ステータス
ミナトは目が覚めると森の中に居た。空には雲が多々にわたり浮かんでおり、ときおり吹く風は彼の頰を撫でる。
(本当に異世界に来たんだな)
思い起こすように神様との会話を思い出す。まずは神様に言われた通りステータスと念じてみようと思った。
念じると目の前の空間に文字が浮かんでいた。
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職業:魔法師
魔導神の指輪
ーーエキストラアイテム
魔導神の辞典
ーーエキストラアイテム
魔導神のアイテムボックス
ーーエキストラアイテム
冥府の衣
ーーエキストラアイテム
名前:ミナト=オトナシ
レベル:1
HP:20000
MP:40000
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と判明した。
すると、頭の中で声がした。
「ミナトよ。ステータスの確認は終わったかのぉ~。そのエキストラアイテムは知り合いの神々からもらったやつなんじゃが、儂が持ってても意味がないからの、お主にやるわい。これでこの世界で生きていけるじゃろ。あとは、すまんのぉ~。これで儂とはお別れじゃ。神は基本下界に干渉してはならないのじゃ。またどこかで会えればいいのぉ~。それではミナトよ、悔いのない人生を送るんじゃよー。」
神様は一方的に会話を切ってしまった。神様は忙しいのだろう。そんな事をミナトは思った。そしてミナトは神様に感謝した。これで楽しい人生を謳歌できるそんな気がしたから・・・。
次にミナトはスキルと称号の確認をした。
魔導神の指輪
(魔導神によって生み出された指輪。壊れることは無い。超級までの魔法に消費するMPを0とする。また使用する魔法の威力が上がる)
魔導神の辞典
(魔導神によって生み出された辞典。また全属性の初級~神級までの魔法が載っている。使用することで所有者の脳とリンクする。使用後は辞典は消失するが、辞典の内容を所有者が記憶するため問題は無い。またリンクすることにより、この世界の常識的な知識を覚える事出来る。)
魔導神のアイテムボックス
(魔導神によって生み出されたアイテムボックス。時空魔法が施されており空間から思い通りに物を入れたり取り出せる。この中に入れた物は時の影響を受けずに入れたままの状態で保存される。容量は無限大)
冥府の衣
(攻撃魔法の体制に強く超級までの魔法攻撃を通さない。また神級の隠蔽が施されている。他者は神級の鑑定スキルを用いないとこの所有者のステータスを見ることはできない。他者には所有者の望むステータスを見ることになる。)
『やば・・・・』
彼は貰ったアイテムの異常さに驚愕をおぼえる。魔導神の指輪によってレベル1でどんなにMPが少なくても超級までの魔法を使うことが出来てしまう。しかも魔導神の辞典により神級までの魔法を覚えることが出来るようだ。
さっそく魔導神の辞典を手に取る。すると頭に声が浮かんだ。
『《魔導神の辞典》を使用します。使用後、《魔導神の辞典》は消失します。よろしいですか?』
その声にミナトは頭の中で頷く。
『かしこまりました。《魔導神の辞典を使用します》』
すると激しい頭痛に襲われる。
ミナトはあまりの痛さに意識が消えそうになる。しかしミナトはなんとか耐えた。
『いっつぅー、、、なんて痛さだ・・・。こんな痛み生きてきた中で味わったこと無いぞ。』
すると、頭の中で無数の魔法が浮かぶ。なるほど、これで魔法を覚えることが出来たようだ。
さっそく魔法が使えるか確認してみよう。
どんな魔法を使うか考える。風でも出してみるか。軽い気持ちで考え、手を前に出し頭の中で浮かんだ呪文を唱えてみる。
『風よ。我が声に応えよ【ウィンド】』
ウィンドは最低の初級。考えも無しに唱えたが、手から出て来たのはまるでカマイタチ。目の前の木々に飛んで行った。
『え?』
ミナトの周辺は木々に囲まれる森林のはずがミナトの目の前だけ、遥か彼方まで削られている。
『・・・』
言葉を失うミナト。レベル1のミナトの筈なのにこの威力。彼の持つアイテムはとてつもなく強力のようだ。
とりあえず、詠唱を唱えてからの魔法はあまり使わないようにしたほうがいいな・・・。ミナトはそう思った。