34【番外編】木村ハ寿司ヲ握ル。
今回は番外編です。
2019年高校3年の2月――――――――
「バイトでもいいんで今寿司握る人募集してませんか!」
「うーん、ホールじゃ駄目?」
「寿司握る人がいいです!」
「それじゃあうちは今は無いね~ごめんね」
「いえ、お時間を割いて頂きありがとうございました!」
ガバッと礼。
木村は本物の寿司職人になるべく修行先を探していた。
寿司を出す店に電話して訪問アポを取り、先述のようなやりとりを繰り返した。
でもめげなかった木村。
――1月末学校で居合わせた時の回想――
秋が気だるげに
「木村修行先見つかった?」
木村は腕組みして
「それがまだなんだよなー!ま、最悪長期戦になっても俺は諦めないけどな」
就職決定のお礼に来てた周は笑って
「でも木村実はマジすげーから~俺は結局夢なんか見つかんないまま先生から出された就職先から選んで決まったもーん。その信念?超かっけーよ」
「ヌハハ!俺カッコいい!」
木村はガバッとふんぞり返るとコアリクイのポーズをしてくれた。
ペシッと頭はたく秋。
「なんだかんだ言って結論ニートになんなよ?」
木村は両手指さし
「焦んなって~」
感激してる周は
「秋ちゃんも教師に何回呼び出されて説得されても“やる事はもう決めてるから就職はしません”て逆に説得してさー今日もでしょ?
俺ちょっと立ち聞きしちゃったもんマジかっけーよー、お前らマジすげーから~それに比べて俺って弱ェ~!」
うぅっと袖に泣き。
「驚き桃の木さんしょの木!オレ、スシヲアキラメナイ」
木村は宇宙人風に返す。秋は後ろ頭に手を組んで
「まあなー。昔っからお前の握る寿司食ってきたこっちもお前に夢叶ってほしーよ。
最初ただのグチャグチャの手クソだったのに今はけっこうそれらしいしー」
「だよね!ネタの卵焼きも最初油だらけで焦げてたのにクッキング部で上手になりやがって」
木村は小5で寿司に目覚め、「寿司はシャリが命!」とか言って秋達を家に呼んでは自作の酢飯を握り秋達は試食(完食)してきたのだ…
最初はグチャグチャボロボロだった手クソ握り…
段々とらしくなっていく過程…
スマホを手にしてから急激に進化したシャリ握り…
ネタは卵焼きオンリーだったが。
かくして2月。
秋は卒業式前からセブンイレブンでバイトを始め、通信制だった七郎は相変わらずコーヒー三昧でモンプチでバイト、律は1月から既に師匠について歩きピアノ調律師の修行を始めていたし、周は4月1日からの出勤開始を待つのみ…の2月末。
木村は最後の望みをかけて津駅そばの やたい寿司 に来た。
「君、ど~~~しても寿司を握りたいの?」
「はい!!握るッス!!」
「仕方ないね~。まあうちは寿司以外もしなきゃないけど、それでもいい?」
「!?マジすかー!!いいッスやるッス!アザッス!」
「アハハ君アホだね~でも明るくていいよ」
担当者は笑って。
「得意技はコアリクイのポーズ!」
木村は感謝の意を立ってポーズで示した。
「そーかそーか、うん、仕事もそのキャラで頑張って」
「了解!ボェ~」
エジプト壁画ポーズ。突っ込む担当者
「もうええわ!いいね君(笑)」
木村は涙をこぼした。
「アザッス!うぅ~良かった~俺寿司握れないかと思った~」
肩を叩いてくれた店長。
かくして木村も卒業式前から出勤開始することが出来たのだった!
※RUIの路上ライブに顔を出すようになったのは6月からバイトが夜勤務に変わった為。
実は木村の顔がギリギリまで決まらなかったんだ。このイラストは略な書き方だけど一応ちゃんと決まってるのさ。いつか描けたらいいです。
あ、彼らは松阪高校ですからねー(^з^)-☆




