41《マジ慰めっから!》
前回と続くシーンです。
少し気まずい中、秋と健はとりあえず互いの考えてきたサビ以外の部分のフレーズを出し合った。
健はAメロのメロディだけ出した。
聴いて秋は
「ふーん…いいな。俺のとやっぱ少し似てるよ、俺も優しい感じかなって色々考えたけど思ったんだよね」
「うん、俺もやっぱそう思って」
「俺のだとなんか明るいかなー?やっぱサビの切なさにはちょっと明るいのは方向性が違ったかもな。
Aメロは健のでいこーぜ」
「秋ちゃん俺に譲ってんの?」
「ちげーよ、純粋にそう思ってるぜ。この曲にはちょっとだけ暗い成分が含まれているのじゃ!」
「そうかな、別に暗くしようとして出したメロディじゃないけど」
「今日思い付いたのか?」
「うん、バイト中に」
「そか。じゃあお前の今の暗い気持ちが無意識に形になったんだな」
健はガックリ肩を落とした。
「も~ほじくんなよ」
秋の好奇心が頭をもたげる。
(このまま気まずいのもヤだからいっそ聞いちまえ)
「オホン、健君?」
秋は得意技の仙人の真似をした。
「何?」
(ヤな予感)
「その果歩とはキスはしたのかね?」
「~~~秋ちゃんオヒョイさんみたい」
「これ、答えなさい」
「やだ」
「答えんと先に進めぬぞい?」
「だからなんなのそのキャラはっ!」
「仙人なのじゃ。ホレホレ言わんか、今さらの事ではないか?」
健は項垂れて
「~~…した」
「マジっ!?…で、どこまでいったのかな?」
「キスまでしかしてないよ」
「ちぇっなんだ」
「仙人終わり?」
「唇はどうだったかね?」
「どうって?」
「柔らかかったかね?」
「あー、はい」
「ブハッ!
マジー!?もうだめ、普通に聞くわ!いつしたの?」
「ゴールデンウィークに」
「はぁ!?マジっ、俺に内緒にしてたんかい!
すげーなお前、俺全っ然気づけんかったわー」
「まだ紹介する時じゃないって思ってたからね、ごめん」
「人知れずそんな事して!ママにも内緒にするなんて!」
「秋ちゃん俺のママかよ!しかもママって」
「でもよー果歩ってその後新しい男出来たのか?ゴールデンウィークには既に二股だったんじゃねーの?それか、よく言うお持ち帰りか?」
「俺も色々考えた。でも秋ちゃん、俺それでも果歩の悪口は言えない」
秋は座布団をぎゅうっと抱きしめてジタバタ
「あーもうっ健超いい男ー!イケメン過ぎるー!
、じゃあさ、まあ健はファーストキスだよな?」
食い気味に聞く!健は半目で呆れ風に
「そうだよ」
「そん時…果歩も初めてっぽかった?それとも慣れてた?やっぱ健からしたの?」
「一応俺から。でも果歩が慣れてたかどうかは分かんない」
「自然だった?それともおずおずするとかした?」
「…雰囲気なって…自然に…どちらからともなくかも。俺が顔近づけたら自然に目閉じた」
「うーわ、そりゃやべーわ、その時既に二股だな」
「はぁ…」
またため息の健。
「そうなんだよねー俺もそう思って」
「健、元気出せよ?モノは考えようだぜ、お前は女の子とキス出来てラッキー、そしてキス止まりでラッキーだったんだよ」
「うん」
「もっと先に進んでたら悲惨だぜ?二股のやつと…なんて」
「そうだよねー…犬に咬まれたと思って忘れる」
秋は目をパチクリ
(自分で言ってんじゃん)
「おー、そうしな」
(もういっか)
「なんか曲作る前に話もっと聞きたいな。キスしたのってどういうシチュエーション?」
「聞くんかい!」
「あー俺もしてみてー!」
うがーっ!とする秋。
(もーあんたには光ちゃんがいるってば、でも言えねえ)
健は大きな呆れたため息。
結局曲作りの前に恋バナ?に。終わった恋だったが…
夕飯の時にローカルNHKで弾き語りライブが映り、「おぉ!?歌うま」と見て、したら「メジャー決まりました」という報告。「どうりだ上手いもん!」と納得。ほんと上手かったよ。
なんかいいなって、嬉しく思った。




