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デッド・エンド・ライン  作者: 家猫えづき
5/7

顕現せし金色の混沌(3)

――――なんでこんなことになったのやら・・・。


「で?なんでお前はうちにいるんだ?」

 悩みの種を正座させていた。金髪の髪の毛が眩しい。


「ご紹介が遅れました。本日よりお世話役で参りました城戸崎エレナと申します。」

 と、言うことらしい。つまり昨日親父が言っていたのは、この子が世話役でうちに来て、親父たちがいない間は、この子がうちのことをやってくれるらしい。炊事洗濯、さらに金の管理までこの子がやるように言われてるらしい。帰り道に親父に何度も連絡したが、呼び出し音すら鳴らなかった。だからこの子に全部聞かなければならないということである。


「なるほどな・・・それで?なんで雪乃までいるんだ?なんでそんなに怒ってるの?」

 そして一番厄介なのが、俺の前に真剣で立ち合った時のような雰囲気の幼馴染が腕を組んで座っている。・・・なんでそんなに怒っているんですかねぇ・・・。っていうか何で俺まで正座させられているの?


「ハルは気にすることはない。私はただ話を聞きに来ただけだ。そして別に怒ってない。」

「・・・そうですか。」

 こうなったら自分が納得するまで、決して許してくれない。そして雪乃の「怒ってない」は怒ってるときの口癖だ。はぁ~・・・早く終わってくれないかな・・・。だが、この沈黙を破ったのは意外にも、エレナだった。


「あ、そうだ神城さん。一つお聞きしていいですか?」

「春也でいいよ。何でも聞いてくれ。」

「あ、なら私もエレナと呼んでくださいね♪」

 なんとなく、苗字で呼ばれるのに慣れてない。何故なのかは、分かんないけど・・・例えば、カレーが好きで、なんでカレーが好きなの?って聞かれても、なんとなくしか分かんないだろ?そんな感じ。だから、基本的に名前で呼んでもらいたい。そして俺も名前で呼びたい。


「お仕事は、刀治さんと同じことをやっているんですか?」

 その質問はなんとなくまずい気がする・・・。親父の仕事を知っているってことは、少なくともエレナも関係してるわけで・・・。なんて答えるのが、ベストなのか考えていると、沈黙を守り抜いていた雪乃が口を開いた。


「城戸崎エレナ。君にそこまで干渉する権利は無いはずだ。」

「なぜですか?今日からこの家にお世話になるんですよ?いろいろ知りたくなるのは当然のことだと思いますが・・・。」

 かなりドスの利いた声で雪乃は凄んだのに、エレナは特に気にすることもなく反論した。この子、相当肝座ってんな・・・。


「あ、ちなみに私も刀治さんと同じ仕事をしています。」

 なるほど。そういう繋がりか・・・って、雪乃がいるこの場で、その話をするのはまずいのでは?


「刀治さんと同じ仕事?」

 あ、マズイ。エレナは俺が雪乃に嘘ついてるのを知らないわけだから、聞かれたら言ってしまいそう。それはマズイ。・・・まぁでもいつまでも嘘ついてるのも雪乃に申し訳ないし・・・後で話すか・・・。


「雪乃、後で詳しい話するから、俺の部屋で待ってて。」

「・・・分かった。」

 雪乃が、居間を出ていって俺の部屋に入ったのを確認して、エレナの方に向き直った。どこから聞いていこう・・・?


「親父と同じ仕事ってことは、所属か?それとも型無(かたなし)か?」

「その単語を知ってるってことは、やっぱり春也さんも同じなんですね・・・私は型無です。」

 エレナは少し寂しそうな顔をして続けた。


「・・・そもそも私は、小さい頃に刀治さんに拾われたんです。春也さんにも一応会ったことはあるのですが、覚えてませんよね?」

 俺とエレナが・・・?

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