17話 お片付け
エピローグみたいなものなので短いです。
「ああ、やっと・・・・終わった・・・・。」
「お疲れ様・・・・。これ、高かったのになぁ・・・・。」
敬明先輩以外の全員で屋敷の掃除をした。割れたお皿のばらまかれた階段、砂まみれの玄関、本が散乱した2階廊下。どこもひどい有り様だった。
「ただいま、諸君。」
「おう、何を買ってきたんだ?返答によっては殴る。」
「ああ、皿だ。たくさん割れただろう?」
「は?よし、殴ろう。ガードするんじゃねえぞ。」
「ふむん・・・・まあ、いいだろう。とりあえず、皿は置かせてくれ。」
「ああ。」
敬明先輩は手下げ袋を置いて、手を広げた。
私と和音ちゃんでなんとかなったからよかったけど、敬明先輩がいなかったのはなんだかモヤモヤしたし、殴られてもしょうがないよね。他のみんなも似たような思いからか、止めようとしない。
おお、綺麗な右フックだ。
「よし、じゃあ、反省しろ、敬明。それと、掃除サボったことについては、トイレ掃除1週間な。」
「えっあ、ああ、分かった。すまなかった。」
トイレ掃除を言い渡された瞬間、目に見えて落ち込む敬明先輩・・・・。トイレ掃除が嫌いなのね。
「いただきまーす!」×7
昼ご飯は、掃除とかでおにぎり2つずつという簡素なものだった。もちろん美味しかったけど、少し物足りなかった。でも、夕食は焼き秋刀魚にほうれん草のごま和え、豆腐とわかめのみそ汁にご飯だった。うーん、どれも美味しい~!
「和音ちゃん!おいしいよ!」
『ほんとう?ありがとう!』
「うん!毎日作ってもらいたいくらい!」
『へっ?あう・・・・。』
和音ちゃんがダウンした!?えっ?なんで?
「えっ。」
「あっ。」
「これで無意識なんだよな・・・・。」
「え、私、なにかしちゃった?和音ちゃん?」
「いや、さゆりちゃん、大丈夫だよ。君はそのままの君でいてね。」
「そ、そうですか。」
夕食が終わって、風呂の準備が終わるまでのんびりしていると、乃木先生に呼ばれた。
「なんですか?」
「あのね、他の2人には言ったんだけど、この家の中では、敬語禁止ね!」
「えっな、なんでですか?」
「敬語って、あんまり好きじゃないし、和音ちゃんの友達なんだもん、もっと仲良くなりたいわ。」
「えっと、うん、わかった!」
「よし!」
突然で、よくわからなかったけど、乃木先生からは、優しい感じがしたから、敬語を使わないことにした。私も、敬語苦手だしね!
「さて、和音ちゃん、寝るまで何する?」
『う、うん。お話し、しよ?』
「うん、分かったよ。えーとね。」
今まで敬明先輩としか会話をしてこなかった和音ちゃんは、私との会話がとても楽しみなようだ。
「じゃあ、和音ちゃんのこと、教えて?好きなものとか、普段してることとか。」
『うーん、好きなものは、料理かな。普段してることは・・・・料理の本読んだり、とかかな。』
「そっか!じゃあ、得意料理って、なにかあるの?」
『ハンバーグかな。』
「そうなの!?じゃあ、こんどつくってくれる?私、肉が好きなの!」
『ふふ、いいわよ。じゃあ、ひき肉、買っておかないとね。』
「ありがとう!じゃあさじゃあさ・・・・。」
和音ちゃんは、少し話すのが苦手?みたいだったけど、話してて、とても楽しかった。そしてやっぱり、笑顔がとてもかわいかった!
今日は、さすがに宿題をやらないといけないから、と、優ちゃんが言ったから、昼前に家に帰ることになった。
「じゃあね!和音ちゃん。また明日、学校でね!」
『うん。また明日!』
あーあ、帰ったら宿題かぁ・・・・。
お読みいただきありがとうございました。
評価とかブックマークとかが付くと作者はとても喜びます。
私のTwitterです。今後の展開のアンケ
ート、執筆の裏話などしてます。よろ
しくお願いします。
@kaaikatosa_kais
https://twitter.com/kaaikatosa_kais?s=09