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――聖受歴1,537年水耀月7日 晴れ
あの野郎が帰ってきた。
帰って来やがった。
爽やか笑顔に、胃薬の手土産持参で。
文句の一つも言ってやろうなんざ、考えた俺が馬鹿だった。
奴が帰って来たんだ。
だったら、俺がやるべきことは一つ。
さっさと荷物をまとめて、逃亡することだったのによ……3日くらい。
だってのに俺は、馬鹿だったんで。
救い様のない馬鹿だったんで、わざわざ会いに行っちまった。
おぅてめぇ、どこに何しに行って……
…………。
………………。
え? は?
おい、なにしたっつって……
……いや、いい。
いいから。言うな。
いいっつってんだろ!?
言うな、頼むから言わんで下さい!
き、聞きたくねぇぇえええええええええっ!!
こうして、俺の胃がキリキリする日々が本格的に始まった。




