14話 百合好きと百合小説家とリアル百合
「おーい!おっ風呂いっきましょー!」
「はーい。穂高ちゃん。いってらっしゃい。」
「はい!行ってきます!あっパジャマ取ってこなきゃ。」
パジャマを取って、乃木先生とお風呂場に行く。
「おっ風呂ーおっ風呂ー。」
あれ、乃木先生って、こんな感じだったっけ。
「えーと、お風呂、好きなんですか?」
「ん、まあまあってところかな。それよりさ、なんか固い!敬語はいいからもっと気楽にして。」
「えっ、は、はい。」
き、気楽にって言われても・・・・。先生だし・・・・。
「まあ、追々ね。それよりさ、あなたも百合好きなんでしょ?」
「あ、う、うん。先生もだよね?」
「うんうん!ね、それでさ、女流作家のネタ帳シリーズ、読んだことある?」
「あ、いや、難しそうで・・・・。」
「あー、そう、そうよね・・・・。」
この人の恋人が書いた作品なんだよね・・・・。うう、なんか申し訳ない・・・・。
「よし、今度は児童向け書かせるわね!」
「あ、いや、そんなことわざわざ・・・・。」
「いーや、書かせるわ。美月のすごさはみんなに知ってもらいたいからね!」
この人、本気で藤田先生が好きなんだな・・・・。だって、こんなに素敵な笑顔で言うんだもん。あー尊いわ・・・・。
「ただいまー。あー気持ちよかった。」
「お、おじゃましまーす。」
「うん・・・・穂高ちゃん・・・・いらっしゃい・・・・。」
「ああ、おかえり。」
大きなベッドの上で、優ちゃんは船をこいでいた。一応、意識はあるみたい。
「じゃあ、寝るか。」
「そうね。川の字で寝るのよね。じゃあ、私、美月の隣ね。」
「じゃあ、優理の隣に優菜ちゃん、穂高ちゃんの順番でいいかな。」
「うん・・・・。」
「うん。大丈夫。」
優ちゃんはふらふらとベッドに寝転んだ。ふふ、いつもはちょっと怖いけど、寝顔はかわいいなぁ。
「百合の波動を感じるわ。」
「んぅ・・・・おやすみぃ・・・・。」
「うん、おやすみ、優ちゃん。先生方。」
「おやすみー。」
「うん、おやすみなさい。」
藤田先生が電気のスイッチを押し、部屋を暗くした。
「すう・・・・すう・・・・。」
・・・・優ちゃんは、すぐに寝たようね。私も寝ようっと。
「もう、みんな寝たかな。」
「そのようね。」
ん?先生方・・・・?
「ああ・・・・今日も優理はかっこいいな・・・・。」
「ふふふ。ありがと。美月はかわいいわ。」
「ありがとう、嬉しいよ。」
えっ、ちょっ、えっなにイチャイチャしてんの????えっ?
「今日は・・・・横に2人がいるから、もう寝よ?」
「そう・・・・だね。うん。じゃあ、おやすみのキス。チュッ。」
あわわわわわわわわわわわ・・・・。お、大人だけど甘い。なんだこの空間!?こんなところに私いていいの?えっあっもう終わり!?あっそっか。うん。あー。うん。
もんもんとして寝れなかった。
イチャイチャしてる…私のキャラがイチャイチャしてる…!