございまーす!」
「はいよ、オハヨーっす!」
ちゃっ、と手で返し、七郎を見つけると真っ直ぐ大股でやってきた。
「よーっす七郎ー♥」
いきなりぎゅうっと抱きしめ。
「うわあの今日もお願いしますっ!」
七郎は赤面。
「おう♪で、七郎!」
ガシッと両肩を掴まれる。
(いやんっまっすぐな瞳が強くてカッコいい!)
ドキドキ
「あのな七郎よく聞けよ?これからお前は俺のもんだからな!」
「!!?」
ボッ!本気で赤面してしまう!
「お前が今後変な奴に目ェ付けらんねーように俺のもんだって事にするから。でも恋人ではないからな!?」
七郎は胸を撫で下ろして
「なんだ、はい、分かりました(笑)」
「なぜ笑う?これは真面目に言ってるのに」
「なんだそんな事かーって安心して」
「このやろ!」
七郎の頭ワシワシ。
「きゃあっやめてーっ(笑)これから撮影なのに」
「ヘアメイクさんに直して貰えっ(笑)」
(nanacoさんて猫田さんのこと好きなのかな…BL?…)
しげしげ見てるミルクに。
「ミルクも初仕事気張れよ?俺が指示は出してやっから、明日の予定は今日次第ってな!」
「!…、」
ぎゅう、と固まって真面目顔でコクリ。
「ニャハ♥なんてなっ。まあお前は硬さを抜く事だけ気をつけてな。お前が持ってる独特の雰囲気、逆に生かして撮ってやっから!」
ミルクの頭もワシワシして機材の調整に行った猫田。それを眺めて照れつつ言う七郎。
「猫田さんてカッコいいよね」
ミルクは極小声で
「仲良しなんですね、羨ましいです…」
「大丈夫すぐ仲良くなれるよー」
(nanacoさんもいい人そう…)
少し和らいでこくり、と頷くミルク。
(ミルクちゃんてシャイなんだ~♥)
ミルクは真面目そうなフワフワオーラで縮まっている。
(可愛いなぁ早く仲良くなれるよーに頑張ろ♥)
七郎はモデルの仕事に新たな楽しみが出来た。
今日の昼飯は白菜スープ。湯に千切り白菜・豚ひき肉・少量の酒・みりん・塩・コショウ・酢・醤油・おろしなま生姜。お手軽スープ。
白菜は父の畑産。葉っぱにはアブラムシがいっぱい☆アブラムシは水で洗い流します。




