53《ドキドキ水族館デート》
7月26日(金)の話です。伊勢夫婦岩水族館の ふれあい は有名らしいよ★
(よーし二人きりならいっそ何か進展あるように頑張っちゃお!)
伊勢夫婦岩水族館は夏休みということで賑わっている。
「ちょうど今もっとふれあい大作戦っていう企画やってるらしいの。ホームページで見たんだけどー」
なので入ってすぐふれあいコーナーへ直行!セイウチの散歩!ツメナシカワウソとの握手!
カワウソにさわられて超感激!
「やだ何コレっきゃわ♥」
「おい見た!?一瞬俺の手つかんだ!」
ゴマちゃんタッチ。脅かさないよう小声。
「きゃ~かっわい♥」
「よーしよし」
「誰の真似?」
「べっ別に真似じゃねーよ」
そして。
「早くー!館内回ろっ!」
キャピキャピかけてく光を追う。追いついた秋の手をとり赤い腕時計を見る。
「今1:40だから2:10まで中にいてー、午後のふれあい行くのいいかな?」
「いいぜ光についてく」
「きゃーん、ありがと秋ちゃんっ」
はじけるはにかみではしゃぐ光。スカートじゃないのに翻るスカートが見えるかのよう。
(さっきはさりげなく自然に手掴んだし二人きりなら可愛く出来るっ!)
鈍ちんの秋は目をパチクリして
(なんかキャラ壊れてない?アニマル可愛いさで頭とんだなこりゃ)
光の嬉しい訳に1ミリも気づかない秋なのだ!
「キレーイ」
「だなー癒しだわ」
リラックスモードの秋。光はチラリと伺って
(よしっまた勇気出してみよっと)
「ねえなんか二人だけでデートみたいじゃない?」
(自然に自然にっ)
「あ、それ俺も思ってた」
「えっ」
ドキ!
「でも相手光だし~やっぱ全然違うかなって(笑)ん?どした?」
「なんでもない…そうねあたし達じゃね」
「?何ガックリしてんだよ変なやつ」
光の顔を不思議そうに覗き込む。秋は身長170㎝、光は158㎝。光はボッ!と赤面して
「なな何でもないよぉ!ちょっと肩の力抜いてみよっかなーとか」
(不意打ちアップだぁ!しかもキ、キスみたいな)
「そうか?」
「そーだよっほら行こ!」
思った事がバレないように誤魔化す。
だがさりげなく秋のTシャツの袖をつまみ可愛く引っ張る…手が震えそうなのをこらえて。
各種魚達の演舞。周りのざわめき。
青い光の中でそれらは二人の距離を縮め…ることは特になかった。
「次はアザラシに行こっ!」
秋の赤い腕時計を見てせかす。腕時計を口実にさりげなく手をとるが効果なし。
「や~んもう可愛い~アザラシ大好き~」
開き直って素でデレデレの光・照れつつちょっと触ってみた秋。
2時半からアシカショーでまた急ぎ移動。
「でも光アザラシ好きだったんだー」
「うん、開いたり閉じたりする大きな鼻の穴にツヤツヤ真っ黒真ん丸な大きな目って、もうたまんない。生で鼻息感じれて超幸せで~、それにゴローンてしてるからこっちもフニャーってなる」
「分かるよーな分からんよーな」
「秋ちゃん好きな動物は?」
「俺はゾウ。カッコいいから」
「あれ猫じゃないの?」
「身近なとこならな」
「じゃああたし秋ちゃんの猫になろーかなぁ」
(きゃあっ言っちゃった)
ドキドキしつつチラッと秋を見上げると
「アッハハ、無理に決まってんじゃん」
バッサリ討ち死に。項垂れて。
「無理じゃないよぉ…」
「お前女子が男にそんな事ゆっちゃ駄ー目」
目を合わして光の額をつん。
「!、そ、そっか」
(やっぱりカッコいい…)
ポワ~ンとしてしまう光。秋の無自覚もなかなかである。因みに秋はモテまくってすがる女を袖にふるんだと豪語してるが実現してない。
帰り道コンビニでソフトクリームを2つ買い食べ歩き。
「秋ちゃん今日はありがと、超楽しかった」
「お前の笑顔が見れて俺も超嬉しいぜ」
流し目でカッコつけ。
「えへへ。七郎君もう講座終わったかな」
「一人で寂しがってたりしてな」
「(笑)でもアザラシ可愛いかったなー、カワウソも可愛いかったしー」
「あそこすげーよな」
「だよね訓練してんだろうなー」
帰りの電車内は割と混んでた為つり革にぶら下がって立つ。秋は眠そうだ。
(帰り道にウトウトって子供みたいだけど、秋ちゃんち最近毎日バンドのミーティングしてるし夜も何か書いたりしてるのかな?)
さりげなく秋を眺める。秋はほぼ寝ている。
そっと肩をくっつけてみる光。ドキドキ…
ガタン!いきなり大きな揺れ!
「ふにゃ?」
秋が目を覚ました。光は咄嗟に寝たフリ。
「ぐー」
秋は隣を見て、
(なんだよ光も寝てんじゃん、)
肩をくっつけ直した。
(こうした方が安定して寝れるかな~むにゃ…寝)
(ヤバヤバヤバヤバ)
光の心拍数は急上昇!くっついた肩がこちょがしい。
電車はのんびり東松阪に着く。
「あ、うち寄ってけよ。昨日の天ぷらやるから」
「うん」
(肩から秋ちゃんの鼓動と体温が伝わって気持ち良かったな…)
「でもあいつら来れなくてマジ残念だったなー」
「すごい良かったよねー」
「ただいまー母ちゃん昨日の天ぷらあるー?」
「あら光ちゃん」
「こんにちわ」
「ごめーんお昼に食べきってしまった」
「なんだ、じゃあ悪い光、無駄足させたな」
「ううん」
「光ちゃん上がってく?」
「いえ、今日は帰ります」
「そう?」
「いつも貰ってすみません」
「いいのよぉこっちは毎日食べてんだから」
「うんうん、遠慮すんな」
「うん、じゃああたし帰るね」
「あ、光!」
外に出た光を呼び止めて。
「今日楽しかったぜ。またどっか行こーな!」
無邪気な笑顔。
「!うんっ」
小さく手を振り自分の家へ入る。
玄関内に入り、
(秋ちゃんが誘ってくれた!?それってデート!?なんて秋ちゃんにそんな訳ないっ一緒に遊ぼってゆー純粋なっ)
ドアの内側で照れる光。また秋の肩と二の腕の温度と感触を思い出してきゅうんととろける。
(抱きしめられたらいいのにな、…)
だが染まった頬を自分でパパパとして、
(さっきのセリフ忘れないよーに反芻しとかなきゃ!)
またどっか行こーなまたどっか行こーなまたどっか行こーな………
水上家では見ていた徳右衛門が顔を出して
「うーむ秋、今のデートに誘ったっぽいぞ?」
「ちっげーし!あいつマブだし」
「じいちゃんからかっちゃ駄目よ」
笑ってたしなめる留美子。
秋は光をマブダチと認識してる!いいなマブダチ。
スピカ友達いねーし(凹み)
次回お楽しみに~




