狩り過ぎたかもしれない。
魔導神の辞典の効果により、あの兎のような生物はこの世界でモンスターで通称”魔物”と呼ばれる存在とわかった。
探知魔法の【オブジェクト・ロケーション】を駆使して魔物を狩り始める。前世の地球にはあのパンダみたいな兎は存在しない。魔物には地球での常識は通用しないのかもしれない。魔物の習性や行動範囲などが全くわからないのだ。
だが、ミナトはやけに機嫌が良かった。前世の地球では天涯孤独。養ってくれる人も居なかったし、まずお金も無かった。幼い頃に両親を亡くし、両親が貯めていたお金で今までやりくりするしか無い。そんなミナトの食生活が荒れていたのは必然だった。ほぼ毎日と言っていいほど食べる食事はカップ麺やレトルト、冷凍食品にコンビニ弁当。そんな毎日を過ごしていたのだ。
そんな中、先程食べた兎の魔物は前世では食べたことの無い、今まで食べてきたなかでダントツの1位だ。
そんなミナトが獲物を求めるのは必然。ミナトを今、突き動かしているのは食の欲求。
目の前にいた魔物をひたすら屠る。
屠ってはアイテムボックスにしまい込む。
それを繰り返していた。
ひたすら森の中に行く。少しずつ出会う魔物が強くなっている気がするが関係ない。
終いにはこの森に住む覇者、
古代 の黒龍さえも倒してしまった。
今のミナトはただ食欲のみで動く化物。超級魔法を連発すれば倒せない相手では無い。
そんなミナトが古代 の黒龍を倒したあと身体に違和感を感じた。
ステータスと念じてみる。
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職業:魔導師
魔導神の指輪
ーーエキストラアイテム
魔導神の辞典
ーーエキストラアイテム
魔導神のアイテムボックス
ーーエキストラアイテム
冥府の衣
ーーエキストラアイテム
名前:ミナト=オトナシ
レベル:100
HP:2000000
MP:4000000
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となっていた。
(確か、以前に魔導神の辞典で調べたらレベルのカンストは100だったよね?もう、カンストしてるじゃん。しかも職業が魔導師になってるし・・・
えっと・・・、、、狩り過ぎたかな?)
ミナトが自重を覚えた瞬間だった。
・・・ミナトは知らない。
この森がこの世界で入ったものは必ず死ぬ。生存率0%の”破滅の森”と呼ばれて場所である事を。