主人公の死は突然に。
俺、音無ミナトはいきなりだけど銀行強盗の人質にされていた。
犯人グループは当初3人グループだったが、スナイパーによる発砲で2名死亡。
残る1名が俺を人質にして逃亡を図る。
最初の発砲から数時間が経過、銀行強盗とネゴシエーターと思われる人物と交渉を続けていた。
そんなとき
【パンッ!】
乾いた音が響いた。
スナイパーが銀行強盗に発泡した音だろう。
・・・だが様子がおかしい。
自分の胸に違和感を感じる。下を見たら胸からありえない量の血が流れ出している。
続けてまた発泡音。銀行強盗が力無く崩れ落ちた。
銀行強盗を狙ったつもりが俺に当たったらしい。
ふざけるな。一生懸命に生きて行けばこんな俺でも幸せな人生を送ることが出来たはずだろう・・・。
なんで俺を撃ったんだよ・・・。
今度生まれ変わったら後悔しないように好き勝手になってやる・・・
意識が落ちていく中、ミナトは強く思うのであった。
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目が覚めると真っ白な空間にいた。だがどうやら俺は死んで天国にでも行ったのだろうか?現状が飲み込めない。
突然、目の前が光出した。光から出てきたのは老けた老人、だがなんとなく神々しいようなオーラを放っているようにも見えた。
『悪いのぉ~。ミナトよ。お主さっき撃たれて死んだじゃろ?それ、儂のせい。下界でスナイパーが撃つ瞬間をじっと見てたら儂の力が影響されてしまいスナイパーの意識が薄れてしまったのじゃ。普段見てるだけではそんな事起きないのじゃが、儂もあの瞬間だけは息を呑んでしまったのじゃ』
老人は申し訳無さそうに話す。
この老人は一体誰なんだ?ひょっとして神様なのか?
『そうじゃよー。儂は神じゃ。しかも神々の最高。あー悪い悪い。心を読ませてもらった。お主が死んだのはとにかく儂のせいなのじゃ。そのまま放置というのも見過ごせないしの。生前、生まれ変わったら最後に後悔しないよう好き勝手に生きると強く望んでおったろ?どうじゃ?このまま異世界にでも転移してやろうか?もちろん今回の件、全て儂が悪いのだからサポートくらいはしてやるぞい?』
まあ、それなら行く価値があるな。でも死んでそのまま天国でのんびりするのもありだけどな。
『天国なんてのは無いぞい。死んだらすぐ何処かの世界の生命に転生される。ちなみにお主の来世は”フジツボ”じゃ』
”フジツボ”だと!そんなのは嫌だ。神様、異世界転移をお願いします。
『わかったぞい。次に目が覚めたらステータスを確認するのじゃ。”ステータス”と念じれば出てくる。いくつかのスキルを送っておく。楽しみにしておくんじゃよ。』
神様は優しく微笑みながら言った。
だんだんと意識が薄れていく。
次の世界で悔いなき人生を送ってやる。
ミナトはそう思った。