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第一章 〔欲喰奪魔の目覚め〕1日目~5日目

【神話:淘汰する者】第一章開始


一章〔1日目〕

どの位時間が経ったのかぼんやりと意識が覚醒する。

そういえば意識を失う前に、

頭の中に何かアナウンスが流れた気がしたが、ノイズが酷くて分からなかった。

鮮明になる視界に見えるのは石造りの神殿ではなく、見覚えがない古びた教会の中。ここは何処だ?起き上がり周り見渡すが人の気配どころか生き物の気配さえしない。

一応、メニュー画面は呼び出せるので現実世界に戻った訳ではないようだ。ログアウトの表示も消えたままになっており困惑する。確かにデスゲームはクリアしたはずだが・・・。念のためステータスの方も確認することにした。すると【無事転生に成功した為これより《神話:淘汰する者》第一章を開始します。貴方の行動が世界の未来を左右します。また、この異世界には他にも神話有資格者が多数、転生していますのでご注意ください。最後になりますが全ての転生者には公平を期する為に転生前に所持しておりましたLV・スキル・称号・職業・装備・アイテム等全て初期化させて頂いております。】というシステムメッセージが現れたあとステータス画面が表示された。

名前:一郎

性別:男

職業:【戦士】

種族:【モンスター種:動死体(ゾンビ)

職業LV1

種族LV1

HP:300

MP:200

STR:100

VIT:100

DEX:100

AGI:100

INT:100


◆種族◆

動死体(ゾンビ)】LV1

●種族特性

【光属性耐性脆弱】【火属性耐性脆弱】

【痛覚緩和】【捕食回復大】【生体感知】

【状態異常無効】

【部位欠損ダメージ無効】


◆称号◆

掌握(コンプレクシー)

全てを手にするに相応しい者に神が贈る称号。

{開示LVが足りないため詳しく閲覧出来ません。}

なお【神話:淘汰する者】第9章27節まで物語が進行した時点で一部、称号の力が解放されます。


◆スキル◆

奪餓暴欲(グリード)


◆職業◆

【戦士】LV1

近接武器を装備できる。


◆装備◆

初期化されました。

◆アイテム◆

初期化されました。

◆所持金◆

初期化されました。

◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎

一通りステータス画面を確認した。

いろいろ調べなくてはいけないことがあるがまず最初に判断する必要があるのは、転生についてだ。転生が本当でも嘘でも今この時、俺が生きている事に代わりがないので今は深く考えないようにする。問題は転生という名目で俺が今いるこの場所や世界が何処なのかだ。今のところあげられる選択肢は3つ。1つ目、本当に異世界それもRPGのような世界に転生した。

2つ目、先のデスゲームが終わっておらず【MONSTERs:ONLIN❷】が始まった。

3つ目、【MONSTERs:ONLIN】はクリア出来たがログアウト出来ず取り残された。

一番ありそうなのが3つ目だが情報が足りないので一旦放置して、ステータス画面を見て気になった処をもう一度、確認する。

まず【掌握(コンプレクシー)

全てを手にするに相応しい者に神が贈る称号。{開示LVが足りないため詳しく閲覧出来ません。}なお【神話:淘汰する者】第9章27節まで物語が進行した時点で一部、称号の力が解放されます。こんな称号はゲーム時に聞いたことがない。そもそも何度も話に出てくる【神話:淘汰する者】とは一体何のことだ?

謎だけが増えていく。次に【奪餓暴欲(グリード)】これも聞いたことのない特性だ。

詳細を表示する。【奪餓暴欲(グリード)

倒した相手の魂を拘束しスキルや特性、称号を奪う事が出来る。常時発動(パッシブ)

見なければ良かった。

まぁ今日はなんだかんだで疲れたし精神衛生上これ以上考えたくないのでもう寝る事にする。詳しくは明日考えよう。安全対策で【生体感知】を発動しておく。


一章〔2日目〕

今日は朝からフィールドワークをしている。じっとしていても情報がない今の状態では、時間を無駄にするだけだ。一応断っておくが決して考えるのが面倒臭くなった訳ではない。うん、絶対に。とりあえずフィールドワークの結果判明した事が幾つかある。

一つ目、この世界は【MONSTERs:ONLIN】の世界ではない。教会の外に広がる世界は【MONSTERs:ONLIN】のどのフィールドにも当て嵌らない。教会の外は森が広がっており地面は湿地になっている。空は晴れ渡り、遠くに大きな山が見える。山頂部分は雪が積もっているのか白くなっている。この条件で当てはまるフィールドを記憶から探すが思い当たらない。今迄、見たことがないモンスターが多く生息している。

二つ目、LVアップについてだがこれは、ゲームの時と同じだ。敵を倒すと経験値が得られ一定以上になるとLVが上がる。今の俺でも倒せそうな小鬼(ゴブリン)を何体か倒しているとLVが上がっただがゲームと違うのはLVアップ時に力が漲り、仮初めの万能感に気持ちが昂ぶる事だ。

三つ目、【奪餓暴欲(グリード)】についてだが、小鬼(ゴブリン)を倒した時に体から魂のような物が抜け出し俺の体が吸収したのだがその時、新しくスキル【撤退(エスケープ)】を手に入れた。【撤退(エスケープ)】は逃走成功率を上げる事が出来るらしい。

奪餓暴欲(グリード)】はこの世界で生き残るのに有益なスキルだ。

今の俺は余りにも弱過ぎるので暫くはLV上げや【奪餓暴欲(グリード)】でスキルを集め自身の強化に努めようと思う。

明日からゴブリン狩りが始まるだろう。

ちなみに夜のフィールドは昼間よりも、強いモンスターが活動するので、【俊敏性低下】などバットステータスを受けるが強くなるまで昼間に行動することにした。

一撃で殺されるよりマシだ。

とゆうことで今日は早めに寝る事にする。


一章〔3日目〕

午前中で25体のゴブリンを狩る事ができゴブリンから長剣を始め防具など装備を手に入れた。また【撤退(エスケープ)】をスキルLV最大のX(テン)迄で上げることに成功した。今は【生体感知】を発動させ新しい獲物を探して森を探索している。今現在のLVが25なのでそろそろゴブリンから得られる経験値では物足りなく感じてきた。今の俺なら豚鬼(オーク)を倒す事が出来ると思うが今日は見かけていない。仕方なく拠点にしている教会に戻ろうと来た道を引き返していると争い合う音が聞こえてきた。音の方に向かうとゴブリンの集団と豚鬼(オーク)の集団が戦闘をしていた。

数はゴブリンの方が多いが個々の力は豚鬼(オーク)が圧倒しており、勝敗は火を見るよりも明らかである。今のうちに豚鬼(オーク)の後ろの藪に身を隠し勝負が決まり油断したところを襲撃出来るよう準備を整える。

暫く待つと最後まで残っていたゴブリンが頭を潰され崩れ落ちると同時に俺は飛び出した。剣を振り下ろして先制攻撃をしかける。戦闘開始だ。結果は敗走。うん、一体も仕留められなかった。まず脂肪が厚いせいなのか剣では対してダメージを与えることができない。武器の改良か攻撃系のスキルが必要だ。

悔しくてしょうがない。いずれ倒すと心に決め今日は寝る。絶対に倒す。


一章〔4日目〕

今日は装備を強化したい

特に強い武器が欲しい。なら奪えということで俺は一体のゴブリンの後を追跡し【ゴブリン集落(ゴブリンコミュニティ)】を発見した。10~15体程の集落だ。今の俺なら問題ない数だ。奇襲をかけることにした。コミュニティに突入して一番最初にゴブリン・リーダーを探す。この混乱を落ち着けようと周りに指示をだすゴブリンを発見した。勢い良く近づき両断し指揮系統を壊滅させる。後は一方的に倒して行く。あらかた、殲滅した頃それは現れた1体の中鬼(ホブゴブリン)である。中鬼(ホブゴブリン)の強さは豚鬼(オーク)と同等。間違いなく逃げた方が良いが、背中を向け逃げる事を奴は許さないだろう。

これは此方が仕掛けた生存戦争だ、どちらか一方が倒されるまで続く。最初に動いたのは中鬼(ホブゴブリン)だ。怒りに燃える目は俺を許しはしないだろう。咆哮をあげ剣を振り下ろしてくる。全力で剣で受け止めるが勢いが止まらず押し込まれる。衝撃が両腕に走り痺れる。なんとか剣を弾き、お互いに激しく打ち合う。一撃一撃が重く早い。このままだとジリ貧だ。賭けに出るしかない。特性の【痛覚緩和】【捕食回復大】を発動させる。大きく振り下ろされる剣を左腕で受け止める。激痛と共に肉を切り裂き骨に当たり剣が止まる。中鬼(ホブゴブリン)が剣を引き抜くまでの隙をつき右手の剣を心臓に向け突き出す。肉を切り裂く感覚が手に伝わるが浅い。まだだ、まだ足りない。決定的な一撃が。そしてこれが最後の一手だ、俺は全力で奴の喉元に喰らいついた。そのまま喉笛を噛みちぎる。鮮血が喉から溢れ出て世界を紅く染める光景は美しいと思った。捕食によりダメージが回復するのを感じながら倒れ込み眠りにつく。

◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎

称号【指揮官】を獲得しました。

称号【一鬼討ち】を獲得しました。

スキル【剛剣】を獲得しました。

スキル【豪剣】を獲得しました。

スキル【威圧】を獲得しました。

スキル【咆哮】を獲得しました。

◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎

第一章〔欲喰奪魔(アプレスティア)の目覚め〕クリア条件の一つ《生存戦争》がクリアされました。残り6つあるクリア条件の内4つクリアされた段階で第二章が開始できます。

◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎


一章〔5日目〕

昼間まで眠りについていた。

大きくLVが上がったらしく、大きな幸福感が体を包んでいる。実に優雅な目覚めだった。

ステータスを確認する

名前:一郎

性別:男

職業:【戦士】

種族:【モンスター種:動死体(ゾンビ)

職業LV50

種族LV70

HP:900

MP:500

STR:800

VIT:600

DEX:500

AGI:800

INT:500

着実に成長している。

今の世界がゲーム時と同じなら、

職業LV・種族LVは300まであがるがLV150以上で上の職業・種族に【職位上昇(ランクアップ)】/【進化(ランクアップ)】することができる。ステータスを確認した後は、【ゴブリン集落(ゴブリンコミュニティ)】を散策して使える物を教会に運んだ。

◼︎◼︎◼︎◼︎取得品一覧◼︎◼︎◼︎◼︎

鉄のエストック×2

鉄のバトルアックス×1

鉄のラウンドシールド×1

鉄のガントレット×1

体力回復薬(ライフポーション)×4

魔力回復薬(マナポーション)×2

背嚢(バックパック)×2

◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎

エストックとラウンドシールド・ガントレットを装備する。これで奴らにリベンジ出来る。明日からまた戦いの日々が始まるだろう。

今日はもう寝る。




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