文字記号
今、感じたことを言葉にしようと
画面を開いて、本文をクリックした
振りだした言葉を指先に受けて
消える前に必死に言葉を叩いていく
中指に残る鉛筆ダコに目をやると
指を止めて、じっくり眺めた
同じ文字を何度も何度も
ノートに書いて書いて
頭に叩きこんだ
文字だけじゃない
詩も
意味もわからず、感じる前に
文字記号に変換して
頭に入れた文字記号を声に出して
三回
何度も書いて、声に出して練習した
それなのに
残ったのは鉛筆ダコと文字記号
あんまりじゃないか
と
遠い日の詩人たちの嗚咽が
聞こえる
そうだ、あんまりだ
私は遠い日の詩人たちの言葉を
本文に打ち込んだ