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5話 探したい人の話とショッピングモール

はあ~マジ尊い。あれであの2人付き合ってないとか・・・・はやくくっつけばいいのに。ふわぁ・・・・眠い・・・・。昨日もてかりんさんの百合漫画夜遅くまで読んでたからなぁ。あ、そういえば、てかりんさんの描く背景、特定班がこの辺だって特定してたけど、この近くに住んでるのかなぁ。聞く話によると高校生らしいし、この学校に居たりして。そんなわけないか。ふわぁ、眠っ、あー2人は何してるのかなぁ。


「ねえねえ、優ちゃん、ちょっと、分かんないところがあるんだけど。」

「はあ、分かったわ、休憩時間教えるから、今は先生の話を聞きなさい?」

「うんっ、いつもありがとう。」


ほぇー・・・・百合を感じる・・・・百合みに溢れてるわ・・・・!よし、目が冴えてきた、これで乗りきるぞ!


「こ、も、り、や、さん?ここを、答えてください。」


あっやべえ、聞いてなかった・・・・優ちゃん・・・・は後が怖いから、今から黒板見て頑張って答えるしか・・・・。


「あー、えーと・・・・2?」

「違います。聞いてませんでしたね?授業の後でお話、しましょうね?」

「ひえー!」

「返事は?」

「は、はい。」




「あー、疲れた。先生、話ながーい。」

「因果応報よ。穂高ちゃん。」


うー、優ちゃんが冷たい・・・・。


「あ、穂高ちゃん、今日、敬一先輩と話するんじゃなかった?」

「あ、忘れてた。じゃあ、先帰っててくれる?」

「うん、分かった。じゃあ、公園で・・。」

「いやよ、そんなに走りたいなら、1人で走ってきなさい。」

「ぶー、けちー。じゃあ、どうする?」

「うーん、そうねー・・・・。」


相変わらず、この2人の掛け合いは面白いなあ。さて、行くか。




「しつれいしまーす。」


私は、軽くドアにノックしてから入る。


「ふむん、よく来てくれた。まあ、座りたまえよ。」

「は、はい。」


私はあのフカフカのソファに腰を降ろす。


「じゃあ、さっそく用件を教えてくれるか?確か、探したい人がいるとのことだったが。」

「はい。ええと、まず、ここでのことは他の人に言わないでくれますか?」

「ああ、もちろんだ。」


よし、とりあえずOK。この話は少し恥ずかしいからね。


「私、百合、ていうか、GLが好きなんです。」

「なに?それは本当か!僕もなんだ!いやーこんなところで同志が見つかるとはな。いや、すまない、興奮してしまったな。続きを話してくれ。」


急に大きな声を出され、少し驚くけど、私も相手と同じ状況ならそうなるだろうね。いやしかし、同志だとは・・・・それなら話がはやくて助かるよ。


「え、えと、私、てかりんさんの大ファンで、特におねロリ特集の3つ目、お姉さんが色々抑えられなくなってロリを家に連れ込むけど全部ロリの策略でロリに主導権持ってかれる話とか、男装女子特集の1つ目、男だと思って狙ってたけど女の子だっていうことに気が付いて、『あんたのせいで・・・・!あんたが女の子だから!』って押し倒す所とか・・・・。」


はっ、しまった話しすぎた・・・・。敬一先輩もポカーンってしてるし、うう、やらかした・・・・。


「フフフ・・フハハハハハハハ!いや、すまない、思わず笑ってしまった。」


ああ、やっぱり・・・・。


「実は、てかりんはな、私のクラスメイトで、仲の良い友人なんだ。今すぐ会わせてやりたいな!あいつも喜ぶぞ・・・・。あっいや、すまない、あいつ、今日は忙しいんだった。とりあえず、君のことは話しておく。また後日ここで・・・・いや、君、パソコンは持っているな?」

「あ、はい。」

「なら、メールか、スカイポー、やっているか?」

「ええ、スカイポーなら。えと、この番号です。」


私はさらさらと自分のスカイポーの番号をメモに書いて渡す。


「ふむん、わかった。じゃあ、今晩にでも連絡しよう。ハンドルネームは敬だ。よろしく頼む。」

「はい!よろしくお願いします!」

「じゃあ、今日はこれで帰りたまえ。」

「はい、失礼しましたー。」


私は思わぬ収穫に、笑顔で部屋を出た。うわあ、楽しみだなぁ。




うがー、暑い・・・・。こんなに暑いと走れないよ・・・・。しょうがない、今日はゆっくり行くかぁ。水筒は2本、まあ、これだけあれば足りるでしょ。よし、行くかー!

私は穂高ちゃんに教えてもらったアニメのオープニングを口ずさみながら歩き始めた。




ふと、気が付くと、一昨日和音さんにスポーツドリンクを貰った通りの前にたどり着いていた。

もしかしたら、今日もいるかも・・・・。そう思いながら角を曲がると、道の真ん中に彼女はいた。


「え、和音、さん?なんでいるの?」


彼女はポケットから紙を出して広げた。


<私のことは和音ちゃん、と呼んでください。実は今日はあなたのことを待っていました。また、前のように水分不足でフラフラになってないか、と心配で。スポーツドリンク、ありますけどいりますか?その、私の飲みかけ、ですが。>


和音さん・・・・和音ちゃんが私のことを心配してくれてたなんて・・・・。そして、スポーツドリンク、かそこまで喉は渇いてないけど・・・・和音ちゃんの飲みかけ・・・・。いや、何てことを考えているんだ、私!・・・・やっぱり無表情でもかわいいなぁ・・・・。私がぼーっと和音ちゃんを見ていると、彼女はスポーツドリンクを差し出しながらずずいっと近付いてきた。


「あっ、えと、もらうね。水筒。」


私は和音ちゃんから水筒を受け取り、そのままぐいっと飲んだ。か、間接キス、だよね・・・・。緊張して味は分からなかったけど、とても美味しく感じた。あー暑いなー顔が赤くなってきちゃった。なんて、自分に言い訳しつつ、彼女を見る。相変わらず無表情だな、いや、でも、頬がちょっと赤くなってる?


「かわいい・・・・。」


そう、ぽつりと口に出す。すると彼女は水筒をさっと取って走り出してしまった。


「あっ・・・・。」


私はしばらくその場で彼女の去った方向を見つめていた。

その日は結局、夕方頃まで歩き、家に帰ってから特になにもせず寝てしまった。




歩いている私。その目の前を和音ちゃんが遮るように立つ。彼女の手にはあの水筒が握られている。彼女は、その水筒からスポーツドリンクを1口飲む。細い首が動き、飲み込んだことが分かるほど近くで私は見ていた。そして、その水筒を彼女はこちらに差し出してくる。私は少し恥ずかしいと思いながら受け取り、おそるおそる1口だけ飲む。彼女はそんな私に何か思うところがあったのか、水筒をひったくる。そして精一杯小さな手を伸ばし、背伸びをして私の頬を掴むと、自分の顔を近付けていき、唇と唇が・・・・。



ジジジジジジジ・・・・・・


「ゆ、夢?はあ、はあ・・・・と、とりあえず目覚まし止めよ・・・・。」




「ハロー!さゆりちゃん。」

「は、はろー?」


家の前には穂高ちゃんが1人で立っていた。


「もう、テンション低いよ、さゆりちゃん!」

「え、普通だよ。それより、優ちゃんは、まだ?」

「うん、まだ服選んでるんじゃないかなぁ?」


なんて、話していると優ちゃんが出てきた。


「おはよー、優ちゃん。」

「ハロー!優ちゃん。」

「うん、おはよう!2人ともっ!」


優ちゃんがいつもより活き活きしてるわ・・・・。久し振りのショッピングで舞い上がってるのかな。


「よーし、2人とも、行くよ!おー!」

「おー!」

「おー?」

「もうっ、さゆりちゃん!」

「えー・・・・。」




ショッピングモールへは、歩いて数分の最寄り駅から2駅で着く。大学も近いからか、駅にはとても人が多い、


「いやー1ヶ月ぶりだねー、優ちゃん。」

「そうね、もう待ちきれないわ!」


ショッピングモールに着いた2人は今にも走り出しそうな勢いだ。暑くないのかな・・・・。




10時頃にここに着いてから、品を変え、店を変え、私がきせかえ人形になり続けて2時間ほどが経った。そろそろ昼か・・・・お腹空いてきたなぁ。


「あのーお2人さん、そろそろ昼ごはん食べませんか?」

「ん?あら、もうそんな時間?そうね、じゃあ、私は、このシャツにするわ。で、さゆりちゃんは・・・・このジーパンね!」

「あ、じゃあ、私、このワンピースにする!」

「じゃあ、買ってから店を出ましょ。昼はその後決めよ?」

「分かったー。はやくお昼ご飯!」

私たちは自分の買う服を持ってレジに並んだ。


お読みいただき、ありがとうございました。

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