月村了衛さん著「地上の楽園」
日々いろいろな小説を毎日読んでいる私だが中には小説を読んで苦しくなったり悲しくなったり するものも少なくない
最初はみなハッピーエンドだと思って小説を読みはじめるが中盤に行くにつれて 私の思っている内容と食い違いが生じる
そして基本法に小説は全部読む派なのだが終わる頃には苦しみながら読んでいくのである
読みめることがつらくなって思わず本を閉じた作品 この秋出版された月村了衛さん著の「地上の楽園」もその一つである
『地上の楽園』は1959年の在日朝鮮人による北朝鮮への帰還事業を題材に、差別の現実と「楽園」への期待・裏切りを描いた社会派エンターテインメント作品として当時から注目されていた
今のご時世でこのような小説を感想でも書くのはとても勇気がいることだ 北朝鮮への帰還事業に関わった在日朝鮮人の若者2人を描いた小説を書く者もいないだろうと思う
1人は地上の楽園の理想を信じて周囲の人を帰還事業に送り出す。1人はその友人に勧められて家族と北朝鮮に渡る決意をする。第1船が出た1959年12月14日に新潟港で2人の運命は分かれた。後にそれぞれを待ち受ける苦難は読まなくても想像がつく
日本に残った主人公は、食べるものにも事欠く渡航後の実態を知り、北朝鮮を礼賛する記事を書いた新聞社を訪ねる場面がある。なぜあんなうそを書いたのか、せめて訂正の記事を出してくれ と思う
話は違うが 今公開中の映画「ペリリュー 楽園のゲルニカ」も同じことがいえた
読むことが億劫になってしまったのはこの2人の家族や知人があまりにも可哀想で辛すぎルノだ
しかし、在日韓国朝鮮人の差別がこんなにまで苛烈だったとは思わなかった
これは小説だが 間違いなく 後世に残すべく作品といえるだろう




