表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『魔術師の杖 THE COMIC』制作記  作者: 粉雪@『魔術師の杖』11月1日コミカライズ開始!
第2話 魔導列車の旅

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

10/14

10.雪の街で聞き込み

喜多方の魚活さんで。熱燗で温まります。

挿絵(By みてみん)

 スマホの電池が切れ、雪が降りしきるひと気のない街を、本50冊入れたスーツケースをコロコロ押して歩きます。


 すっかり汗だくになり、吹きつける風が汗を冷やして寒い、痛い!


 ちょっと待って!


 吹雪くとかなしで!(涙


 冷たい風って肌に痛いんですね……幸いにも、お客さんを見送って料亭らしき建物から板前さんらしき人がでてきました。


 第1村人発見!(違


 単純に雪が降る夜に出歩く人がいないだけで、私が歩いていたのは市役所近くの市街地でした。


「あづま旅館という旅館をご存知ですか?」


「ああ、あづま旅館さんならそこをまっすぐ行って、角を曲がればすぐですよ」


 粉雪、道に迷うことなく、どうにか最短コースで宿にたどりつきます。


 本50冊詰めたスーツケースは重いため、そのまま玄関に置かせてもらい、部屋へ。


(え、可愛い!)


 古民家を改装したとのことですが、テレビの前にはクッションを置いた小さなソファーもあり、ベッドも備えています。


 シンプルですが可愛くて居心地のいい部屋でした。


 浴室やトイレは共同ですが、お風呂は空いている時間に名前を書き、貸切で利用するシステムです。


 ゆったりと過ごせそうなのを確認して、夕食を食べに夜の街へ。


 時刻は夜の7時頃ですが、雪ですから宿をでてすぐの四つ辻に立ち、看板が光っているお店を見つけて入りました。


『魚活』さんという和食処です。


「え、喜多方ラーメンじゃないの?」と思うでしょ?


 お店の場所とか全然調べてなかったんですよ!


 でもここで北国の人情に触れます。


「まだやってますか?」


「どうぞどうぞ。雪だし人も来ないし、もう閉めようかと思ってました。何にします?」


「あったまりたいので熱燗ひとつ!それと魚活定食お願いします!」


 天ぷらとお刺身が両方食べられる定食を注文しました。


「昔はね、市役所の人たちが仕事終わりにみんな来たもんです。1日に40人、50人とお客さんがいてね。ここの2階は7部屋もあるんですよ」


 2階のひと部屋でお医者さんが忘年会をしていた他は、お客さんはカウンターに座る私ひとり。店主が話相手になってくれました。


 ネリアのイラストも「飾っておくよ」と快く預かってくれました。けれど……。


「もうね、40年にもなるし店は来年で閉めようと思ってて」


 えっ、お店……なくなっちゃうんですか?


「うちは娘たちだけで跡を継ぐのもいないしね」


 懐かしむように、店主はカウンターの上に飾られている紙細工を見上げます。


「この飾りもね、お客さんが作ってくれたの。でももう亡くなっちゃったしねぇ。潮時かなって」


 時代なのでしょうか。立派なカウンターに大きなテーブル、そしてお座敷……きっと家族で食事をするとか、宴会では重宝したお店なのでしょう。


「最初はね、スーパーに刺身のサクを卸す仕事してたの。それから店を持って。繁盛しましたよ。毎日、そりゃもう忙しくてね。今はね、市役所の人たちも仕事帰りに一杯やるとか、しなくなったからねぇ」


「たしかに……」


 飲みに誘う上司とか、昭和の時代の話です。でも寂しい話ばかりでもありませんでした。


「もうね、買い手は決まってるの。2階は7部屋あるから改装して泊まれるようにして、1階は料理を出すようにするみたい。ホッとしたよ」


「へえぇ!」


 民泊のようなものでしょうか。


「田んぼも売って、畑は農家民宿みたいな感じで生き延びる。そういうとこ、今多いよ」


 農家民宿……なるほど、農業体験もできて都会暮らしの方には、いいリフレッシュになるかもですね。楽しそうです。


 そんな感じでお話を聞いていたら、グループでお客様が来店されました。


 ついでなのでひつじロボ先生サイン入り、ネリアちゃんカードを配ってアピール。


 そしたらなんと!


 その道ひと筋23年という、麺職人の御一行様でした!


 おおお、では麺作りにもこだわりが。


「いや、俺はただ作ってるだけなんで。品質管理はこっちの担当で」


 品質管理担当は麺職人のお隣さんでした。


「喜多方といえば朝ラーっすよ!」


 痛恨の致命的ミス!


 私はおいしいと評判の、あづま旅館の朝食を予約してしまっていました。


 朝ラーはあきらめて昼ラー決定です。


「ハイシーズンは人気店だと朝7時の開店から、2時間待ちの行列ですよ。トビウオ出汁で澄んでいるのにコクがある。で、スープがなくなったら営業終了です」


 喜多方ラーメンのハイシーズンとはいったい……。後から旅館で聞いたら、桜の季節と夏祭りの時期は喜多方も観光客で賑わうようです。


 朝ラー目当てで泊まりにくる観光客凄い。おいしいものにかける執念は見習わなくては!


「飲み屋でラーメンだすところもありますよ。店によってスープが違うから、あとは好みかなぁ」


「俺はここが好き。あと……」


 いろいろとお店の情報を教えてもらいました。


「6月まではやってるからさ。またいらっしゃいよ」


 魚活のご主人と麺職人の御一行に見送られて店を出て宿に戻り、ゆっくりお風呂で体を温めてから就寝。


 翌日、しっかり筋肉痛になりました。本50冊はさ、郡山でロッカーに預けるとかしても良かったと思うよ!

挿絵(By みてみん)

 あづま旅館の朝食。お米もおいしいし、こちらも大満足。

挿絵(By みてみん)

朝食のあとは手作りのジオラマを眺めつつ、コーヒーを飲みながら情報収集。喜多方観光コンシェルジュをされている、あづま旅館の女将さんに大変お世話になりました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
作者にマシュマロを送る
☆☆『魔術師の杖 THE COMIC』☆☆
ニコニコ漫画

毎月1日更新!『MAGKAN』(先行配信)

『魔術師の杖 THE COMIC』
☆☆アプリ『コミマガ』でも配信中!☆☆
作画:ひつじロボ先生

シリーズ公式サイト
小説版『魔術師の杖』
☆☆NovelJam2025参加作品『7日目の希望』約8千字の短編☆☆
『七日目の希望』
☆☆電子書籍販売サイト(一部)☆☆
シーモア
Amazon
auブックパス
BookLive
BookWalker
ドコモdブック
DMMブックス
ebook
honto
紀伊國屋kinoppy
ソニーReaderStore
楽天
☆☆紙書籍販売サイト(全国の書店からも注文できます)☆☆
e-hon
紀伊國屋書店
書泉オンライン
Amazon

↓なろうで読める『魔術師の杖』シリーズ↓
魔術師の杖シリーズ
☆☆粉雪チャンネル(Youtube)☆☆
粉雪チャンネル
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ