20話 反省会と次
お待たせいたしました。
「みんな、どうだった?」
陸上部の手伝いをした次の日、集まったボランティア部の部室で、武正先輩が開口一番に聞いてきた。しかし、武正先輩はどこか疲れて見えた。
「はい!楽しかったです!」
「そ、そうか、よかったね。」
「失せ物探しは大変だったよ、敬明がどっか行ったりしたから・・・・」
「うわあ、敬明先輩・・・・なにやってるんですか・・・・」
「まあまあ、ところで私たちのところは楽しかったですよ。差し入れでアイスももらいましたし。」
「えぇ、いいなあ、こっちは依頼主にも怒られたし散々だったよ。」
「ふむん、それは災難だったな。」
「お前のせいだよ!!」
「まあまあ、落ち着いてください。」
「そうだぞ。」
他人事のような反応の敬明先輩。
「おう敬明正座しろ。」
「何故だ?」
「敬明先輩、正座してください。」
「・・・・はい。」
ん?優ちゃん?
「よし。今日はそのままでいてくださいね。」
「何故だ!」
「まだ、何か?」
「あ、いや、いいです。」
「そう、ならいいわ。」
「・・・・なにしたの?」
「知りたい?」
優ちゃんは満面の笑みだ。
「い、いややっぱりいいや。」
「そう?」
「う、うん・・・・。」
知らぬが仏っていうんだっけ?だからね。
「よし、じゃあ改めて、反省会と報告会を始めようか。まずは私たちのところから。さっきも言った通り、敬明が依頼者を怒らせた以外はおおむねよかったよ。物も見つかったしね。じゃあ、次に幼方さんと籠谷さんのところはどうだったかな?」
「はい、私たちのところ特にいうことはありません。普通に草むしりをしました。しいて言うなら、先生に終わった後にアイスを1つずつもらいました。」
「いいなあ・・・・。」
「ふむん、アイスが欲しいなら買ってやるぞ。」
「あ、いや、いいよ敬明。さて、最後に上白石さんと水無月さん。」
「はい!えーと・・・・。」
『お手伝いに関しては問題なしで、むしろ順調だったこと。さゆりちゃんが走らせてもらったこと。骨折が治るまでの一週間くらいは手伝ってほしいこと、ぐらいね。』
少し困って和音ちゃんの方を見ると、すでにまとめていてくれたみたい。そっくりそのままみんなに話した。
「ありがとう、和音ちゃん。」
『ううん、どういたしまして。』
微笑んできてくれる和音ちゃんかわいい・・・・。
「じゃ、じゃあ、次に新しい依頼の話。演劇部の人たちが小道具とかの資材を運ぶのを手伝ってほしい、とのことだよ。人数は多ければ多いほどいいらしいから、明日も陸上部に行く2人以外のみんなで行こうか。反対意見はある?」
「いえ、それでいいと思います。」
「じゃあ、和音ちゃんと上白石さん以外は放課後に体育館倉庫に集合ね。」
「「はい!」」
「じゃあ、今日はこれで終わりだよ。昨日の活動は紙にまとめて先生に提出しておくから、みんなはもう解散してていいよ。」
あれ、終わった?和音ちゃんかわいくて聞いてなかったや。あとで優ちゃんに聞いとこ。
「僕は残るよ。手伝ってやろう。」
「そう?ありがとう。」
「じゃあ、私たちは帰りますね。」
『さゆりちゃん、私たちは陸上部に行かなきゃ。』
「あ、私と和音ちゃんは今から陸上部の手伝い行ってくるね。」
「了解です。迷惑はかけないようにね。」
「じゃあ、校門で待ってるね。」
「うん!終わったらそっち行くね!」
「すみません、遅れました!」
「こんにちはぁ、いいえぇ、来てくれるだけでうれしいからいいのよぉ。みんなぁ!ボランティア部の方が来てくれたわよ!」
陸上部の人たちから、歓迎するような声がたくさん聞こえてきた。
「ね?じゃあ、今日もよろしく!」
「はい!」
「あら、ありがとう。みんな、もうこれ以外のまない、なんて言って、大変だったのよ。」
「あはは、そんなことがあったんですね。」
「そうなのよ。さて、今日も走ってくのよね?」
「はい!」
今日もたくさん走った。気持ちよかった。
「お待たせ。」
「おお、やっと来たかさゆり、待ちくたびれたぜ。」
なんだか芝居がかった口調。
「ごめんごめん。」
「こら、穂高ちゃん、さゆりと和音ちゃんはちゃんと仕事してたんだから、そんなこと言わないの。」
「へへ、冗談だよ。お疲れ様、2人とも。じゃあ帰ろっか。」
「うん!」
お読みいただきありがとうございました。やっとプロット?のようなものも作ったので・・・・たぶんつぎはもうちょっと早く投稿できるかもです。