3《運命的出逢い!》
3月20日(水)
近所の小さな公園のベンチで健がギターで曲を作ってる所で二人は出逢う。(健は前髪の長いキノコをすいて毛先を外ハネに散らしたような髪型をしてる)
秋は考え事をしたい時よく一人でとりとめ無い散歩をするが、この日もそうで、特に目的地も無く川上町の方まで歩いてきていた。
するとアコースティックギターの音を聞きつけた。
(なんだこの感じ、ワクワクする。いいセンスだな)
秋は声をかけ…
「いい曲っぽいね」
健は少し驚いた表情を一瞬したがフワッと微笑んで、
「ありがとう」
「オリジナル?」
「趣味なんだ」
「いつもここでやってたの?」
「ううん、ほんとたまたまなんだよね、今日初めてギター持ち出したんだ」
「なんで?」
「だってあんまりいい天気でしょ?
今までずっと家の中だけでひっそりやってたけど、つい。
まさか声かけてくる人がいるなんて思いもしなかったよ」
秋と健は自己紹介をし合って互いの経歴を軽く教え合った。
「えー、じゃあ隣の学校だったんだしかもずっと!
うわ超奇跡じゃん。それが偶然出逢うなんて、俺達運命的だなっ。
健はなんで今日昼間から公園にいんの?」
「ああ、それはね…」
健は一度ゆっくりまばたきをしてから言った。
「受験、失敗しちゃってね、でも別に絶対進学したい訳じゃなかったから別にいいやって仕事探しちゃったんだ。
色々考えてたら、登録販売者いいなあって思ってさ」
インフルエンザで受験に行けなかったらしい。先生は今からでも就職先探す!と言ってくれたが健は「バイトしながら登録販売者を目指すからいいです」と断ったらしい…
「それってスゴくない?」
「そう?普通だよー。秋は?」
「俺はね、敢えて進学も就職もしなかったんだ。
やりたい事があって、それにゆくゆくは家業継ぐ気だし。
そしたら継ぐのはまだずっと先なんだから21までにプロになれなかったら就職するって約束させられてー。
活動費は自分で稼ぐんだけど正社員だと時間長いじゃんか、だからバイト」
「やりたい事って何?」
「あのさ、…小説家かミュージシャンになりたいんだよね。…笑わないでね」
キョトンとする健。
「え?なんで?すごいじゃん。夢に向かって進んでるなんて尊敬するけど」
「そう!?そうかなっ」
「クス。初めて言われた?」
「う、うん身内以外で」
「?どうかした?」
「…あのさ、良かったら俺と組まない?」
「えっ?」
「その、ほら健も音楽好きじゃん、俺も今パートナー探してたし、誰か相方が欲しいなって思ってたんだ。
一人よりは二人の方がいいじゃん。
だからさ、俺と組んで欲しいんだ」
「いきなりだね、さっき会ったばかりだよ?」
「時間は関係無いぜ。俺ビビッて来たし、さっきのフレーズ俺好みだったし」
「あはは、秋って面白いね。そんな大事なこと即決しちゃうんだ。俺なんかでいいの?」
「うん」
「分かった。いいよ」
「えっマジ!?いいの?」
「うん」
「なんで!?」
「だって秋面白いじゃん」
「~~~っ!!やった!!相方ゲット~っ!!」
立ってガッツポーズ。
「じゃあ早速ミーティングしなきゃなっ!!場所は互いの家ってことで、連絡先交換しようぜっ!!」
かくして秋は超ゴキゲンで家に帰った。ので留美子は
「何?なんかいい事あったの?顔緩んでるわよ」
「うんちょっとね、後で教えるけどまだ秘密!」
チカチカスマホが光っている。
(光か。なになに?“今日髪切る約束だったよねちゃんと起きてなさいよ!”)
家から通いで理容美容専門学校に行くことにした光は近所の幼馴染みで新年早々“髪伸ばした方がいい!とりあえず伸ばして!”と迫られ3月1日から髪を切らないと約束させられた。
――回想――
「伸ばした秋ちゃんも絶対絶対カッコいいから!」
「ふーん?そんな言うなら伸ばしてみっか。お前の為に♥(キザ目線)
なんてなっ(笑)」
「も~バカ」
ちっちゃな正拳突きを繰り出す光。
「いてて(笑)ゆっとくけど惚れんなよ?火傷すっからな」
「あり得ない!」
頬染め&ふくらましの光。
光は物心ついた頃から(そりゃもう記憶にある限り)なぜかずっと俺を応援してくれて正直メンタル的にすげー助かってる。
光に電話する。
「あ、光?今帰ったから今いいぜ。…うん、じゃあ待ってっから」
ピ
(いつもありがとなっ光!)
イラストつけれんくてごめんね★ほんとは全話イラ付けたいくらいなんだけど…ムズカシイ、絵になるシーンを探して絵をかくのが。スピカまだ絵ヘタだし↘でも頑張ってかくからね♪