5《思いのたけ》
健んちは川上町で出逢った公園てのは近所の新田公園てゆー小さな所だよ♪
3月26日。今日は健んちに行く。
出逢った公園前で健に電話。
「今行くから」
「待った?」
「ううん全然♥」
この時の二人の背景は花柄だったのは言うまでも無い。
「家の人いる?」
「それがいないんだ」
「どっか出掛けてんの?」
「ううん俺実は一人暮らしなんだよ」
「え、でも実家だろ?」
「父さんが仙台に転職しちゃって家族で引っ越す話出たんだけど、俺もうバイト決まってたから残るって言ってそしたら俺一人で住む事になったんだ」
「だから天ぷら1個ずつしか買わなかったんだー」
「気にしてた?」
「う、おやつにすんのかなって母ちゃんと話してた」
「あはは。一人だとね家広いし夜なんか特に静かなんだよね。慣れてはきたけどさ」
「寂しかったらいつでも電話してこいよ!?」
「マジでー?」
「マジで!」
互いの曲(秋がノート、健はルーズリーフ)を見る。
「ギター使っていいよ」
秋が弾きがたる。
「なんていうか大体可愛いよね秋の曲」
「子供っぽいっても言われるけど俺は明るめでちょっとだけ可愛げがある感じがいいんだよね」
そして交代で健の番である。
「うんうん、やっぱりかっちょええね」
「ありがと」
「全体的に大人っぽいよね。ちょっとせつな系入ってて受けが良さそう」
「ふふふ。あと少しひねくれたりしてるんだよね。
でさ、なんか、二人の曲って全然タイプ違うじゃん。だけどなんとなく相性はいいよね。混ぜても違和感無さそう」
「だな。でタイプの違う曲をアレンジで統一感を持たせれば完璧違和感無いんじゃね?」
「うんそう思う。てゆーか同じ二人でやるならそれも可能だよね。うん、もっかい見せてー」
互いにもう1度読み直して。
「ていうかこれをさ」
「うん、互いにね」
「「…」」
秋は口元が緩み健はフワリと笑んだ。
「じゃあ覚えるまで交換?」
「まだ時間いいなら書き写した方がいいよ」
「そっか、あと1時間近く大丈夫だからそうするか」
“書き写そう”と言ってコンビニにコピーしに行こうとは言わない貧乏根性から、健は秋の類友のようである。
先に終わった秋が健に手伝い…
書きながら健がおもむろに言った。
「そういえば前から思ってたんだけどー、秋ってなんで5曲しか無いの?」
「え?何それ」
「ほら、ミュージシャン目指してるならもっと曲数あると思ったからー」
「あー…あのな、これ真面目な話になるんだけどー、別に作ってても良かったんだけど、曲にしなかったんだ」
「?何で?」
「それはな、どうせなら曲にすんのはこう、何か理由がある曲がいいじゃん?覚えていたい事や気持ちを曲にしたいじゃん?だから少ない」
「秋…」
「分かる?」
「うん、分かった。じゃあ全部大事なんだね」
健が微笑んだ。
「んー、でもよく分かんね(照れ)」
二人僅差で書き終わってシャーペンを置いた。
「出来たぜ、はい」
「ありがと」
「でも高校も終わったしーやっぱりどんどん曲作ってった方がいいかなぁ?」
「別にいいと思うよ?名曲だけ作ってよ」
「名曲か…
だな。そうするっ」
秋はニパッと笑った。
出逢った時点で健の持ち曲が2曲、秋は5曲です…これからどんな曲作ってくんですかね♪お楽しみに!(作詞作曲してみたよ☆の方で既に出してる曲多数なんでそっちみる手もアリminiDreamislandもあるし♪)
本日のBGMはART-SCHOOLの LOVE/HATE でした、4曲目BUTTERFLY KISSからの流れがいい…名盤ですねー☆バタフライキスとイノセント探して聴いてみて下さい。