13話 百合好きと百合漫画家と百合小説家
「よろしくお願いします。」
「うん、よろしく。」
私は今、てかりん様、じゃなくって武正先輩の部屋に来ています。今日からお泊まりということで、本格的に家事の手伝いを教わります。
「今日は、じゃあ・・・・皿洗いとお風呂、しようか。まずは台所に行くよ。」
「はい!」
私も、武正先輩に慣れてきてある程度会話が出来るようになってきたのよ。
「ふふ、じゃあ、今日と明日、ちゃんと教えたこと覚えられたら、ごほうびに今描いてる原稿見せてあげるよ。」
「えっ、本当ですか!?」
「うん。ちゃんとできたらね。」
「はい!頑張ります!」
これはなんとしても頑張らないと・・・・!とはいえ、私もそれなりに家事はできる・・・・はず。家でも手伝いしてるからね!
「よし、今日はこれで終わろり。とりあえず、部屋で休もうか。」
「は、はい。」
家事を、甘く見ていた。自分の家ならともかく、こんな大きな屋敷の家事、特にお風呂掃除はとても大変だったよ・・・・。
先輩の部屋に入り、くつろがさせてもらっていると、さゆりちゃんと和音ちゃんがプリン持ってきてくれた。
「う~ん、とっても美味しい~!」
「そうだろう?働いたあとに、和音ちゃんのスイーツ。最高なのさ。」
「夕食に食べたカレーだけじゃなくて、こういうスイーツも作れるなんて、和音ちゃん、すごいですねぇ。」
「うんうん、この家に来て色々大変だったけど、和音ちゃんの美味しい料理と先生方のリアル百合のお陰で、来てよかったと思うよ。」
「こんな料理が毎日食べられるなんていいですねぇ。・・・・うん?いま、リアル百合って・・・・?」
「ああ、そういえば知らないのか。先生方ね、付き合ってるんだよ。それでいてね、2人ともが百合好きなのさ。」
「えっ、それ、私に言っても大丈夫なんですか・・・・?」
当事者の居ないところで広めたら怒られないのかな、と不安になる。
「ん?ああ、大丈夫大丈夫。先生方、周りに隠す気は無いみたいだから。学校では他の先生方も知ってるみたいだし。まあ、あんなにイチャイチャしてたらねぇ。リビングとかでもイチャイチャしてるから、いつも見てるよ。」
へぇ・・・・いいなぁ。
「ちなみに、女流作家のネタ帳シリーズって、知ってる?」
「ええ、名前だけは。確か、本格ミステリだけど、探偵と助手の仲が百合っぽいんですよね。・・・・え、まさか。」
「そう、それの作者、藤田先生なんだよ。百合っぽさは狙ってやったって言ってたし、没原稿読ませてもらったけど、完全に百合してたよ。」
「へぇ・・・・すごいですね!あ、没って、先輩もあったりするんですか?」
「そりゃもちろん。これならいくらでも読んでもいいよ。えーとね、僕としては早く捨てたいんだけど・・・・敬明と先生方が必死で止めるから、残してあるんだ。確か、ここの引き出しにあったかな。・・・・はい。どうぞ。」
「ありがとうございます!」
没原稿はたくさんあった。どれも、どこが悪かったのかわからないほどいい作品だった。設定集や、1話完結の短いのもあってとてもすごかったし、とてもよかった。(語彙の喪失)
お読みいただき、ありがとうございま
した。
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