85《それぞれの花火大会①》
セドナは日浦のバイトの楽器屋。
8月14日(水)PM8時、鳥羽湾で花火を見る日浦一家&茜。
茜ははしゃいで
「昨日の遊園地もここも毎日開催てすご過ぎる」
日浦は茜をチラ見して
「ははっ、三重県人は花火大会好きなのかな?」
「地元育ちの地元民には普通だからね~」
「三重県人で良かったって思う所だな」
あかりと凍夜は頷き。
「真の嫁になったらあたしも三重県人だもんね」
茜の笑顔が弾けた。
「あらー!ちょっと真っ!」
「茜やめろってそんな事言うの」
日浦は赤面。だが暗くてそれは見えない。
「えっ…」
一気に沈黙が走った。
ヒュルル~ヒュルル~ドーン、バーン…
ヒュルル~バーン…
「真…あたしと結婚したくないの?」
「えっ!?」
「あたし、東京で真名人に“押しかけ妻”って言われて…“そこら辺ハッキリさせてこい”って言われて…怖かったけど勇気出して三重に来たの…」
「茜、それは…」
(しまった!なんて言えば…っ)
父母祖母は“ほれ見たことか”と目配せし合い口をつぐみ花火を眺める。俯いた茜。
「でも今、真…あたしじゃ嫌って意味だよね?あたし、あたし…っ
ごめん真、あたし真のこと諦めるね…今まで許嫁だって勝手に言っててごめん。真が実は嫌なの我慢してた事今分かったから」
「!?茜、それは…違うよ」
そこで日浦は親達を気にして茜の手を引き少し離れた。
声が聞こえない位置にきて日浦は弁解する。
「茜、俺も…いつかハッキリさせなきゃって思ってたけど、どうやら今がその時らしいな。
茜…俺…も、茜のことはぶっちゃけ好きだよ?可愛いと思ってる」
茜はウルッと目を潤ませて日浦を見上げた。
「真…なら許嫁のままでいいの?」
しっかり頷く日浦。
「でも…まだ早いってゆうか」
「あたしが高2だから?」
「それもあるけど、このまま結婚に一直線じゃな…」
苦虫を噛んだような顔。途端に頬を膨らます茜
「何それ!真今あたしが好きって言ったよね、でも浮気したいって事?」
慌てる日浦。
「いや違くて!茜もそうゆうの怖くない!?」
完全に膨れ面の茜。
「怖いって何それ!あたし真だけでいいもん!」
(ブハッ!責任が!)
「ごめんって!これは俺の心の問題だ」
「ほんとにあたしが好き?」
頬を両手で挟まれ真剣な表情の強い眼差しで射られ赤面の日浦。
(くうっ可愛い過ぎる!)
「茜で…いいよ…あと2年待つよ」
茜は日浦の目をじっと見て赤面し拗ねるみたく口を尖らす。
「こ、今年でもいいけど。今夜も泊まるし」
「駄目だって!俺に時間をくれ!」
茜はじーっと見て、フッと表情を和らげた。
「クス、分かったよ。真のそんな真面目な所も好きだもん。でもひとつだけ確認だからね?真があたしでいいって言ったのずっと信じてていいんだよね?」
「ああ」
男らしくまっすぐ見つめ返した!茜は満足げにニッと笑った。
「真、もうちょっとだけここで花火見よう?」
「ああ、いいよ」
そして、ためらいながら互いに手を繋ぐ。不器用に、だがしっかりと。
16日朝。
「茜、見送り行けなくてごめんな」
「ううんいい。今回真の返事聞けただけでいいよ」
母はニコニコ
「あらどんな返事?」
「フフフ…真、あたしと許嫁でいいって!」
ニヤケちゃう茜。
「あらー!じゃあ将来は茜ちゃんがうちのお嫁さんになるので決まりね♥」
「あーもう頼むからそゆ事言わないで!」
日浦は軽く赤面。
「ハイハイ、でも良かったわ♥」
「んじゃ俺先行くわ、茜、元気でな?メールしろよ?」
「うん、真も音楽頑張ってね」
既に新婚カップルのような初々しさの朝の玄関であった。
先日スーパーでかっぱえびせんミニ4連が68円!だったから喜んで買ってきた。●年ぶりのえびせん!
嬉々として夜食に開封。「うわ!?くさい!!」こんなくさかった?ガビーン。エビセン党の人ごめん…
でも慣れればいいのだぜ!エビセン臭の部屋で寝た。




