お先真っ暗なのは気のせいでしょうか。
新キャラ出て来る予定にしてたんですが
私の切りの悪さでセリフ一言しか出せませんでした。
調整能力無くってすみません(土下座
目の前には、樹齢が何千年もあるような大木。そこにかかっている立派な木製の階段の先にあるのは、屋根がピンク、壁がオレンジ、という目に刺さる配色の家。俗に言うツリーハウというやつでしょうか。ツッコミどころ満載の色使いですが、今はそれどころじゃないので放置。
どこですか!?ここ!?
そう叫び出すのは流石にしませんでしたが、頭の中は疑問で一杯です。ハテナが吹き荒れています。嵐です。
「・・・あ、あの、先生、ここどこですの?」
「ここは入口ですわ。」
やっとこさ紡ぎ出した言葉で先生に問えば、返ってくる不可解な返事。
どういうことでしょうか? 脳内ハテナが増えます。
「あの、先生、どういうことだか私にはさっぱりですわ。なぜ先生はここに私を、」
「連れてきたかって?それは入ってからのお楽しみですわ」
少し語気を強くして再び先生に状況の説明を求めたものの、私が言い終わらないうちに語尾を拾われ、簡単にはぐらかされます。
ジロリ、先生を睨む私の視線もどこ吹く風。いつものように淡い微笑を見せたかと思うと、動かない私を残して、先生はツリーハウスの前にかかっている階段を登り始めました。
ああ、帰りたい。とても帰りたい。
空間移動魔術が使えれば家に戻れるのに!!
先生の後ろ姿を見ながら、上級魔法が使えない自分を呪います。
確かに先生に教えてもらうことは正直何もない、というようなことを初めに言いましたけど。
でもそれは私の年齢の子供が知っておくべき魔法だけなら、ってことなんですよね。
実力で比べると、フローネル先生みたいな上級魔導師と私とでは天と地の開きがありますし。だって先生、上級魔法すら無詠唱でしたし。しかも魔力量が少ないはずの女性ですし。
・・・・・・・・・・・・・そう考えたら先生って何者なんでしょうか。
今まで何も疑問に思わないで、彼女の授業を受けてましたが、すごく不思議です。
お母様に、女性でありながらとても才能のある上級魔導師様よ、と本人に会う前にさらりとそんな情報を貰ったのですが、先生について知ってることと言えばそれだけです。
あ、そういえばそのあと、女の方なのですか?と聞き返した私に
『そうよー、女性の方よ。私の可愛い可愛いユーリを野郎なんかに任せておけるわけないでしょう?手なんか出されたらっ、て思うと毎日授業の時間になるたび母は心配でそいつのことを社会的に葬り去りたくなるわ』
答えたお母様の笑顔の後ろに般若が見えましたっけ。
ああああ・・・嫌なこと思い出した。
恐怖の記憶に鳥肌が立った腕をさすっていると
「ユーリ様、早くいらっしゃいませ!」
とツリーハウスの扉の前の先生からお声がかかります。
気が進まないながらも、階段を登り、先生の隣に行きます。
すると、先生は私が来たのを確認するや否や
「我が言葉ハ力ナリ。言葉の剣ヲを以ツテシテ、滅びの来たルその日ニハ、血肉余す処なク、イシュメルの創りたるこの地と共に朽チン事ヲ。」
何やら小難しい台詞を唱えました。そしてそれが終わった瞬間にやってくる、本日三回目のあの感覚。
また移動するんですか。ていうか呪文長くないですか。なんでこの移動だけ唱えるんですか。どこ行くんですか。と山のように渦巻く疑問を先生に聞く時間なんてあるはずもなく。
まばたきする合間に、次の目的地につきました。
「ようこそ、お二人とも。待ちくたびれたよ」
誤字脱字、感想、作品を読んでて疑問に思った所など。
教えていただけると幸いです。