楽しい時間
週末、まことがうちに泊まりに来た!お母さんも楽しみにしていたようで、おやつに夕飯と張り切って用意してくれたようだった。
わたしとまことの様子を見て、安心してくれたようだ。まことは結子とは全然違うタイプの友人だった。自分の見たものしか信じない。だから、ネットもメールもほとんどしないらしい。わたしへの連絡も、直接会うか、電話だ。今どき珍しいが、わたしはそんなところに救われたのだろう。
勉強会の名目もあって、部屋で教科書を開いてみると、やっぱり、ついていけてない…。落ち込むわたしに、まことは最初から丁寧に説明してくれた。
もうすぐ夏休みに入る。その前に、一学期のところはどうにかしなければ。ちょっと焦る。
「ごめん、まこと。こんなの付き合ってたら、まことまで遅れちゃうんじゃない?」申し訳なさそうにわたしが言うと、
「何言ってんの?そんなことないよ。こっちだって、復習できて助かるよ。」と笑う。
「本当に?無理してない?…ありがとう、まこと。」
「…こちらこそ、久しぶりに美味しいご飯いっぱいいただいちゃって、お父さん、お母さんいて、楽しい時間過ごせたし。お礼言いたいの、わたしの方だよ。」
そうだ、まことはお兄ちゃんと暮らしていて、両親とはうまくいっていないのだ。そう言えば、純さんどうしてるんだろう?
「ね、今日は純さんどうしてるの?さみしいんじゃない?」
「まぁ、そうかもね、でも夜は晃にぃがいるはずだから。大丈夫だよ。」
「いつも夕飯とかどうしてるの?」
「んー?簡単に二人で作ったり、買ってきたり、フロッグで食べさせてもらったり…かな?たまに晃にぃの彼女が作ってくれるかな?だから、こんなご飯すごい嬉しかったな。家庭の味っていうの?すごく懐かしい感じ。」まことはキラキラした瞳で話していた。
「じゃあさ、今度は純さんも一緒にご飯家で食べようよ。お世話になってるし。」
「いいの?純にぃ喜ぶよ!ありがとう!凜、大好き!」
「えぇっ、そんなんでいいならいつでも歓迎するし。明日、お母さんに話してみるね。」