21話 陸上部とボランティア部
大変お待たせいたしました。
「お願いします!」
「あら、もう来たの?今日もお願いね。あら、ありがとう。」
今日はいつもより少し早めに来た。
「きょうはまだみんな揃ってないから、タオルとか飲み物の準備をしましょうか。」
「はい!」
和音ちゃんと手を繋いで水場に向かう。すべすべだぁ。
「よし、終わったわね。さゆりちゃん、着替えてきたら?そろそろみんなも集まってくる頃よ。」
「わかりました!着替えてきます!」
よし、今日も頑張るぞ!
『お手伝いも頑張るのよ・・・・?』
「もちろん!」
「よろしくお願いします!」
「よし、じゃあまずはストレッチだ。」
「はい!」
今日もいい汗を流した・・・・。
「みんな集まったな。では、今日の依頼だが、ボールを取ってほしいというものだ。」
いつも通り部室で会議がはじまると、敬明先輩が司会をはじめた。
「ねぇ、なんで敬明先輩が仕切ってるの?」
『私にもわかんないよ。』
「そっかあ。」
「と、とりあえず和音ちゃんとさゆりん以外のみんなで手分けしてやろうか。」
「そうですね。」
敬明先輩、珍しく真面目にしてる・・・・。ほんとになにがあったんだろうか?
「たくさんあるからこの紙に書かれてある順番で回ろうか。」
「はい、それでいいと思います。」
「じゃあ私たちは陸上部行ってきますね!」
「おう、気をつけてな。」
「はーい」
「こんにちは!」
「よしよし、今日も来てくれたのね。」
名古先輩に頭をなでられた。んんぅ、気持ちいい。
「えへへぇ。」
「痛っもう、和音ちゃん・・・・」
「あらあら。」
「痛いって和音ちゃん!」
「あらあら・・・・ふふふ」
「なんで笑ってるんですかぁ!」
「ふふふふっ♪」
和音ちゃんの家に遊びに行くと約束したら許してくれたけど結局なんで怒っていたのかわからなかったよ・・・・
「今日は依頼がないから今までの活動内容をまとめていこう。」
「はーい。」
「どうした敬明。」
敬明先輩が手を挙げた。
「寝ていいか?」
「は?ダメに決まってるだろ。」
「えーなんでさ、昨日とかはおとなしくしてたからいいだろう?」
「それはまあ確かに・・・・でも寝るのはだめだよ。」
「ふむん・・・・。」
「起きろ!」
「むえー・・・・」
「まあまあ、寝ていたほうが静かでいいんじゃない?」
敬明先輩と武正先輩がコント?をしていると、先生が止めに入った。
「・・・・まあたしかに。」
そう言って武正先輩は敬明先輩を放置して話を進めようとした。
「おい!構ってくれよ!」
「えっ・・・・」
「うわぁ・・・・」
「・・・・」
「帰る。」
「えっ」
「実家に帰ります・・・・」
「ああああ!ちょっと、敬明!」
なんか大変そうだなあ、ところで敬明先輩の実家ってどこかなんだろう?
「さて、今日は美術部のモデルの依頼が来ているよ。希望はさゆりちゃんみたいだけど・・・・」
「え、そうなんですか?でも、陸上部行きたいし・・・・」
「そうだねぇ。だから美術部の人たちには悪いが他の4人で行こうと思う。」
「ふむん、そうだな私もそれがいいと思うぞ。」
「・・・・それでいいかな?」
「はい。」
「では、私たちは陸上部のところに行ってきますね。」
「うん、気を付けてね~」
「はーい」
よーし、今日も楽し・・・・じゃなくって、お手伝いするぞー!
そして次の日いつも通り部室で会議が始まった。
「さて、今日は依頼書がなかったから陸上部の見学に行こうと思うよ。今日で最後だしね。」
「はい、じゃあみんなで行きましょう!」
「こんにちはー!」
「こんにちは。見学いいですか?」
「あら、今日は大勢で・・・・もちろん、見学いいわよぉ。」
名古先輩は快く受け入れてくれた。
「ありがとうございます。」
「はーい、じゃあ付いてきてねぇ。」
「はい。よろしくお願いします。」
「ええ・・・・ところで、その方はなぜ縛られているんです?」
「ムグムグ」
「ああ、気にしないでください。」
「は、はぁ?」
名古先輩は一瞬戸惑いを見せたが、すぐに取り直した。強い方だなぁ。
「みなさん!ボランティア部の方々が見学にいらっしゃいました!集まってください!」
その声に反応して陸上部の方々が集まってきた。
「部長の峯崎です。今日は見学、ということで、よろしくお願いします。」
「こちらこそよろしくお願いします。」
「では、そこの日陰で見学していてください。」
「はい。」
「むぐむぐ!」
そして今日もいつも通りの活動をした。今日はみんなに見られていたからちょっと緊張したなぁ。
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