108《よもやま話》
9月12日(木)、RUIは今度はキングレコードにデモを送った。
デモはシーケンス・エバーグリーン・エンジェルライトの3曲。
実は新しく別曲でデモを作るか?と昨夜のミーティングで話し合い、“先にキングレコードに送って、駄目ならトイズ、それも駄目だったら新しく作る”と決めたのだ。
健と秋二人で行った郵便局の帰り…
「健、昨日帰りひよりとなんか話した?」
健はドキ!
「え!?あんまり大した事は…てか50mくらいしか無いじゃん」
「ふーん。しっかし健は分かり易いよな」
ギク!
「え!?何が!?」
「お前ひよりのこと気になってるだろ」
「!」
健は赤面。
「やっぱな。花火大会の時気付いたぜ。どーすんの?」
「秋ちゃん…絶対彼女達には言わないで」
「そか?なら黙っとくけど」
「ハア」
健はため息。
「つーかさ」
「何」
「お前果歩のこと引きずってたみたいだったから、良かったな新しい恋。けどひよりがお前のエンジェルになるかはまだ分かんねーけど♥」
「俺…女の子を好きになるのが怖いよ。ひよりちゃんはいいコだと思うけど」
「俺からしたらひよりって女として見たこと無いからよく分かんねーけど、いい奴だっつう事は保証するぜ。たまに厳しい事言うけどな」
秋はウインクして親指を立てた。
「女として見たこと無いって光ちゃんも?」
「うん、何で?」
「ううん、試しに聞いてみただけ(そっか、光ちゃん可哀想に)
でも鈍感な秋ちゃんに気付かれてたなんて気をつけよ」
「あ、それ光にも言われた、秋ちゃんは鈍いのにって。
皆俺のこと鈍いって、失礼しちゃうわねっプンっ」
「いや秋ちゃんは鈍いでしょ」
「光もそう言ってたわっプンっ」
「アハハ」
(ほんと気付かないんだよねーある意味どうかしてるよ)
そうして二人がのんびりポクポク歩いてる時、七郎は…
撮影待ちの間にミルクに数1を教えていた。
フルフルしつつ小声で言うミルク
「あの、いつも教えてくれてありがとうございます…」
(やば、可愛い!)
テンパる。
「でもミルクちゃんは文系僕より得意じゃん、僕歴史ダメなんだよね昔の事に興味無くて」
「興味無い…」
うつむき。
(ハッしまった!)
「いや違くて!歴史は必要なんだけど、全部覚える意味が分かんないってゆーか、えっと」
(うわぁ自滅)
そんな七郎をじっと見てミルクは小声で
「いいです私も興味あるのは奈良・平安だけなので…」
「えっ」
涙ポロッ。
「ナナコさん」
ミルクが七郎の頬に手を伸ばし涙をひとさし指で掬った!
「ご、ごめん!」
赤面で七郎の心拍数は急上昇。
「泣いたら折角の綺麗な顔が台無しです」
「撮影前だもんねごめん、でもミルクちゃん突然大胆な事するんだね」
ハッとしたように赤面のミルク、小声でフルフルして
「いえっナナコさんの涙がすごく綺麗に見えたから…触りたかっただけ…です」
キュウ、とちっちゃくなる。
「…っありがと」
(ミルクちゃんて天然?なんだな~かわ…)
改めて赤面してしまう七郎。
幸せな時間を過ごしていた!
その夜、日浦から秋に電話がきた。
『そうかキングレコードか。受かればいいな』
「毎回自信はあんだけどなー」
『うむ、根拠の無い自信は大事だよな。ははっ』
「あっ笑ったな!」
『いやバカにしたんじゃないよ!?』
「日浦も実は自信あるからバンドコン終わるまでデモ作らないんだろっ?」
『うっ』
「根拠無い自信!」
日浦は咳払いして
『いや大事だよな!それが無きゃ何事も出来んよ!』
「そだぞ。あと1ヶ月だな」
『うん。あ、その前にロージャック結果出るだろ。どうだろな俺ら』
「分かんねー。木村っつーアホはRUIをエレキとかでやれば通用しなくもないってゆってたんだよ。ルックスと声は合格だって」
『うむ、俺もそう思うよ』
「サンキュー。あ~カウントダウン出たい~」
『ミートゥー。ライトが揺れる眺め!』
「見たいっ!」
電話後。ため息の秋…
(ポニー、EMI、ソニーに落ちた…電話ではああ言ったけど根拠無い自信も揺らぎそう…やっぱり駄目なの?
いやっ)
頭プルプル。
(まだバンドコンもあるし小説もイラストもあるしっ…デモも1作目だしっ…)
悲しくなりかけたのを無理矢理持ち直し、パンっと両手で頬を打った。
(俺は皆の前では明るい秋ちゃんなんだからっ!RUIを引っ張るんだからっ!)
今朝、起き出す前にドリアイに「章」を付けてみました!4章構成になる予定です。長い章だな笑
どら焼食べて寝ます。




